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2005年08月28日

わかりやすいリスクマネジメント(6)患者第一の医療とはⅡ

患者第一の医療を概念ではなく、具体的に明確にしていく必要があります。
クレームをつぶすのはネガティブなものを0にする行為です。

①クレームをつぶすだけではなく
②医療従事者は、どうしたら本来の医療ができるか
③患者さんを顧客として扱うだけではなく
④患者さんに必要十分な情報を提供し
⑤患者さんの意思を尊重し
⑥共に治療を行なう準備ができているかどうか
を反芻することが必要です。

患者さん、家族、そして医療従事者が協力できる具体的な体制をつくりあげることが幹部の役割であり機能であることを理解しなければなりません。

痛みを感じさせないようにするためには、何をすればよいのか、羞恥心を感じさせないようにするためには何をすればよいのか、恐怖心を感じさせないためには何をすればよいのか…等々患者さんの立場に立つ医療ができるかどうかがインシデントアクシデントをなくしていく原点です。

これができずに、いくらレポートを出す、検討する、原因分析を行なう、対策を立案する、といった活動をしても、リスクマネジメントにおける医療事故をなくすための本質的な解決にならないと考えています。

医療の質を高める活動を主体的、かつ積極的に行なうことによって、リスクは必ず低減します。
勿論、個々の医療従事者の意識には個体差があるため、事故が抑止される程度は個々のケースで異なります。しかし…、まずは患者さん第一のための医療の質の向上を図る、そのための具体的な活動を行なう、ということを前提として、リスクマネジメントを進めていくことが相当です。

形式ではなく、本質の獲得を目指す、それがリスクマネジメントのテーマです。

〔よい病院、よくない病院の見分け方同時掲載記事〕

投稿者 石井友二 : 21:35 | トラックバック

2005年08月27日

わかりやすいリスクマネジメント(5)患者第一の医療とはⅠ

前回の記事で、次のように書きました。

『⑤意識は、こうしたら事故になる、訴訟になりやすい、間違いが起こるといったことに対処する意識。事故に対する意識をもっている者とそうではないものは大きく結果が異なります。

勿論、一番重要な意識は「患者第一の医療を貫き通すんだ」という意識であると思います』

リスクマネジメントを行なうときに、一番大切なのは、医療従事者として、本当に患者第一の医療を貫き通すんだという意識があるのかどうかということだと思います。

すべての仕事の原点がそうした意識や気持ちであれば、自らの医療の質の向上に向けて、個人の技術技能向上のために研鑽し、自分が携わる仕事について改革を進めていく結果として、一つ一つの仕事に集中し、間違いを起こすことを低減することができると信じます。

スキルの高い医療従事者は事故を起こす確率が低いことはいうまでもありません。

常に振り返り、常に課題を発見し、常に自らを鼓舞しながら成長するために日々懸命な努力をする。
そんなスタッフを沢山もっている病院は、絶対に勝ち残ると考えます。

病院幹部は患者第一の医療という掛け声だけではなく、病院マネジメントをあるべきかたちで行なうなかで設定したヴィジョンを達成するためにリーダーシップを発揮するとともに、仕事環境整備を行い、医師が力を発揮できる体制をスタッフが確立できるよう誘導することが必要です(続く)。

〔よい病院、よくない病院の見分け方同時掲載記事〕

投稿者 石井友二 : 20:57 | トラックバック

2005年08月25日

わかりやすいリスクマネジメント(4)医療の質の向上による事故抑止Ⅱ

医療の質が高いスタッフとそうではないスタッフの事故が発生する確率は全然異なりますよね。

①知識
②経験1
③経験2
④実際の技術
⑤意識
⑥注意力
⑦集中力
⑧仕事の仕組み
が医療の質の要素であると考えます。
なお、①~⑦は個人の技術技能を分解したものです。

①はこうするとこうなる、という知識をもっているのといないのでは大違いであることは判ります

②は知識をもって仕事をしても、こういう場合にはこうなるといった経験をノウハウにしている人
といない人でも差がつきます

③は看護師のA子さんはこういうことをするから、A子さんの後工程については十分注意しようということや、このB医師の注射箋の字は、1の意味ではなく(  )=かっこ、なんだから間違いないように、とかの経験をいいます

④は知識や経験を実際の仕事のなかで正しく具現化できるかという技術

⑤意識は、こうしたら事故になる、訴訟になりやすい、間違いが起こるといったことに対処する意識。事故に対する意識をもっている者とそうではないものは大きく結果が異なります。勿論、一番重要な意識は「患者第一の医療を貫き通すんだ」という意識であると思います。

