2010年07月20日
バイオシミラー市場が急展開
2010年5月27日、日本ケミカルリサーチ(“JCR”)とキッセイ薬品は腎性貧血治療薬「エポエチンアルファBS注JCR」の販売を開始する。これは我が国で最初のバイオシミラーであり、今後、我が国でも多くのバイオ医薬品のシミラー(類似薬)や後発医薬品が登場してくることが予想される。
2008年現在、世界で2000億円以上売れているバイオ医薬品は13品目ある。ちなみに100億円(10億ドル)以上売れている薬をブロックバスターと呼ぶ。トップの関節リウマチ薬enbrelは5000億円だ。従来の低分子医薬品に変わって、現在、抗体薬を始めとするバイオ医薬品の存在感が大きく増してきている。こうしたバイオ医薬品の特許が切れたあとは、バイオ後発医薬品が一気に増えてくることを意味する。
我が国では欧米の50%(量ベース)に比べて、まだ15%(量ベース)と後発医薬品の普及は進んでいない。これはゾロといわれる後発医薬品に対する不信感と後発医薬品メーカーの経営基盤が弱いことも理由の1つとなっている。一方、バイオ後発医薬品は低分子化合物に比べてその製造管理の基準が遥かに厳しく、品質的にも先発と後発の差が殆どないといわれる。
またバイオ医薬品は概ね薬価が高いため、低価格である後発品の需要が高まると予想される。このようにバイオ後発医薬品は一気に普及する可能性が高い。
すでにG-SCFについては北海道のバイオベンチャーであるジーンテクノサイエンスと富士製薬、持田製薬が和製バイオ後発医薬品第1号を目指して開発を進めている。
またこれを追いかける形で世界最大の後発医薬品会社であるテバ(イスラエル)と興和の合弁である興和テバが、輸入品による参入を表明した。
外資の国内製薬企業に対する資本参加も相次いでいる。上記のテバと興和に加え、3月26日には英国のメガファーマであるグラクソが上記EPOを開発したJCRの筆頭株主になった。また5月28日、フランスのメガファーマであるサノフィ・アベンティスは後発医薬品大手の日医工に資本参加、合弁会社の共同設立を発表した。
日本の医薬品市場は約9兆円。現在はこの8%に過ぎない後発医薬品であるが、将来的にはこの数字が30-40%に跳ね上がると予想される。今後、国内新薬メーカー、後発医薬品メーカー、外資、そしてベンチャーがこの市場をめぐり競争を激化させていくことになる。ねがわくば、国産バイオ医薬品がこの中で確固たる地位を占めて欲しいと期待している。
(松田一敬)
投稿者 石井友二 : 10:48 | トラックバック (0)
2009年07月10日
業務改革について(3)
5.業務改革と業務改善
業務改革と業務改善は区別がつきづらい定義です。業務改革というときには、業務改善が含まれていることが多くあります。あえていえば構造的な変化をもたらすものが業務改革であり、表層的な変化を中心として意味するものが業務改善であるかもしれません。
しかし、使い方によっては業務改革と業務改善が同義でつかわれることもあり、明確に峻別されていないことも事実です。わかりやすいように今回は前者すなわち、業務改革は構造的変化・変更を、そして業務改善は表層的な変化・変更を行うことを意味する、と定期づけて活動をしていきたいと考えています。
なお、構造的ということは、病院として、あるいは制度として、さらには大きな仕事のながれとしての変化をいい、表層的ということは、その場で修正できること、何かを簡単に変えることができることを言っています。
6.具体的な手法
それでは意図した計画的な業務改革をどのように行っていくのかについて説明しましょう。以下の手順でこれを行うことになります。
①ピッキング
各部署での改革テーマを抽出する
②グルーピング
それぞれのテーマを相互に検討し、同一の根源によるものは整理する
③スコアリング
改革すべきテーマについてスコアを付け、優先順位を決定する
④オペレーティング
決定した事項を③にしたがってWG主導で各部署が実施しやすいよう誘導する
(1)ピッキング
各部署で明らかな課題をブレーンストーミングやアンケート、あるいは過去の資料からチェックして抽出する。ここでの抽出作業が業務改革の質を方向づけてしまうので留意が必要。なお、網羅的に活動することを避け、サンプリング的に抽出した部署の課題を掘り下げて改革手順を習得することで次につなげるという方法を採用するのであれば、それも一つの方法である。
(2)グルーピング
課題のなかには、部署間をまたぐ問題や課題があるケースが多い。また、バラバラに各部署で問題が発現しているが、その原因が一つであることもある。それらを整理し、問題や課題を並べなければならない。できるだけ絞り込みを行っていくことが必要となる。
