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2005年06月29日

経営課題について(21)ディスチャージシステムの整備及び運用Ⅷ

(2)やるべきことの見直し
 上記について何ができていて、何ができていないのかについての特定を行い、そこでの実施事項を決定していく必要があります。   
 ①事務的手続きの問題抽出
 ②看護的な課題の抽出
  が必要です。

例えば、上記のなかでインフォームドコンセント時のコスト提示についていえば、
 ⅰ)患者用のクリティカルパスの作成
 ⅱ)入院に関わるおおよそのコスト計算(疾病別原価計算)
 が必要となります。当然ⅱ)については〇〇万円から〇〇万円といった金額の幅での提示となるか 〇〇万円までといったかたちでの提示になるかの検討が必要ですし、過去のデータ分析から実際の請求集計が必要になります。

なお、退院を阻害する要因として、パスのバリアンス(標準からの逸脱)管理を明確に行ったうえで、各要因の分析対策をとっているのかどうかを検証したうえで、個々の事例を組織全体に活かす活動が必要です。
 ①医療従事者要因
 ②システム要因
 ③患者さん要因
 ④社会的要因
等々のなかには、事故予防の巧拙や退院支援活動の巧拙も自動的に含まれてきます。

これらについて、どのように改善を行い、良質な仕組みをつくりあげていくのかが退院を円滑に行い体制をつくりあげるポイントになります。

ここで退院支援計画が活きてくることになります。日常の仕事の課題をそのままにしておき、いわゆる退院支援計画だけを重視しても、それは無意味な結果を生むことになると考えます。本来、実行しなければならない事項が正しく実施されているのか、その検証を行うことを怠らず、退院支援計画の立案及び運用の仕組みをつくりあげていくことができれば、良い結果を得られることは間違いありません(続く)。

投稿者 石井友二 : 10:46 | トラックバック

2005年06月28日

経営課題について(20)ディスチャージシステムの整備及び運用Ⅶ

(1)プロセスの見直し
 入院から退院までの仕事のながれを分析する必要があります。入院時の説明を医事が正しく実施することによって看護部の仕事が実施しやすくなることや、患者さま用のクリティカルパスに入院のおおよその金額が記入してある、といった事例がありますが、早期に退院できるための入院からの技術的な側面でのプロセスの見直しが行なわれる必要があります。

 すなわち現状、医療以外の部分における入院から退院までの間に、どのようなプロセスがあり、そこでは何が行われているのかについての現状分析が必要であるということです。

入院から退院までの一般的なながれは次のものです。
 ①事務的な入院手続き
 ②患者様の入院退院のための基礎的情報入手
 ③入院時における病棟での観察(患者さまによる記述及びヒヤリング)
 ④診断による看護計画の立案
 ⑤入院期間の特定(入院診療計画書の作成プロセスの確保)
 ⑥治療及び看護
 ⑥退院会議の決定による退院準備
 ⑦退院期日の決定
 ⑧事務的な退院手続き
 ⑨退院
これらのプロセスが正しく管理されているかどうかについての確認を行なうことが必要です。
とりわけ重要であることは、入院診療計画書によって決定された退院日をターゲットとして、どのように看護が動いていくのかを管理することが必要です。パスの適用を的確に実施することにより、合理的な看護を行うことがポイントとなります(続く)。

投稿者 石井友二 : 22:29 | トラックバック

2005年06月26日

経営課題について(19)ディスチャージシステムの整備及び運用Ⅵ

ここでは不平不満は入退院に関わるものだけにすることが必要です。
 ①早く退院させられたという気持ちにならないよう取り組みを行なう
 ②病院が決めた退院時に気持ちよく退院できるようにしていく
ということが必要です。

 そのためには、
 ①インフォームドコンセントの最適化
 ②患者さん教育(病気は自分で治癒するもの)
 ③パスでの対応(入院診療計画書の管理をも含む)
 ④技術技能の向上
 ⑤事故の撲滅
 ⑥本来の接遇強化
といった平均在院日数短縮の技(わざ)が必要となります。

治療を完了し、治癒をみたうえで早く退院していたただくことができるのかどうかについて議論する必要があります。それができなければ病院は勝ち残っていくことができません。

なお、地域連携からみれば退院支援は後連携であり、地域連携室の日頃の活動が大きく影響することは間違いありません。MSWを中心とした対応をどう行っていくのかについての検討が必要ではあります。

退院支援を単発で捉えるのではなく、患者さまが入院から退院までの間における患者さまの状況把握を前提として、退院をどのようにうまく迎えられるのかといった観点から総合的に判断企画していくことが必要です。
 ①プロセスの見直し
 ②やるべきことの見直し
を徹底して実施するという体制をつくりあげていく必要があります(続く)。

投稿者 石井友二 : 00:33 | トラックバック

2005年06月25日

経営課題について(18)ディスチャージシステムの整備及び運用Ⅴ

(2)病院の立場に立った退院支援
 これは、
 ①平均在院日数の短縮
 ②収益機会の拡大
 ③患者さんの不平不満の解消
 ④ブランド構築
といったことからの要請です。