⑥は当該本人がもっている注意力、人の性格というべきものです。後発的に身につくケースもありますが、傾向的にすべての仕事に対し注意力をもって仕事をする人とそうでない人では事故発生の頻度は間違いなく違います。

⑦は、そんな人でも意識を常に集中し続けることはとても困難です。したがって、集中するためには、医療行為の重要性、あるいはトレーニング、さらにはヴィジョナリーなものの整備、職場環境の改善、処遇の改善、といったことが実施されることになります

⑧個人のミスを担保する、業務フローや権限規程がなければなりません。

①~⑧がすべて掛け算で計算され、その結果が事故が発生しない確率である、とします。
一つでも0があれば全体は0となり、発生しない確率は0、したがって確実に発生するということになります。

事例が沢山あるので、すべて思い当たりますが、皆さんはいかがですか?(続く)

〔よい病院、よくない病院の見分け方同時掲載記事〕

投稿者 石井友二 : 22:10 | トラックバック

2005年08月24日

わかりやすいリスクマネジメント(3)医療の質の向上による事故抑止

「患者意識の変革や、医療事故に対する世論の盛り上がりのなかで、リスクマネジメントを行うということは、レポートを収集して分析し、原因を発見、対策を立案する、ということを中心として、マニュアルや看護プロセス、教育、評価、パスといったあらゆる制度を体系的につくりあげていくことである、という理解をしていただくことが必要です」

「病院全体の改革活動が医療の質を高めることで、リスクマネジメントでの成果を追求することが相当です」

これは、ある病院のために私達が作成したレポートのコメントです。

リスクマネジメントは、発生した事故について原因を分析し、対策を立案し、それを実行し、二度と同じ事故が発生しないように対処することが基本です。しかし、そのためには、周辺のあらゆる制度を動員しなければ、成果をあげるリスクマネジメントはできない、ということを説明しています。

いつも考えます。
①凄いスキルをもつ人が、どのような仕組みであろうと、どのような状況であろうと目的を達成するために、その場をすべて正確にクリヤーするので、事故は発生しない
②仕組みがある程度きちっとしているため、スキルはそこそこの人であるが、事故は発生しない
③仕組みが完全であるので、誰がやっても事故は発生しない
といった、仕組みと個人のスキル(その場での)の組み合わせが基本となり事故を発生させないかたちをつくりあげることが病院のリスクマネジメントである、ということです。

完璧な仕組みをつくることは困難ですし、完全に高いスキルをもった職員を大量に育成することも難しいことでしょう。したがって、まず②の状態を満足水準としてつくりあげることが必要です。

その後③に向けた対応をしていくことになりますが、多分、それは無理でしょう。少なくとも①の状態はこれまた困難ですから、結局②の状態をいつまでにつくれるかが当面の目標であるかなと思います。

そのためには、冒頭に記載したように、通常のリスクマネジメントを軸として、対策のマニュアルへの反映、マニュアルの遵守、そのための評価、あるべきかたちと評価された現状のギャップを埋めるための教育制度といったもの、さらにはそれらを補完する道具として看護プロセスの確立(PDCA)や、パスによるチーム医療といったことが対象となります。


ここで重要な要素はマニュアルです。マニュアルにロジックが必要です。単なるマニュアルではなく、高度に利用されるマニュアルが必要です。

私達はウェブ上でマニュアルを作成、管理、運用するソフトを開発し、ご支持をいただいていますが、マニュアルの質をあげる、マニュアルに執着する、マニュアルを習得する、といった活動を誘導する制度づくりが必要になると考えます(続く)。

〔よい病院、よくない病院の見分け方同時掲載記事〕

投稿者 石井友二 : 01:29 | トラックバック

2005年08月23日

わかりやすいリスクマネジメント(2)対策だよ

(対策立案時)
①十分な調査をしていないため対策が的を得ていない
②パターンで処理してしまうため、曖昧な原因に曖昧な対策となっている
③原因が多数あるため(分析してしまうため)どの対策がベストであるのかが特定できない
④現場をみて原因分析をしていないため、不適格
⑤対策の立て方が判っていない
⑥業務を変えようとすると業務改革委員会といったものがあり、その承認を得るのに時間がかかり、同じ事故がいくつも発生する
等々です。

こんなことをしているので、病院から事故がなくなりません。いつまでも。そしてそのうち高いレベルの大きな事故が起こります。病院から事故がなくならない理由はいくつもありますが、まずは対策が稚拙であれば事故がなくなるはずもありません。