(3)スコアリング
①利益影響度(利益に影響する額により531)
②複雑性(いくつかの部署が複雑に絡んでいる度合いより531)
③緊急性(今すぐ解決しなければならい度合いにより531)
④解決困難性(解決が難しい度合いにより531)
⑤解決コスト(解決するために必要とするコストにより135)
(4)オペレーティング
かたちとしてWGがすべてを担うことは難しい。WGは、上記(1)から(3)までを遂行し、実行は病院の関連部署や幹部がこれを議論し、一つ一つ解決をしていくことになる。
WGは、このプロセスに関与し、問題解決を関連部署が行うにあたり、アドバイザリー的に側面支援を行うことが求められる。関わり方については議論が必要。
7.まとめ
各部署が自助的に実施すべき業務改革を体系的に支援していくことが「業務改革サポートシステムWG」の目的です。上記をご理解いただき、現状の業務をすべて見直し、あるべきかたちに変えていくための活動を徹底して行わなければなりません。
投稿者 石井友二 : 02:47 | トラックバック (0)
2009年07月07日
日の丸理論
今日は、大阪のK病院の事務局長と部門別損益計算のミーティングをしていました。途中で、事務局長が、循環器の医師がきてカテが増えたので予想よりも収入が増加した。結局は自分たちが経営改革を徹底して行って国旗の色を真っ白にするけれども、日の丸の赤い部分は医師の力だという話をされました。同席していたR総研のIさんは、これをただちに日の丸理論というように名づけましたが、まさにその通りであると思います。
経営方針だ、目標管理だ、ブリーフィングだ、KPIだ、原価計算だ、パスだ、マニュアルだ、教育だリスクマネジメントだ、業務改革だ、なんだかんだといっても、結局は国旗の白い部分をより白くするだけでのこと。旗として成り立つには、真っ赤な日の丸をあるべき大きさにしていく医師の力が必要。それもスタードクターが一人来るだけであっというまに業績が変わる。
ということでした。
実際、S市のS病院は、大学教授が来て心臓の手術を始めた途端業績は上向きましたし、T病院の内視鏡のスペシャリストが来た途端、明らかに業績は伸びました。また、逆にY病院ではO先生が辞めた途端売上2億円マイナス…。間違いなく医師の力は絶大です。
事務局長は、しかし、こう付け加えました。真っ白な部分が黒だったりグレーだったりすれば赤い丸はつくれない。医師は病院の雰囲気やスタッフの状況をよくみているものだ。我々はできるだけ真っ白に旗を白くする、そして赤い丸が鮮明に見えるよう努力し続ける必要がある、と。
折しも、7月6日発売の日経ビジネスに、医療崩壊のウソという記事が特集で載っていました。経営の力により病院は大きく変革する。業績も改善する。これはすなわち地域医療に貢献できる機会を増大することであると思いました。医療崩壊は経営改革により十分立ち直ることができるといつも叫んでいる私は、こうした特集があると、少し溜飲を下げるのでした。
京都に移動し、これからK銀行との医療勉強会が始まります。私たちホワイトボックス株式会社は、これからも、医療崩壊を阻止する対応への、小さな積み重ね活動を進めていくため、努力していきたいと考えています。
「よい病院よくない病院の見分け方同時掲載記事」
投稿者 石井友二 : 00:29 | トラックバック (0)
2009年07月02日
業務改革について(2)
(3)看護プロセス
観察→診断→計画→(実施)→記録→(行動[修正])→退院要約というながれをもった看護プロセスは、そのなかで看護として行うべきことを決定し、課題を抽出し、課題を解決することで目的を達成することを意図しています。
課題を解決する過程においては、個人が合目的に動くことだけではなく、仕事の仕組みの変更が行われることがあります。看護体制やシフトへの工夫ということだけではなく、看護プロセスを回していくなかで、仕事そのものの業務改革が行われることにより、看護を行いやすい体制が整備されることになります。
3.医療全般における業務改革の必要性
上記にあげた事例だけではなく、現場においてはシステムのなかで、あるいはシステムの埒外(らちがい)で、大小さまざまな業務改革が行われています。
業務改革という定義はともかくとして、本来的にある、「何かを変えたいという」人間の思いが仕事のなかに自然に、そうした機能がビルトインされているといってよいでしょう。