平均在院日数を短縮するということは、医療の質を改善することです。医療そのものだけではなく、医療周辺行為として患者さんの治療を早期に行なうとともに、はやく退院していただき社会的な認知を得ることが必要です。

医療の質や医療周辺行為の質が高くなければこうした活動を行なうことは不可能です。

包括外患者を永い間病院において置くことや、包括患者をもつことは急性期病院であれば考えられず、そうした意味からも平均在院日数をどのように短縮することができるのかについての徹底的な検討が必要となります。

ベットが空けば収益機会は増加しますので、当たり前のことではあります。
    
患者さんの不平不満の解消は患者さんの立場に立っているようですが、結局は病院の立場からの考え方であります。


患者さんは不平不満を感じないのが0ベースで感じるということは既に立場に立っていないため、なくしたからといって患者さんの立場に立っているとはいえない、ということです。病院としては入院中に関わるとりわけ退院に関わるマイナスをなくす、すなわち不平不満をもってもらわないことはメリットですから、どう不平不満をもたせないかを考えることになります(続く)。

投稿者 石井友二 : 00:24 | トラックバック

2005年06月24日

経営課題について(17)ディスチャージシステムの整備及び運用Ⅳ

簡単に整理しましょう。
退院支援には2つの側面があります。
一つは、患者さんの立場に立った退院支援です。一つは病院の立場に立った退院支援です。

(1)患者さんの立場に立った退院支援
退院支援はまさに退院援助といった言葉が示すように、入院された患者さんの
 ①経済的問題
 ②家族事情
 ③患者本人の想い
といったものを尊重し、病院という公器の立場から、患者さんが希望するかたちをどう作り出すのかといった観点からの視点です。この視点に従えば、実は退院という行為のみならず、病院に入院している間は彼らに関与していかなければならないことを意味しています。

入院中も経済的な問題解決を行い、家庭の事情を考慮した対応を行うことが入院中に病院として行なうことではあります。
 ①入院期間における家族と患者さんの関係の維持(改善は意図できない)
 ②入院費用の支払いの可能性
といったことについての十分な対応が必要です。

実際に入院したことで余計に関係が悪化するということや入院したものの入院費用の支払いができないといったことは病院内で頻発しています。

とりわけ差額ベットを利用しなければならない状態であるが、その支払いを意図していなかったということでトラブルになるケースはあとをたちませんし、また稀に支払いを拒否して退院してしまうといったこともあり、未収入金発生の要因となる家族や患者さんの問題が内在しています。

一部病院からの未収入金を発生させないという事情はあるものの、患者さんの立場に立って共に悩み解決をしていくということができるよう取組みをしていくことになります。
 ①患者さん相談室を設け、常に相談を受け付ける
 ②金銭的なトラブルが発生しないよう予算を考慮したベットマネジメントを行なう
といったことで対応することは可能です。

退院時には同様に患者さんの事情を考慮したうえで、
 ①転院
 ②在宅(介護、メディカル)
 ③介護施設
といった観点から社会的施設や設備をも含めた総合的な退院後の生活についての援助ができるよう仕組みをつくりあげるとともに、看護師、MSWが中心となって地域連携室とともに、病棟での対応が必要になるということであはあります。

看護師が常に病棟でそうした取り組みを当病院で実施している旨を説明するとともに、対応を重ねていく必要があります。

相談窓口や看護師が相談の取り込みを行い、看護師、MSW、地域連携室が患者さんと接点をもちがら対応していくことになります。相談室はMSWと考えるのか、別の担当者がで部屋を設けることでの対応を行なうことになります(続く)。

投稿者 石井友二 : 22:50 | トラックバック

2005年06月23日

経営課題について(16)ディスチャージシステムの整備及び運用Ⅲ

(5)使用可能な社会資源の探索及び関係機関との打合せ
情報収集を常に行い、ファイリングをしていくことが必要で、自治体発行する広報誌、在宅介護支援センターの情報やHP、活動しているプロセスで参加したあらゆる会合で名刺交換した人、その他の市町村窓口等の担当者のつて、地域におけるボランタリー情報、さらには疾患によっては患者友の会といったものが情報を収集するリソースになります。

勿論ここでは、医療機関のネットワークや介護関係のネットワークを日常からもっていて、それらへのアプローチを継続的に行っていることが必要です。他のMSWとの交流や病院関係者の情報も十分に役立つ情報であることを理解しなければなりません。
   

(6)病棟スタッフとの連携強化
既に、退院の方向が決定し、患者及び家族も納得している場合には、紹介状(医師)、看護サマリー(退院要約)(看護師)、場合によっては訪問看護指示書(医師)を作成し次のステップに進んでいきます。
最終的には患者及び家族の希望に沿った対応かどうかを確認する必要があります。


ある整形外科では退院を促すためにパス完了5日前になると、病棟婦長と医師、さらにはPTがベットサイドに訪問し、在宅リハをするなら早く退院することも可能ですという説明を行い、平均在院日数の短縮を図っています。