原因が正しく特定できないなかで、対策は立てられないのは当然ですから原因の特定が必要ではありますが、原因が正しく特定できたとしてもやはり有効な対策は対策立案のための時間やスキルを必要とすることも事実です。
レポートを出すことに多くのエネルギーを割き、対策にたどりつけないとしたら、それは超ナンセンスであるということを理解しなければなりません(続く)。

〔よい病院、よくない病院の見分け方同時掲載記事〕

投稿者 石井友二 : 10:40 | トラックバック

2005年08月22日

わかりやすいリスクマネジメント(1)はじまりはじまり

いま、病院におけるリスクマネジメントがさかんです。

でも本当にマネジメントになっているかどうかについては、疑問な病院が数多くあります。
(提出時)
①発生したものがすべて提出されていない(取捨選択されている)
②積極的に高いレベルのものを隠蔽している
③医局は絶対にかかない

(原因分析時)
①原因分析の体系的方法をもっていない
②SHELLでやって原因が多数になってしまう
③委員会の開催頻度が低く、処理しきれていない
④多数の人が意見を述べるため、原因が特定できない
原因を特定するためには、
原因分析を迅速に行なう必要があります。
事故が発生したら、本人と上司だけではなく、第三者が現場に直ちに出動し、
そこで事故を起こした人の目線で事故を調査、
なぜなのかについて徹底的にあらう、といった作業をしなければ原因分析を的確に行なうことはできません。

明確な理解をし原因分析をしたうえで、対策立案へ入ることが必要です(続く)。

〔よい病院、よくない病院の見分け方同時掲載記事〕

投稿者 石井友二 : 01:38 | トラックバック

2005年08月21日

わかりやすい病院マネジメント(3)最近つくづく判ったこと

病院は医師の力発揮されることで収益をあげることができます。

但し、医師が力を発揮するためには、舞台や装置、そして集患のための仕組み、スタッフをつかうための人事労務、資金を調達するための仕組み、さらには会計や、医事等々さまざまな環境が必要である、ということは以前から認識をしていました。

例としてどうであるかは別として、芸能人がそのケースではないかと考えます。
舞台で観客を楽しませる歌手がその舞台に立つためには、多いときには何百人のスタッフがそこで活動し支援することになります。歌手が一人でTVやラジオに出演することや、舞台にあがることは不可能です。

しかし、それだけではないことが判ります。

私達が支援させていただいている病院では、クリティカルパス0件からパス委員会が組成され、看護師がパス利用を反対する医師に直訴し、医師も巻き込んだなかで活動を徹底し、2年後の今では数ヶ月で400件程度のクリティカルパスを適用することができるようになりました。

その病院は教育入院のカリキュラムづくりや、地域連携といったものについて、医師を啓蒙し、突き動かすなかで成果をあげています。

また、別の病院では、部門計画の達成を図るため、当初は看護師さんだけで活動をしていたものを、いまでは医師も巻き込みCF件数を増加するため、午前からの検査を30分単位で予約を入れながら件数を増加させることでの収益アップを図ることや、業務改革を行いながら、看護師の数を増やしながら新しい業務を導入するなどの成果をあげています。

さらに入院診療計画書の期日管理をすることで、すべての患者さんの退院についての当初予定との差を擬似バリアンスとしてとらえています。

どこに原因があるのかについて徹底検証するなかで、医師になぜ入院診療計画書が不定とか不明と書くのか、あるいはなぜ2~3週間と書くのかといったことを問うことによって、医師の治療や退院に対する意識を喚起する、といったことで成果をあげています。

このように医師の支援をスタッフが行うことによって、そして医師の力を引き出すことによって、成果をあげ患者さん第一の業務への転換が徐々に行われていくということが現実のものとなっています。医師が潜在的な能力を引き出され、力を発揮できる環境づくりが病院職員によって行われていることがよく理解できるようになりました。

何れにしても医師と他の職員との相互関係によって、新しい価値がつくりだされる環境をつくれる病院とそうではない病院では、先々においてはその提供する医療の質に大きな差がでることが判ります。

とくに医療制度改正が急であり、病院の淘汰が議論される現状において、トップのリーダーシップのみならず医師と職員の良好な相互関係の構築が今後の病院マネジメントに重要な意味をもつことを、すべての病院の幹部が理解しなければなりません(続く)。