しかし、それが自然に行われることを待っていては成果を計画的にあげていくことはできません。とりわけ今回のようにDPC制度が導入され、医療全体の仕組みが見直されようとしている現状において、自然に何かが変わる、ということに身を任せるだけでは大きな医療制度改革のながれから取り残されることは明らかです。
まさに、DPC病院は高密度で質の高い、合理的な医療を目指せという国の方針があり、まさに急性期医療を実施するDPC病院として業務改革を外すことはできないということがいえます。
繰り返しになりますが、DPCを導入するということ、DPC適用病院になるということは、医療の質をより高く、そして合理的な仕事の仕組みをつくりあげるということであり、意図的かつ計画的な業務改革を行うことは、その意味でDPC病院の必須実施事項であるということができます。
4.医療の質と業務改革の関係
ここまでの記述により理解できたと思いますが、業務改革により高い医療の質を担保することができます。仕事の仕組みを常に見直し、常によりよいものにしていくことにより、病院は、限られた経営資源(時間、情報、ヒト、モノ、カネ)をうまく活用することができるようになります。
同じ経営資源で生産性が向上するということは、よりよい医療を数多く提供することができるようになることを意味しています。
なお、医療の質は仕事の仕組みの見直しだけではなく、個人のスキルが大きく影響します。仕事の仕組みの見直しだけではなく、同時に個人のスキル向上のための取り組みが不可欠です。業務改革は医療の質を向上させるための、いわば半分の取り組みを行うに過ぎません。
徹底的な教育体系の構築がおこなれるとともに、実質的な個人のスキル向上のための取り組みが意図されなければなりません(続く)。
投稿者 石井友二 : 00:42 | トラックバック (0)
2009年06月28日
業務改革について(1)
1.はじめに
業務改革とは、文字通り業務を改革することです。改革とは、現状からの進化を意味しています。現状から進化ということは現状を否定し、現状をよりよいものに変えることであるということができます。
現状をよりよいものに変え続けることは、人間の営みの本質です。
どのような分野においても、より良いものがつくり続けられてきたことを否定する人はいません。医療においても同様のことがいえます。
それでは、病院における仕事はどうでしょうか。常によりよいものに変えていこうということを忘れてはなりません。現状の仕事のやり方を否定し、仕事をもっと、うまく、早く、安くしていけないかを考えることが医療従事者の考えでなければなりません。
もっとうまくできるようにしよう、もっと早くできるようにしよう、もっと安くできるようにしようということは、病院で仕事を行ううえで、当たり前のように常に議論されるべき事項です。
「業務改革とは、今の仕事の仕組みをよりうまく、より早く、より安く行うよう変化させることをいう」と定義することができます。
2.病院の中で行われている業務改革の事例
業務改革がシステマチカルに行われている事例は次のものです。
①リスクマネジメント
②クリティカルパス
③看護プロセス
(1)リスクマネジメント
医療事故は0~5に区分されます。0はインシデントといわれ、また1以降はアクシデントといわれます。これらを抑止するためには医療従事者がスキルを高めることだけではなく、仕事の仕組みを変えていくことが必要です。
仕事の仕組みを事故が発生しない仕組みに変えていくことにより、個人が意識しないでも事故が抑止できるようリスクマネジメントが行われる側面があります。これはリスクの発生を媒介にして現状の課題を発見し、業務改革が継続的に行われていることを意味しています。
(2)クリティカルパス
パスはインフォームドコンセントとしての役割が取り上げられています。とりわけ患者用パスは入院診療計画書としての役割を果たすようながれができています。
しかし、患者用パスのベースとなる医療従事者用のパスは、そもそも医療を標準化し、医療のプロセスを関与するスタッフが理解することでより質の高い、合理的な医療を目指そうとするものです。
さらにバリアンスマネジメントにおける負のバリアンスは、業務の見直しを行い、パス通りに治療が進むことを目指していますし、また正のバリアンすであっても医療の内容を検討し、不必要な治療をせず、パスを短縮することにより在院日数を短縮しようという活動が行われます。
これらは業務改革そのものであるということができます(続く)。
投稿者 石井友二 : 00:36 | トラックバック (0)
2009年06月22日
強烈な努力