患者さんのニーズではないところで、病院として在宅が可能な患者であれば、退院を促しているわけです。このような退院支援は本来の退院支援ではなく、病院の都合での退院誘導ともいうべきしかけであるということができます。

本来の退院支援は、患者さんや家族のニーズと結果としての病院のニーズ双方を充足したなかでの対応を行っていく必要があります。なお、退院支援を開始する時期をいつにするのかについては個々の事例によって異なるものではありますが、パス整備を前提としてこれらの時期を決定していくことが必要です。

パスを整備するなかで退院支援をも同時に仕組みとして導入することが適当です。
何れにしても、退院支援計画がなければなりません(続く)。

投稿者 石井友二 : 09:08 | トラックバック

2005年06月22日

経営課題について(15)ディスチャージシステムの整備及び運用Ⅱ

退院支援計画を用意していない場合の退院支援のながれは次のものです。
①患者・家族への意思の確認
②退院支援依頼シートの受理
③病棟からの情報収集
④退院支援の方針の決定
⑤社会的資源の利用の検討
⑥病棟スタッフとの連携強化


それらを詳細に説明すると次のようになります。

(1)患者・家族への意思の確認
患者、家族双方へ意見を聞き、
①導入するサービスの確認 
②退院後のイメージ
③退院後の不安の払拭
といった内容の会議を行い、決定した方向と合っているのか、また、その後患者家族の考え方が変わっていれば、それにどう対応していくかを検討します。


(2)退院支援依頼シートの受理
退院ができない患者さん及び家族のために退院支援依頼シートを病棟から地域連携室へ回送します。名称は別として一般的には地域連携室が活動することが一般的です。地域連携室のスタッフとしてはMSWが活動しています。

なお、退院支援をしなければならない患者さんは、退院困難の状態であるわけで、比較的に医療依存度が高い患者さまと社会的入院のように医療依存度は低いものの、在宅へのシフトができない患者さんであるといえます。
    
まずは、退院支援依頼シートを以って退院支援を開始させ、在宅か転院のどちらかの結論を出していきます。


(3)病棟からの情報収集
Ⅰ看護記録、カルテの閲覧、担当者からの事情聴取
依頼があったのち、転院であれば医師と看護師が、在宅であれば看護師の責任者が、あるいは在宅でも介護依存といった状態であれば、MSWが活動することになります。 
本来は医師も交えて、治療方針や患者の病状、さらには再発の可能性の有無や医療の必要性についてヒヤリングをします。なお、状況によっては告知を下かどうかといった部分についての話を聴取します。

Ⅱ患者・家族へのヒヤリング
上記で得られた情報をベースにさらに、それらをベースとした患者やその家族との面接を行いニーズを聴取します。患者と家族のニーズが異なることがありますので、別々にヒヤリングすることが適切です。 


(4)支援方法の検討
関係者が集まり支援の内容を決定します。
①家族での看護の可能性の有無
②資金力(公的機関からの資金調達の可能性についても検討
③利用できる社会的資源は何の探索
⑤住宅改造の必要性の有無
といったことを検討し、支援方法を決定していくことになります(続く)。

投稿者 石井友二 : 19:12 | トラックバック

経営課題について(14)ディスチャージシステムの整備及び運用Ⅰ

ディスチャージシステム(退院支援計画)はとても大切です。

どうしても平均在院日数の短縮、社会的入院の排除といったことで退院支援計画が議論されます。
とりわけ65歳以上のリスクをもった患者さんについて、施設を探す、自宅療養ができやすいよう働きかける、治療資金を調達する…等々、病院の側からの要請での退院支援計画が現実であるようです。

そのなかでも、患者家族支援といった概念のなかで、患者さんと家族のなかに看護が入っていくという議論があります。


患者さんに対する家族のさまざまな思い、過去の歴史と現状、現在と未来といった複雑な他の家庭環境のなかに、入り込みどのような環境をつくりあげるのが患者さんにとってベストであるのかといったものを病院が提言していくことがその中心的な考え方です。

現実にはとても難しい。現場をみているとそう思います。MSWだけに任せてしまう後連携、退院支援であれば、本当に患者さんや家族から支持される仕組みにはなりません。

あるべき退院支援計画について、議論しなければなりません(続く)。

投稿者 石井友二 : 08:22 | トラックバック

2005年06月19日

経営課題について(13)改善提案制度の導入Ⅱ

(4)フィードバック
改善提案の結果は毎月フィードバックします。改善提案用紙に点数と評価をつけることにより本人に返却することになります。管理を行う部署は、当該提案書をコピーしまたはスキャニングし、データとして保存します。さらに、一定評価以上(A・B)グループウェアにタイトルとコードNOが提示されることにより、必要がある者、閲覧したいと思う者はそれを見にいくことができます。


