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2005年04月02日
病院組織に必要なマネジメント 人事管理(1)-石井友二
病院に必要なマネジメントは、どのようなものであるのか説明しましょう。
職員が働きやすい職場環境は、職員に阿る(おもねる)ものでも媚びるものでもありません。職員がプロの医療従事者として、誇りをもって自らを成長させ、結果として自らの使命を果たすことができる環境です。
環境は、職場の文化や風土であり、制度や具体的な仕事の仕組みをいいます。それらをどのようにつくりあげればよいのでしょう。組織が力をもつのは、組織に所属する人が力をもつときです。人が組織において力をもつためには、人が所属する組織での仕事に対して成果をあげようとすることが必要です。
組織での仕事を自分の仕事として捉え、成果をあげようとすることです。組織と自分が一体となって仕事に立ち向かう。仕事が自分のためでもあるとともに、組織のためであることが同時に考えられる。同じように考えられるようにすることが必要です。そして行動がその思いに誘導され、継続して行動動機とならなければなりません。
ここでは、マーケティングにより組織の現状や状況を的確に把握したうえで外的内的戦略を明確にし、経営方針の提示、部門目標への落とし込み、個人目標設定を行うこと、公平公正な評価を行うための評価制度を導入すること、教育体系を整備すること、とりわけ目標達成をベースとした中間管理職の育成を行うこと、などが必要なマネジメントとなります(人事領域)。
もとから使命感をもった職員が多い病院において、こうした組織の動きは、より一層医療及び医療周辺活動に対する動機を提供することになります。自分のやりたいこと、
組織が目指していることの方向が合致することが組織への帰属意識を強くする要因です。職員が組織目標に対する同意を行い、組織的な制度や仕組みの整備もとで、目標達成に向けて行動する力の総和が組織の文化や風土を生み出します。職員は組織という場を借りて自らの目標を達成し成長できる、結果として患者さんは満足し、組織は維持拡大できるといった文脈での結論を得ることができます。
目標管理制度については、賛否両論さまざまな議論があります。一般の企業においては、もともとサラリーマンといわれるくくりで総括される社員が目標管理の対象であり、目標が多様であり、価値が多様であるなかでの目標管理であるからです。
しかし、病院はプロフェッショナルの集合体であり、もともと目標管理がなじむ組織であることは間違いありません。生涯を通じて当該資格での仕事をしていくかぎり、何をしていかなければならないかがスペシャリストとして明確になっているからです。
目標管理には、目標の設定において、難易度の評価をどのようにするのか、またプロセスをどのように評価するのか、さらには、達成度をどのように評価するのかといった部分に大きく議論があります。
そもそも、こうした議論をするためには、評価や処遇についての議論をしておかなければなりません。目標達成=業績評価として賞与の評価とすること、さらに賞与×2回
+意欲考課+能力考課(情意考課)+勤怠+αといった人事考課をすることなど、さらには、賃金体系を能力主義とすること、等々付随して、さまざまな検討が必要です。
何れにしても、患者さんのために身を粉にして働こうという看護師、コメディカル、そして他の職員に対し、仕事を進めていくときの組織としての方向を明確にしていくことが職員にとって判りやすく、成果をあげた職員に対し、病院の評価の仕組みのなかで適正に評価、処遇できるのかということが問われることになります。
なお、評価はあくまでも教育の課題を発見するものであることを忘れてはなりません。
評価(業績評価、人事考課)をすることで個人の業績達成プロセス、仕事に対する意欲、発揮された能力に対し、組織及び個人の課題を発見すること。その課題を解決できるよう教育育成していくことで成果をあげてもらうことが組織目標とならなければなりません。評価体系が明確であっても、組織目標達成に貢献できない評価体系であれば意味がない、ということでしょう(続く)。
投稿者 石井友二 : 2005年04月02日 00:00
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