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2005年04月03日

病院組織に必要なマネジメント 人事管理(2)-石井友二

ここで教育が問題となります。従来の教育は、職場内教育と集合教育、自己啓発で実行されてきていました。しかし、これらは観念的であり、職場内教育の体系が明確に確立されていたとはいえません。

集合教育は、外部の集合教育か、あるいは看護部において教育委員会があるように、各部門が独自で教育計画を立案し、そこで各部門が縦割りのなかで集合教育=部内勉強会を開催するか、あるいはリスクマネジメント委員会やトピカルなテーマにおいて、特別な勉強会が開催されるということで集合教育が語られるということが一般的であったようです。

自己啓発は病院としての支援がほとんどなく、外部の集合教育に出席することが個人の申請であった場合、それが自己啓発であるといった理解ができる程度であり、体系的に自己啓発に対する支援を行うなどの制度としての取り組みができていたわけではありません。

 教育においても病院としての標準が必要です。職場内教育は上司の経験や知識によって、部下が無秩序に教育されることを職場内での教育=職場内教育と定義しており、組織として職場内教育が体系的に形づくられているわけではありません。

 職場内教育は病院の標準によって科学的に実施される必要があります。すなわち、誰が上司であろうと一定の必要な教育が各部門で実施されなければ計画された職場内教育であるという説明はできない、ということであり、看護部で行われているラダーによる教育が行われるなどの体系が必要となります。

課業分析を行うなかで、職場の業務項目を整理し、いわゆるマニュアルとしたうえで、それらの内容や習得必要な等級や時期を一定のルールによって明らかにすることによって、職場内教育の体系をつくりあげることが適当です。個人毎の教育カルテをつくり、ある時点で個人技術技能の一斉点検を行い、課題を発見したうえで目標管理における目標(横目標=年度の戦略がどう変化しようともその職種についている限り必要となる技術技能目標)として日常活動を行うことになります。

そうでなければ、上長の知識や経験のレベルによって部下が教育されれば、上長の知識と経験+部下の意欲や能力によって部下のレベルが決定されることになります。病院が関知しない与件が多く、職員の質的レベルを管理できません。

少なくとも、組織として職員の質的レベルを一定の方向に誘導するためには、教育しなければならない項目とその内容、教育方法、評価方法についての標準化が行われ、教育の結果の評価方法が明確になっているなかで、職場内教育を行うことが適当です。

職場内教育で理解できないことがあったときに集合教育を実施します。集合教育は各部門が年間の教育プログラムを提出したなかで、それら全体を開示し、どの講座にでてもよい、いやもっと積極的に、こうしたことが理解できていないので、こうした講座にでるようにといった指導が職場で行われ、集合教育に参加することが相当です。次の段階では、病院として必要なカリキュラムを組み、優先順位に応じて当該カリキュラムを職員に提示したうえで、職場内教育の補完を行うことが必要となります。

なお、職場内教育によって個人目標を達成した者や、集合教育に参加した者は評価されるという仕組みが必要です。人は自分のために生き、自分で目標を設定し、目標を達成し、達成したことに自らの達成感や満足感を得る者もいるでしょう。しかし、多くは組織のなかで、認めて欲しいという欲求ももっています。自らの納得と組織からの納得が必要です。

自己啓発は、病院では現状、個人に任せることが適当です。

企業であれば自己啓発に組織として支援を行うところもあります。しかし、病院の職員はプロフェッショナルであり、自己啓発は職業を選択した時点で、一生付随する人生の課題であると考えます。

自らがプロでありつづけるのは、他者からプロとして認めてもらえるということであり、であるとすると客観的な評価対象となるプロとしてのスキル(技術技能)をもっていなければならないことになります。

プロとしてのスキルがどのようなものであるのかは、第三者が決定することであり、主観的な判断で決定されるものではありません。成果をあげ、評価され続けるまでスキルを上げ続ける必要があります。また維持進化し続ける必要があります。自己啓発は原則として、個人の責任で継続されるべきものです。
職場内教育での課題発見、課題解決のための集合教育、より知識の精度をあげるための自己啓発といったプロセスが採用されます。(続く)

投稿者 石井友二 : 2005年04月03日 00:00

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