(5)評価
評価においては、
  A…改善が顕著であり、成果が高い(5点)
  B…改善によって一定の成果が得られた(3点)
  C…改善は評価されるが、成果に結びつきづらい(1点)
あまりにも成果が認められない、あきらかに提出による点数を狙ったものについては0点とすることが必要です。


(6)報償
賞与において議論されていますが、院内外活動に評点を提供するといった評価体系のなかで評価の対象とすることが求められます。

フィードバック、評価、報償といったながれをつくりあげることが、改善提案制度を長続きさせるポイントです。改善提案をKAIZENとして組織に定着させ、軽んじることなく、実質的に成果をあげるために利用していくことが必要です(続く)。

投稿者 石井友二 : 00:35 | トラックバック

2005年06月18日

経営課題について(12)改善提案制度の導入Ⅰ

改善提案制度を導入するためには、次の事項について留意する必要があります。

(1)体系
なぜ改善提案制度を実施するのかについての体系を明確にしておく必要があります。
改善提案制度の体系としては、
 ①目的を明確にする
 ②教育をする
 ③改善について徹底的にフィードバックする
 ④評価制度を設ける
 ⑤報償を与える
  という体系をつくりあげる必要があります。
  こうした体系ができてはじめて改善提案制度がうまく運用されることになります。

(2)目的
何のために改善提案制度を行うのかにつついては次のことがあげられます。

 ①自らの周りにおいて改善すべきことを発見し、自らが提案して、一定の成果(仕事がやりやすくなっ   た、はやくできる、失敗しない)を得ることにより、自分の時間をつくりだすことができることで、つくった  時間を付加価値の高い時間、たとえば研修や患者さまのための具体的な活動(もっと患者さまに多く  接する、多く看護する等)といったことができるようになります。

 ②その方法が組織において展開され、みなが恩恵を預かることができるようになります。

 ③その方法を参考にそれを理解した他の者が、また異なる方法によって別の改善提案を考案すること  ができるようになり、さらに別の改善が行われることで同様の効果を得ることができます。

結果として、渦巻き型にどんどん改善の成果が広がり、みなの仕事がレベルの高い仕事に変化していくことになります。そこでは仕事の仕組みは変わり、また個人の技術技能は向上します。それはとりもなおさず、医療の質を向上させることになります。 


(3)教育
 どのように改善提案をしてよいのか理解できない者が数多くいます。
 改善提案を行うにあたっては、
 ①仕事の見方
 ②仕事を効率化するということは
 ③改善の技術
 ④改善提案の着眼
 ⑤改善提案書の書き方
 といったことを教育します(続く)。

投稿者 石井友二 : 21:20 | トラックバック

2005年06月17日

経営課題について(11)感染症対策

院内感染は、MRSAだけではなく、さまざまな原因があります。

最近ではセラチア菌、結核、多剤耐性緑膿菌(MDRP) 、HIVなど、多くのケースで感染症を避けるための取り組みが必要となります。

マニュアル、教育、評価を機軸として、病棟、手術室等あらゆる場所での衛生管理が必要であることはいうまでもなく、もっとも多くの場合には医療従事者やお見舞いの方々の不完全な手洗い・手指消毒によって手指が媒介となって感染します。

他に清掃がよくできていない、消毒及び滅菌が不十分でそれにより微生物が残存し、それが接触又は空気を介して感染します。

さらに抗生剤の不適切な使用により二次的に感染します。 何れにしても、手洗いや手の消毒を徹底して実施することにより、感染を抑止できるということであり、手洗いの励行が必要です。
 
ただし、個人の責任で終わらせず、組織全体の仕組み、体制として院内感染症対策を実施する必要があります。なお、院内感染多発のもうひとつの原因は、抗生物質の大量投与によって、薬の効かない耐性菌が増えていることは有名です。

病院の長い目でみた経営維持拡大のために、感染症による死亡事故を起こさないといいうことが必要です。

体制整備と抗生物質利用抑制を病院の柱として対策を実施しなければなりません(続く)。
 

投稿者 石井友二 : 01:56 | トラックバック

2005年06月16日

経営課題について(10)リスクマネジメントの徹底Ⅲ

1.対策立案
2.マニュアルへの反映
3.教育訓練
4.評価
のプロセスは簡単なようでなかなか実質的に効果をあげることができないようです。

それは、
1.対策が曖昧
2.発生部署で検討、最終的に部会で承認としても、それらについて情報提供されず、職場だけの情報   で終わっている
3.まず間違いなく個人別の教育にまで直接リンクしていない
4.事故を起こしたことというよりも、事故を起こした本人の意欲や能力について考課が行なわれるが、
  個人別の事故の履歴も残っておらず、「この人はインシデントを10件、アクシデントを15件起こしまし  たので評価はCです」とはされない
ことによります。

対策が曖昧であるということについては、対策の妥当性を部会以外の誰もが検証せず、自分達の範囲で承認されれば客観的な評価を受ける機会を逸失します。

国の医療事故についても飛行機事故と同様に専門の委員会ができるということですが、病院のなかにも専門というよりも、多数の部署から人を出したうえでの調査委員会があっても良いと考えます。すなわちリスク部会、安全医療対策委員会といったものではなく、スポットでの調査委員会が随時設置され、成果(問題解決)を競うといったことが行なわれる必要があるのではないかと考えるものです。