投稿者 石井友二 : 10:14 | トラックバック

2005年08月20日

ボランティアによる支援

病院では、いろいろな仕事でボランティアさんが活躍しています。

花壇づくり、清掃、患者さんのお世話、病院軽作業といったものがそれです。
ボランティアの方は自分が病院のお手伝いをすることで、人のお役にたちたい、自分でできることで
誰かが喜んでくれたら、という気持ちをお持ちであると思います。

話は変わりますが、出張に行く朝5時ごろ、頻繁に駅の周辺の清掃をしていただいている何十人という方々にお会いします。駅の周辺はさまざまなゴミで汚れており、あるいていてとても不愉快ですが、こうした方々に清掃をしていただくことで、ほんとうにすがすがしい気持ちになります。

自分の部屋が思いっきり汚れているときに掃除をしたあとのすがすがしさを思い出して、ふと自分でもこんな清掃をしたら、しているほうも気持ちいいだろなと思うことがあります。

で、病院においても善意の方々に助けていただきながら、より地域に密着し、地域に貢献できる病院をめざそうという考え方があると考えます。

勿論、病院の職員がやるべきことをボランティアの方々に変わっていただくのではなく、より地域に浸透し、よろこんでいただける部分でボランティアのお手伝いをしていただこうということです。

米国ではボランティアの方々が病院のなかに入り、さまざまな活動をされていると聞きます。
皆さんご存知のアンジェリカ・チェリオットさんによるプラタナス病院計画にしても、プラタナス病院のコンセプトのなかで、

①人間相互作用
②情報と学習の重要性
③社会支援ネットワークの重要性
④癒しと生命力の重要性
⑤身体へのふれあいの重要性
⑥ヒーリングアートの取り入れ
⑦相補代替療法の積極的な取り入れ
⑧癒しの建築デザイン
⑨食事や栄養に対する配慮
(出典:よくわかる看護マネジメント、武藤正樹著)
をあげていますが、日本でもボランティアの方々にご支援いただきながら、地域住民の健康管理に貢献できる病院を志向することも必要な時代になったと考えます。

〔よい病院、よくない病院の見分け方同時掲載記事〕

投稿者 石井友二 : 10:09

2005年08月19日

身近になった脳神経系外科

松田一敬(まつだいっけい)
HVC戦略研究所 社長
www.hokkaido-vc.com

HVC戦略研究所の松田です。
今回は、病診連携、画像診断などに関して、自身の経験をご紹介します。

1年位前から頭が痛い、耳が痛い、左目が疲れやい、などの症状があり、いろいろ原因を思いあぐねていました。仕事柄、頻繁に携帯電話を使うので磁場の影響かな、などと考えたりもしています。念のため、脳、耳、目などを調べてみようと思ったのですが、きわめて忙しいスケジュールをこなしており、病院で長時間待たされるだけの時間がない。

特に、脳の場合は、大学病院か脳神経外科といった大病院にいかないとMRIなどの検査も受けれないのでは、などと足が遠ざかっていました。

今週、洗車のためガソリンスタンドに行った時のこと、目の前に「西札幌脳神経外科クリニック」という看板を発見しました。聞けば8月にオープンしたばかりで、MRI等、主要な検査機器も揃えてあり、かかりつけの『脳ドック』『脳神経外科』を目的として開院したとのこと。

まさに今回の自分のように時間がなくて大病院にはいけない、ちょっと頭の調子が悪いからといって、脳の検査に行くにはすこし及び腰、という人たちに対して、「脳神経や脳血管の専門的な検査、治療を地域の皆様に「もっと身近に」提供したいという思い」で始めたそうです。

本格的な治療が必要な場合は、院長の出身である私立病院や札医大との連携をしており、病診連携の1つのモデルになっています。

行ってみて驚いたのは、バリアフリーに設計されたラウンジのような待合室。待ち時間はほとんどなし、30-40分で、問診、MRI検査、その後の診断(説明)と本当に簡単に終わってしまったこと、そして自分のスライスされた画像を見せられ、問題なしと診断されて非常に安心して帰ってきました。

DICOMの画像システムや電子カルテシステムも整備されており、また丁寧に画像や模型を使って患者(というより受診者)に説明してくれました。

ちなみに眼科、耳鼻科、歯科医いずれも我が家から徒歩圏のところで済ませています。地元のなじみのお医者さん、これがとにかく便利だなと自ら実感しています。

脳についても同様。ふらっと歩いていって、気軽に安心して門をたたくことができる『脳のお医者さん』、これからの病診連携、クリニックのあり方を示唆していますね。

投稿者 石井友二 : 14:01 | トラックバック

2005年08月18日

わかりやすい病院マネジメント(2)マネジメントの対象

したがって病院マネジメントは、
①個人が高い技術技能をもつこと
②彼らの力を最大限引き出せる仕事の仕組みがあること
③適切な戦略を達成するための強いリーダーシップ
の3つについて行なわれることになります。