今日から3日間は関西や中国地方で3つの病院を廻る仕事です。
東海道新幹線は雨の街を切り裂き進んでいます。流れる風景の山々は霧のなかにけむり、その姿をうっすら現しています。
世界経済や日本経済の行く末と同じく、医療業界の先行きが不安なことを象徴するかのように、霧はますます濃くなるようです。
私たちの仕事は医療をあるべきかたちにしていくことです。傲慢ではなく、誰かがそれをしなければならないとすれば、私たちがその一助となりたいと考えているのです。
さて、医療崩壊の原因のひとつとしてマネジメントの失敗があげられています。マネジメントの巧拙により病院経営は大きく影響を受けます。
私たちは、医師を経営参画させ、指標に基づいてブリーフィングを行い、能動的に患者を受け入れる態勢をつくつつあります。職員は目標管理を入れ、ここの部署ごとご課題を抽出し、独自での解決を目指すとともに、ワーキンググループをつくり病院全体で取り組むべき課題を解決するといった対応を行っています。病院のすべての部署とさまざまな課題解決のための活動を開始しています。
微力ではありますが、懸命に「強烈な努力」※をしていくことを決意しています。
※日曜日に必ずおじゃまするクライアントの青山社長からお昼ご飯をいただきながらお聞きした言葉です。感動しました。
名誉棋聖である藤沢秀行さんの辞世の句だそうです。
「人間は努力するのは当たり前。強烈な努力でなければ意味がない。(努力)しているいないを越えた、何か形振り[なりふり]構わぬ姿勢みたいなものがなければ何かは打開できない」という話です。
いい話ですよね。さっそくいただきです。本当に決意をしなければ何かを変えられないということなのでしょう。その通りだと思います。
皆さん!というか、このブログをみてくれている私の仕事仲間や友人、クライアントの方々、先輩後輩、そして弊社社員。さらには見ず知らずの方、藤原秀行名誉棋聖から国民がいただいた、この言葉を合言葉にして、それぞれ求める成果をあげていきましょう。
「よい病院よくない病院の見分け方同時掲載記事」
投稿者 石井友二 : 19:24 | トラックバック (0)
2009年05月31日
ドクターリンクステージ誕生
私たちホワイトボックスは、過去十年以上、診療所の先生を包括的にサポートしてまいりました。
勤務医の先生には新規開業の支援を行い、また中堅の先生方には増患対策や人事管理の仕組みづくり、といったことを、さらにこれから事業承継をしようという先生には、うまく承継を行いながら、ご自身も次の活躍のための場づくりをお手伝いをしてきたのです。
新規開業も単なる新規開業ではなく、地域との連携により一定の増患までをもテーマにしていましたし、また中堅の先生とはキャッシュフローマネジメント他、経営そのものについて語り合う場をいくつもつくってきました。
そして、事業承継については、先生が地域からフェイドアウトするのではなく、地域のリーダーとして存在し続けていただくために、どのような準備をして先生を受け入れる場をつくりあげるのか議論してきました。私たちは先生それぞれの持つニーズに、どう応えていくのかを常に考えてきた自負があります。
そこで感じたことがあります。
従来の診療所支援についていえば、新規開業の業者は、診療所の経営にタッチすることはあまりありませんでした。
また、中堅の先生方に対するサポートでいえば、医療の全体をみて行う診療所の経営について長けたノウハウをもったコンサルタントの数が少ないと思います。
そして、事業承継といえば診療所を売却することや、譲渡税の計算を行う税理士さんがイニシアティブをとることで完了するといったことが多くありました。
それぞれのステージの先生のほんとうのサポートができているのかということにいつも疑問がありました。私たちホワイトボックスは、13年前から病院のコンサルティングを行っていますが、病院サイドから医療全体を俯瞰したとき、診療所の役割がとても重要であることに気がついたのです。
とりわけ医療制度改革が進捗し、病院ベッドが削減され、在宅化が進展してくると、より診療所の各ステージの先生の機能が地域に必要であることがわかります。
診療所の活動する領域から診療所を捉えるのではなく、医療全体から診療所の領域をみるなかで新しいサポートをしていかなければ、本当の意味で診療所の先生をサポートできないのではないかと考えたのです。
たくさんの先生方からさまざまなニーズをいただくことが多くなりましたので、私たちのノウハウを広く開示するため、Drリンクステージを立ち上げます。http://www.dr-linkstage.com/