事故を一覧表として、日付、事故種類、事故内容、原因、対策といった項目により表を作成し、院内すべてに開示するといった活動が必要です。そのことにより、マニュアル委員会はマニュアルへの反映を行なうし、各部署がタイムリーに学習し、同じ事故が発生しなよう抑止に向けた活動を開始するといったことがそれです。

これらをデータベース化し、転倒事故では、このような事故が、こんな対策を打った事故ではこんな事故種類があるといった縦横無尽なソートを行なうことにって、あらゆる観点から事故の検討を行なうことができます。

同じ事故が発生しないよう、常に学習し教育し評価するという体制整備を行なう必要があります。インシデントやアクシデントについては、事前に予防活動を行なうことによって、事故が発生してから処置することに要した時間よりも、より少ない時間での検討や対策を行なうことができるため、付加価値業務に振り向ける時間を増加させることができます(続く)。

投稿者 石井友二 : 00:03 | トラックバック

2005年06月11日

経営課題について(9)リスクマネジメントの徹底Ⅱ

それでは、他の領域はどうでしょう。

注意義務違反、看護観察義務違反について考えてみましょう。

1.課業分析
2.マニュアル化
3.医療事故が発生する可能性の高い部分の特定
4.抑止のための手続き、ノウハウの創造
5.マニュアルへの反映
6.技術技能の教育
7.仕事の仕組みの見直し
8.評価

となります。但し、それぞれの項目を設定するために、どのような事故が発生したのかについて類型化や分析が別途必要です。

したがって、SHELL、4E4Mといった手法、根本原因分析、といったツール頼らず(意識には置きながら)実際に自分の考えで業務のフローや手順、留意点といったものを修正し、マニュアルに反映させるという業務を行わなければなりません。

何れにしても、事前に事故の網羅的把握を行い、仕組みの見直しや個人の技術技能の向上を行っていくなかで、訴訟を抑止することが必要です。それはとりもなおさず、医療事故を予防することと同じ意味であるということになります。

単にもぐらたたきの、レポート提出を中心とした対策だけではなく、実際の仕組みを事前につくったり、個人の技術技能を向上させる対策が適当です(続く)。

投稿者 石井友二 : 15:38 | トラックバック

2005年06月10日

経営課題について(8)リスクマネジメントの徹底Ⅰ

リスクマネジメントはいま最も注目されています。

医療過誤訴訟が増えていることが原因でもなく、結局は医療の質が問われているからであると思います。確かに訴訟は増える傾向にありますが、だからリスクなのか…、ということでは少し悲しいですよね。
さまざまな医療過誤事件がきっかけにはなっていますが、やはり国民の意識が医療に向いてきていると考えるのが自然です。


医療過誤訴訟については、さまざまな話があるので、ここでは、訴訟における説明義務違反(他の2つのポイントとして注意義務違反、看護観察義務違反といったもんがあります)について説明します。これは医療事故が発生したことが前提となりますので、事故を抑止するというところから入るのではなく、裁判を起こす患者さんを少なくするということを目指しています。


したがって、別途事故を抑止する取り組みが必要となります。但し、上記の対応をしていくと自然に事故に対する意識が変革し、結果として医療事故が低減しますから、その意味では間接的には医療事故防止に役立つのかもしれませんが…。


説明義務違反は、患者さんが納得していれば事故が発生しても訴訟にならないという意味では、他の訴訟の性格とは異なるのではないかと考えています。すなわち、患者さんの自己決定権を奪取することにより、事故が脚光を浴びることになり、他の選択肢が多くあったのにもかかわず、というところから当該手術の適正性が議論されることになることになると考えます。


したがって、ある事故があり、いたしかたない、という患者さん側の納得があれば、説明義務違反を起因とする訴訟は起こらない、但し、明らかに他に過失がある、あるいは瑕疵があるということが内部的に告発されたり、あるいは第三者がみても明らかなものが訴訟になる、と考えられます。


であるから、事故であるにもかかわらず、表にでない、また、出ても確率や術式への依存が大きくあり、患者さん側が納得しているのであれば、訴訟にならないと考えます。
結局訴訟対応する(訴訟対策ではなく)ためには、勿論、事故を減らすための活動(いわゆるリスクマネジメント)と、患者さんに常に納得してもらうよう努力すること、の2つが必要であることが判ります。


なお、納得してもらうというと、どうしてもインフォームドコンセントの話になりがちですが、実際には納得しないことが数多くあり、あの病院の先生はよくしてくれたけれども、あの看護師は許せないといったことになってしまうことがあるようです。

したがって、実行すべきは、納得してもらうための場面や手段について院内で明確にしたうえで、それらを徹底して教育、評価、実践していくこと以外にはありません。

1.院内での入院から退院までの説明機会の列挙
2.いままでどこであったとしても患者又は家族からどのようなことを聞かれたのかについて取りまとめ
3.クレームの収集及び分析
4.1~4の議論、いってよいことと、いってはいけないことの峻別
5.4のルール化及びマニュアル化、その他の道具づくり
6.個人別教育及び評価


