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2005年05月03日
病院組織に必要なマネジメント 病院管理会計(4)-石井友二
これらを考慮したなかで、病院全体の管理会計のかたちが整備されることになります。
なお、最後にKPI(指標)管理について、再度説明しましょう。
KPIは、物事をすべて定量的に捉えることによって、問題解決のための仮説をたてやすくするといった効用を得るために利用します。
病院の行動指標と臨床指標に分けることができますが、管理会計領域においては当然パフォーマンスは行動の結果得られるのですから前者を対象としています。
例えば平均在院日数は、病棟別、科別、疾病別にブレイクされることになりますし、年齢別でも合併症であってもそれらを対象として指標をとることによって、オペレーションのどこに課題があるのかを議論することができます。
これはあくまでも仮説ですから、それを立証するために、さらに指標をとり、実際に仮説が正しいかどうかを検討したうえで、行動に結び付けていくことになります。
平均在院日数短縮の要素としては、経過観察入院、ディサージャリー、検査入院、教育入院、事故低減
感染症低減といった事項があげられますので、それらを指標化して行動することで問題解決するかどうかについての検証をしていくことになります。
さらに事故低減を指標とするのであれば、事故件数を事故種別(とりわけ在院日数を延長する可能性が高い事故から抑止していくことが必要になります。それが転倒であれば、転倒の件数を管理し、どのように低減するのかを検討していくことで成果を得ることができます。
転倒を低減するためには、当然原因分析をおこなったうえで、説明不足、意識の欠如、ハードの問題、認知症患者管理、巡回、巡視、ベットサイドの整頓等々さまざまな対策について正しく実行できたかどうかを管理していけばよいことになります。
このように、指標を大→中→小といったかたちでブレイクダウンしていき、それらを行動とリンクしたなかで
解決していくことにより、テーマであった先行指標が改善するのかどうかについての管理を行っていくことが本来のKPIです。
バランススコアーカードにおいてもKPIを利用することとなっていますが、年に1回の先行指標を策定し、それを目標として4つの視点から計画的行動をとろうということではありますが、実際のKPIは、日常常に仮説検証のなかで変化していくものであり、影響がなければ捨象して次の指標、次の指標といったかたちで変化させていくことが基本ですから(ただし、フィックスしてしまえば固定的に利用する)、いきなり決め付けた目標を設定したのち、変更させないということでは解決への誘導はできないと考えます。
フレキシブルに変化させる指標をどのように管理していくのかがKPIの基本であると考えます。何れにしても定性的な管理だけでは成果が測定できず、分析もできないため問題が常に解決されないままのこります。戦略的な対応をどのようにとるのかについて、あるいは戦術的な対応をどのように行っていくのかについて常に意識するためにもKPIを多用した管理を行うべきです。
それは一連の管理会計体系を構築することと同義であることを理解しなければなりません。
投稿者 石井友二 : 2005年05月03日 16:38
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