(1) 新規開業ステージ、中堅ステージ、そして事業承継のステージの先生方それぞれにとって有益な サポートを行うこと
(2) 新規開業の場の一つとして事業承継を考え、マッチングをしていくこと
(3) 新規開業ステージ、中堅ステージ、そして事業承継のステージにある先生方それぞれにとって有
益な情報を提供すること
(4) 各ステージの先生方の交流の場をつくり、又異業種トップとの出会いの場を提供し新しい視座の
獲得や新規事業への展開を支援すること
がこのサイトの運営コンセプトです。
各ステージの先生方が、今まで以上に地域でご活躍していただけるよう、Drリンクステージを充実させていきます。
ぜひ、Drリンクステージをご活用ください。
投稿者 石井友二 : 22:10 | トラックバック (0)
2009年05月23日
目標管理における1.2の積極性
「部署目標を決定し、行動計画を立案。さらにその計画を達成方法に落とし込む。その達成方法を個人一人ひとりに分担してもらう、ということで作業が進んでいます。
以下、再度手続きの留意点についてご説明します。
留意点は以下のものです。
(1)行動計画は固定的ではない
部署目標を行動計画に落としたのち、病院と面談し、追加すべきものは追加するというかたちで作業が進んでいると考えています。部署目標をどのように達成していくのか、行動計画を立案するところがとても重要です。
既に完了してしまっている部分ではありますが、当初、考えたことだけではなく、作業を進めている段階で、気がついたことについては、その都度同じながれで部署で検討し、個人に作業を指示していくことが必ずあります。
したがって、この行動計画は固定的なものと考えず、常に部署目標が達成されているのか、もっとほかによい方法はないのかについて検討し続けるという姿勢を持って対応していただくことが求められます。
部署の責任者は、その時点で行なっている行動が、目標達成のために役に立っているのか、また、成果をあげているのかを検証し続けなければなりません。現状を掌握したうえで、立てた行動計画に常に立ち戻り、達成のために足りないことを考え、指示し続けることが、マネジメントなのだ、自分の役割なんだということを意識していただきたいと考えます。
3ヶ月経過したら、一度振り返り、計画がうまく進んでいるのか、成果はあがっているのか、もっとうまい方法はないのか、といったことを検討してみる必要があります。不足するものがあれば追加して日々の行動に落とし込んでいきましょう。そうしたながれができれば、毎月検討するというように決めていてもよいと思います」(この話は続きます)。
レクチャーが終了したのち、澤田看護部長からもごあいさつがあり、管理職として戦略立案に責任をもち、部下の育成を行うことができる管理職であることをうれしく思う。皆さんもリーダーとしてチャンスを生かしていこうという説明がありました。
集まった50人以上の管理者の皆さんのご活躍を期待しています。
それで、その後ですが、飛行機の時間までの間、事務長と一献傾け、人生前向きに生きることについて話が盛り上がったのでした…。
「よい病院よくない病院の見分け方同時掲載記事」
投稿者 石井友二 : 19:47 | トラックバック (0)
2009年04月28日
DPCにおけるマニュアルについて
以下はある病院のマニュアル委員会での資料です。本来のマニュアルがどうあるべきであるのか、DPC病院が求められているものは何であり、マニュアルはどうあるべきであるのかについての理解の一助にしてください。
1.マニュアルのDPCにおける役割
貴院はDPCを平成22年に導入されるべく動いています。以下説明することはDPCという制度を採用するに限らず、実行しなければならないことではありますが、DPCを意識することで、目にみえる目標をもつことができるとすれば、一つの到達点として考えることも無意味ではないと理解しています。
(1)高密度で質の高い合理的な医療
これは高度急性期に求められている事項であるとして捉えたとしても、DPC下においては、在院日数を短く、ロスを少なく、治療効果を高くということが診療の前提とされています。
今後、ホスピタルフィーは徐々に引下げられていき、さらに在院日数を短縮するという動きが起こります。
したがって、DPC下にあっては、できるだけ入院を短くという観点から、
①クリティカルパスの最大活用
②術前検査の外来化
③入院検査のセット化
④抗生剤の投与期間の短縮
⑤薬剤部による病棟業務
⑥インシデント・アクシデントの抑止
がテーマとなりますし、できるだけ安くという観点から
⑦ゼネリックの利用