といったことができなければなりません。こうしたことができることによって、あらゆる場面での患者さんに対する説明の不統一をなくし、わからないことを説明せず(それは申し訳ありませんが先生にお聞き下さい)、また説明すべきところはすべて説明し、承諾を収集し、かつ同意を得ておくことが必要となります。

A(看護師)、B(患者家族)、C(医師)
B「うちの主人は大丈夫ですよね?」
A「C先生はすごく腕の良い先生なので、任せておけば大丈夫ですよ」
B「安心しました」

C「手術に関しては…」
B「先生にお任せします」
C「わかりました(説明せず)」、「ではここに手術についての同意をしたというサインをお願いします」

裁判官 「それでは、当時C医師からは説明を聞かなかったのですね?」
B「はい、結局はサインをしただけで、詳しくお聞きしていません」
C「先生に任せますと原告患者家族は確かにいったし…、それで…」

ということになることもあります(続く)。
 

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2005年06月09日

経営課題について(7)クリティカルパスの作成及び運用Ⅱ

パスは、もともとの考え方としてコストコントロールという考え方をもっています。患者別疾病別原価計算の基礎として行為別原価計算を行なうことが一般的ですが、実際には、日常的に利用する記載の方法によって作成されたパスではこの機能を充足することができません。

いわゆるオーダーシートとしてパスが利用できる程度に仔細にパスの各項目を記載することが必要です。検査、ではなく仔細な検査の内容。与薬ではなく、どのような薬剤をどの単位、といった具合です。
これらは直接材料費や直接経費として把握されます。

タイムスタディーを行なうことで直接労務費を測定することがさらに必要ですので、そうした記載を行なう用紙とすることも必要でしょう。なお、標準時間と標準単価(原価標準)を設定したのち、当該疾患についての計算をすべてこの原価標準にて実施することでの管理を行なうことになります。

なお、治療間接費については、患者さん一人当たり治療間接費として部門別損益計算から把握することになります。

パスの多くの機能をよく理解したうえで、パスをどのように作成するのかについて十分議論し、地道に作成していくこと、そして適用を行いながら課題を解決していくことが必要です。

パスのフォーマットはさまざまあるようですが、温度板をつけたかたちのものもあり、疾病や自院にあったかたちを作成することが求められます。ただ、パスの各項目はマニュアルによってアセスメントされることが必要なのはいうまでもありません。

アセスメントはパスの各項目だけではなく、パス全体について行なわれる必要があります。すなわち、当該疾病についての理解がなければ、ただパスをオーダーシートとして利用するだけに終始し、治療そのものについての把握なしに、個々の項目を消化していくだけのこととなってしまいます。これではチーム医療はかたちばかりであり、パスは統括表の役割しかもてないことになります。

チーム医療の前提は、チームを構成する医療従事者一人一人がその治療に精通していることであると考えるからです。関連図等の作成が同時に行なわれる必要があります。なお、看護プロセスにおいてすでに看護方針や目標を決定するときに関連図によって理解を深める教育を行なうということも行なわれていますが、パスにはそれらが添付される、あるいは一緒にファイルされていることが有効です(続く)。

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2005年06月08日

経営課題について(6)クリティカルパスの作成及び運用Ⅰ

簡単にいって、治療の工程表であるクリティカルパスを作成し、運用することにょって、医療従事者側も患者さん側も治療を円滑に進めることができます。

医療従事者側はチームとして先を見通しながら、同じ情報をもった活動が行なえますし、患者さん側は、入院期間中、どのような治療が行なわれるのかを俯瞰することができます。

勿論、そうは言っても機能が異なるため医療従事者用のパスと、患者さん用のパスがあり、まったく同一のパスを利用するわけではありません。

一般的に言って、はじめてパスを導入するところは、
1.疾患数が多い
2.入院期間がながい
3.治療フローが複雑
といったものがまずはじめに作成の対象とすることが多いようです。

とはいうものの、検査パスから入院パスということが通常であり、どちらかというと手順書のようなかたちでのパス作成が行なわれるようです。

パス適用にあたっては、合併症があるといったことが即効バリアンすとなり、パス適用除外として処理するとすれば、多くのケースにおいてパスが適用できないということがあり、どのようなパスを作成するのかが大きな問題となります。

ここでバリアンすは変動からの逸脱(でパス期間を延長させるものとすることが通常)をいい、変動を含みません。変動は、パスの期間を延長させない追加的治療をいうようです。バリアンスについては、バリアンスコードを決定し、ノートを作成、コードでの集計及び分析を行なうなかで、治療上の課題を解決しようという試みが行なわれます。

医療従事者、システム、環境、患者要因といったものがそれらです。
もともとパスには、ゴール(アウトカム)の設定が行なわれる必要があり、最終的なゴールと日日のアウトカムが対象となります。

アウトカムの設定において、どのようなアウトカムを設定するのかについては、CI(クリティカルインディケーター)を利用することが必要であり、定性的なアウトカムにより判断を曖昧にするのではなく、定量的なアウトカムをできるだけ設定し、~ができるようになる、~が安定する、といったことだけではなく、指標が実際どのような範囲に収まればよしとするといった客観的な管理を行なうことが適当です。

アウトカムマネジメントについては別項に譲りますが、実際にアウトカムをどのように設定し、パスの期間を短縮するのか、といったことや治療を変えることによってパスの期間を短縮することが平均在院日数の管理にパスを利用する機能となります(続く)。

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2005年06月05日

経営課題について(5)マニュアル整備及び運用

この分野については、過去にこのブログで十分説明をしてきましたので、あえて追加では申し上げません。しかし、課業分析をベースとして作成したマニュアルはあらゆる事項への対応を行なうツールであり、
さまざまな展開があることを再確認しておきたいと思います。

①業務改革(改善提案制度の運用を含む)
②教育制度(職場内教育中心)
③目標管理における目標設定(横の目標)
④リスクマネジメントとのリンク
⑤クリティカルパスとのリンク
⑥評価制度とのリンク
⑦諸規程の根拠
といったものであることを想起していただければ幸いです。

ここでいうマニュアルを整備することは、機能評価取得やISOといったことでの役立ちをもつのは言うに及ばず、上記において大きく成果をあげることについて理解したうえで、作成したら終了ではなく、作成していくなかで、すべての病院業務改革へ続く道具となるよう運用することを確認しなければなりません。

作成→運用→改訂→運用→改訂…と永遠のサイクルのなかで、導入、定着、機能、進化していくツールとして利用することとなります。

当ブログにおけるマニュアルについての記述を再確認してください(続く)。

投稿者 石井友二 : 23:14 | トラックバック

2005年06月04日

経営課題について(4)看護プロセスの確立及び監査

看護プロセスは、観察、診断、計画、実施、記録、評価、(退院要約)というながれで実施されます。看護記録に方針や目標が書かれていない看護記録をみると、診断や計画が行なわれていないことが判ります。

われわれは、看護師ではないので、実際に個々の疾病についての看護診断を行い、看護計画を立案することについては、勿論、仕事に長けた看護師さんにはかなうものではありません。

しかし、病院においては、理事長はじめ医師がこの問題を知悉(ちしつ)しているわけではなく、また事務長も触ったことがあるわけではないので、結局は看護部内部での管理の方法ということで終始してしまいます。

クリティカルパスであれば、医師を中心として看護師、コメディカル、医事といった関係者がひとつの疾患に対してみなでカンファや議論ということがありますが、看護プロセスについてはどうもそのようにはいきません。

考えてみれば看護師の仕事はすべて、アナムネからはじまる看護プロセスによって形成されているわけですから、これがうまく機能していなければ、結局は看護そのものが適性に実施されない可能性があることになります。

われわれはしたがって、病院の幹部やスタッフに代わり、看護プロセスの背景にある考え方、すなわち、
物事の摂理である、計画、実行、チェック、修正、計画、実行、チェック、修正といったPDCAサイクルをまわすことについての支援を行なうことを主とした活動とします。

懸命にV.ヘンダーソンやロイといった看護学を理解し、看護の基礎から学習することになります。

院内においても、診断ツールが確立している、看護計画が正しく立案されるプロセスがモデル化されている、マニュアル化されているといったことが外部からチェックされる必要があります。

少なくともカーデックスが一度も外部の部門のスタッフや病院幹部によって見られないといことを排除しなければなりませんし、また、適性な看護が、ひいては平均在院日数を短縮し、事故を予防し、そして患者さんに対し最適な治療環境をつくりだすことにつながることを理解しなければなりません。

看護記録をオーディットし、実際に看護計画通りの活動ができているのかについて評価するといったことについても、看護部長がこれを行なうだけでは不十分であると考えます。
評価を行なうチームやプロジェクトを組成することも一法でしょう。

何れにしても、NANDA(北米看護診断協会)のモデルが一般的であり、
13のドメイン、47のクラス、そしてラベルに患者さんの観察をした結果を分類し、当該情報を受けた看護計画を立案することになります。これらについての標準的な体系の創造、現場への徹底、教育、評価(看護プロセスを理解しているかどうかの)、といったかたちでの仕組みづくりが望まれます(続く)。

投稿者 石井友二 : 21:56 | トラックバック

2005年06月03日

医療における本来の接遇とは

病院で接遇教育が行なわれることがあります。
あまりにも言葉遣いがゾンザイであったり、態度が社会常識から外れているといったことが理事長の悩みです。

でも患者さんは職員の挨拶、笑顔、礼節が正しければそれで納得するんですか?
そうではないですよね。

病院に遊びにきているのではありません。治療に来ているのです。
不安と、心配と、安心したいという思いと、大丈夫だという思いと…。葛藤と悩みのなかで治療を受けにくるのです。