⑧変動費(医療材料、消耗品等)の削減
⑨固定費(委託費、水道光熱費等)の削減
が対象となっています。
これらは、職員の行動に直結するものであり、標準化された行動やルールにしたがった動きが要請されるところです。さらに付随的に
⑩入院での医療機器稼働率の向上のための検査受託
⑪退院支援活動の強化
⑫医療機関や介護事業者との連携強化
といった活動が望まれるところです。
結局は「できるだけ多くの患者さんに来院していただき、受け入れ体制を整備し、質をあげて、早期に退院してもらう」ということができるように体質を改善していくことが求められています。
病院は、常に課題を抽出し、その課題を解決していくことが第一であり、日々の粛々とした計画的な活動を行うこと以外に成果を得る方法はないということが理解されなければならないということです。
2.具体的な作業内容
すでに何度か説明していますが、マニュアルにより、以下を実施しなければなりません。
①クレームはすべて対策化し、個人の帰責とせず、対策をマニュアルに記載
②インシデントアクシデントはすべて対策化し、個人の帰責とせず対策をマニュアルに記載
③マニュアルを閲覧し、無駄を発見し、改善する(もっとうまくできる、もっとはやくできる、もっと安くできる)
④職務基準を作成する道具とする
⑤パスの説明資料とする
これらはしなくてもしても実務が停滞するものではないため、意識をもって意図的に行動しないと着手できない領域の活動に属しています。
3.会議の方法についての方法
会議は、決定会議として、事前準備を行い議長が、決定すべき目標を宣言し、時間を厳守し、決定する会議を行い、それを実行できるように対応します。次回の会議までのフォローも行い、次回の会議までには実績を生むことを目標にする、といった活動を行う必要があります。
「よい病院よくない病院の見分け方同時掲載記事」
投稿者 石井友二 : 10:43 | トラックバック (0)
2009年04月07日
DPC導入準備
DPC医療の基本的な考え方は、高密度で質の高い合理的な医療です。何も特別なことを行うのではなく、急性期い病院として普通のことを普通に行うことが、DPCをクリヤーするポイントです。その意味でいえば、DPCは病院経営原点回帰の手法であるということがいえるでしょう。
当たり前の人事管理、当たり前の医療ツール、システムの整備、当たり前のリーダー育成、明確な方針と目標。そして計画化された医療を行い、結果をモニタリングしながら課題を発見。課題をテーマとして改善活動を行い、成果をあげる。
そんな方向を志向する結果として、患者が増える。増えた患者を手術。早期に退院させなければ待機患者がますます増加するので、パスで管理、リスクマネジメントや感染徹底管理。スキルを向上させ、仕組みを改善。原価計算を行いながら無駄をなくし、コスト低減を行う。
プライドをもった医師や職員は力があるだけに人にやさしい。先を見通すことができるし、落ちついてどのような対応でもできる。それが自然の接遇。患者はホテルのように扱われ、治療が進まないことよりも、早期に退院、治癒することを望んでいる。
患者の希望する本当の接遇は、痛みを与えない、羞恥心を与えない、恐怖心を与えない、納得することができる、不便を与えない、不快な思いを与えない、不利益を与えない、といった本来の医療で結果を出してもらうこと。
そんな話をしながら、そうはいってもDPCのために実施ししなければならない、術前検査の外来化、
外来での対応、持参薬管理、パス日のⅡ期間に合わせること、ヒラソルを使った収益ベンチマーク。しかし部門別損益計算、疾病別原価計算の重要性、そして得意な疾患の抽出、医師への告知、医師を中心としたブリーフィングシステムの導入、そしてなんといってもインセンティブ制が各病院で成果をあげていること、目標管理は職員に…と話はつきません(ふ~息を継がずに話したので息が切れました)。
京都駅ビル(京都駅の駅ビルの伊勢丹の横には長い階段があり、その上部に宇宙船のようなライトがレストラン街がすぐあるよ、という目印になっています)にある料亭で、滋賀県にある当社のクライアント病院の事務長と次長との会食時の会話でした。
とても美味しい料理とお酒で、最後はDPCはどこかに飛んで行ってしまった気がします…。もちろん、こののち、しっかりとDPC導入準備室を用意してもらい、毎月述べ2週間以上、弊社スタッフ4名による関与が始まったのでした…。
「よい病院よくない病院の見分け方同時掲載記事」
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