そのときに病院が、私達はサービス業です。患者さんを、患者さまと呼びましょう。そして、次に笑顔で患者さまを迎えましょう。笑顔の作り方は、まず口の端を引き上げるように意識し…、って違いますよね。

患者さんをお客さんとして捉える前に、私達は患者さんを治療する、病気から救う援助をする、支援をするんだという決意をしていただくことによって、自然に、大丈夫ですか、私達と一緒に治しましょうね。
ゆっくり歩いていいんですよ。

ゆっくりゆっくり…といったいたわりの気持ちや、使命感による人としての優しさを患者さんに提供することができると思います。

医療はサービス業であるとともに、それ以前に、医療従事者の気持ちは、仕事を超えた人の善意や良心によって成立っている慈悲としての心の発露である必要があります。病院は、人の人としてもっている本当の優しさや深さをどのように引き出していくのか、そうした組織運営をしていくべきではないでしょうか。

トップマネジメントは、接遇研修の講師を招聘することも、それはそれでよいと思います。

しかし患者さんに対し、私達は医療従事者として、人として患者さんのために尽くそう、患者さんと一緒に考え、治療の最適解をだせるよう精進しよう。

勉強しよう、研究しよう、現場から学び人として成長しよう、心から、患者さんをいつくしみ、自分として最大の努力をするなかで医療従事者として生きていこう、と話て欲しい。

そして、医師やスタッフのために、あるべき病院経営をする。そのためのスキル、そのためのスタッフ採用、あるいはそのためのコンサルティングを受け、医師やスタッフが、彼らの力を発揮しつくせる環境をつくりあげて欲しい。

人事制度、目標管理制度、マニュアル、パス、リスクマネジメント、地域連携、ディスチャージ、管理会計、KPI、患者別疾病別原価計算等々…。それらはすべて医師やスタッフが、患者さんのためによい治療ができる、患者さん自らが治療に立ち向かうための支援ができる、ためにあるということを理解、受容して欲しい。

病院にとっての経営はそういうものであると信じて経営コンサルティングをしてきたつもりです。病院にとっての患者さんに対する接遇は、医師やスタッフによる本来の医療をあるべきかたちで提供することそのものであり、決して笑顔、挨拶、礼節を直接求めるものではない。

笑顔、挨拶、礼節は、医師やスタッフの「使命感に裏付けられた慈悲心とプライドによる医療」の提供の結果であると考えています。

医療機関における本来の接遇は、痛みをできるだけ感じさせない、羞恥心をできるだけ感じさせない、恐怖心をできるだけ感じさせない、不利益をあたえない、不便を感じさせない、できるだけ納得してもらう…等々、具体的なかたちで患者さんに提供される医療そのものであると考えているのです。

理事長、院長などトップマネジメントの思いやリーダーシップは、医師やスタッフの行動を通じ、病院の思想を患者さまや地域に伝わります。患者さんは機敏にそれらを感じとり、医療を受け入れ、自らの治癒力を以って医師やスタッフと闘う姿勢をもつことができます。

病院にとっての患者さん、そして患者さんにとっての病院の思いが一体となる瞬間であると考えます。
わたしたちホワイトボックス社は、心から、こんな病院と患者さんの関係が構築できる病院を支援する仕事をしたいと思っています。

投稿者 石井友二 : 00:17 | トラックバック

2005年06月02日

経営課題について(3)ベットコントロール

ベットコントロールは、意外と重要なキーワードです。

入院待機患者がいる場合においては、退院支援活動とのリンクのなかで、どのように患者さんを退院させ、入院させるのかについてのコントロールが必要ですが、待機患者がいない場合には、退院させるとベットが空くので、収益が低下するということになるため、どこまでも目標値とするのかについて常に、看護基準をにらみながら、入退院の管理をしていくことになります。

しかし、科別のベットを管理するのか、混合病棟で科別のベット数無関係に管理するのかによっても大きく患者さんの受け入れが変わります。実際に、ある病院では心臓血管外科のベットが埋まっており、他の病院から再三の要請があったにも関わらず、医師が受けられないというコメントを紹介医にしたところ、
当該紹介医からの紹介が激減したという事例があります。

このケースでいえば、他の科のベットは空いていたのであり、他科のベットを瞬間借りることは可能であったにもかかわらず、ベットを管理する責任者に一定の権限がないため、将来も含めた意味での収益を大きく落とすはめになりました。

勿論、いくらベットが空いているからといって、無秩序にながく患者さんを入院させておくことはできませんが、平均在院日数と利用率のバランスをとりながら、両指標を管理することになります。そのときにやはり両者を病院全体、科全体の観点から俯瞰(ふかん)し、対極的にベットの管理ができる部署があれば、その都度の対応を明確に行なうことができ、結果として患者さんにも病院にもよりよい結果を生み出すことができると考えます。

ベットコントロールについての体系化、ロジック化が必要です(続く)。

投稿者 石井友二 : 01:12 | トラックバック