①と②のためには、
DTB(ドクタートレジャーボックス)のなかでも十分説明していますが、
方向の決定とやる気を醸成する人事管理(HRM)、やる気になった医師やスタッフが働き易い環境や道具の提示(医療ツール)、そしてそれらの結果をモニタリングするための会計(管理会計)、があげられるわけです。

しかし、③はどうでしょうか。
適切な戦略を採用すること、そして必ず達成する覚悟をもったリーダーの養成が③を担保します。
リーダーはもともと落下傘で降りてくるのか、あるいはプロパーで組織のなで育ってくるケースの2つのものがあります。

民間病院であれば世襲であれ、あるいはまったく同族ではない者から医師が選択されてきましたが、そもそもリーダーに相応しい者が登用されることになります。そのケースでは院内や院外が対象とはなります。それで、そうではない場合、例えば独立行政法人等であれば、とりわけリーダーシップがなくとも、徐々に出世をしながらリーダーになることもあります。

何れにしても、組織において誰が次のリーダーになるかは別として、常にリーダ育成プランをもった管理をしていくことが適当です。
何にもまして、リーダーはどうあるべきか、どのようなリーダーシップをとれるリーダーが必要であるのかについては、あるべきかたちを常に意識し、イメージし、具体的なプログラムをもっていかなければなりません(続く)。

投稿者 石井友二 : 00:07 | トラックバック

2005年08月17日

わかりやすい病院マネジメント(1)基本

病院は特殊な組織であると考えられています。「
医師を中心としたチームでの活動が集積して病院となります。

組織が大きくなっても結局は科別に数人の医師、看護師、がチームがベースとなって活動が行なわれ、各科別の活動は科別単位で医局や看護部として完結します。

これをサポートするように医療技術者がパラメディカルとして周りを取り囲んでいます。活動の患者さんや国等への請求は医事が、そして全体を事務部が行います。

機能的で合理的な役割分担が行なわれ、組織が構築されています。

ただし、これらは労働集約的であり、ITや高度医療機器によって人の動きをサポートしているものの、結局は有資格者の活動がなければ成立たず、機械に代替するということができません。質の高い医療や合理的な医療を行なうためには、行なうべきことは2つしかありません。

①個人が高い技術技能をもつこと
②彼らの力を最大限引き出せる仕事の仕組みがあること

がそれらです。①を確立するとともに②を達成する必要があります。
なお、しいていえば、変化の激しい最近では、
③適切な戦略を達成するための強いリーダーシップ
へ高い要求があります。

いくら①と②ができていても、③が正しく管理(発揮)されていなければ組織としての力をフォーカスすることができません。国が用意した制度を最大限活用し、病院の本来の目的である弱者救済ができる体制をつくりあげていくことが必要で(続く)。

投稿者 石井友二 : 23:49 | トラックバック

2005年08月15日

DTB(1)病院改革支援

私が医療業界の仕事をスタートしたのは、今から9年前です。

監査法人を経て、銀行のコンサルティングセクションを退職した時期から1年経過していました。
当時は今のような医療環境ではありませんでしたが、我々の新しい考え方を取り入れていただける病院トップと協同で、さまざまな課題を解決しはじめていました。

DRG・PPSの日本での導入が行なわれるのではという議論がスタートするなかで、目標管理制度や能力給の導入、部門別損益計算や患者別疾病別原価計算を行なうことが主たる活動でした。

最近の数ヶ月では、以下のようなご依頼をいただいていますが、管理会計や人事管理だけではなく焦点が随分と変化してきた感じがします。


①地域連携活動の活性化
②マニュアル整備及び運用
③訴訟を起こさないためのリスクマネジメント体系構築
④予算実績部門別損益管理
⑤看護プロセスの見直し
⑥改善提案による業務改革
⑦資産管理
⑧指標管理による管理会計体系整備
⑨会計監査
⑩医師給の決定
⑪任期制の導入
⑫看護部の活性化
⑬薬剤部業務の効率化など各部門における業務改革
⑭クリティカルパス作成及び運用
⑮サテライト開業
⑯院長指導
⑰管理部門業務効率化
⑱賃金体系確立
⑲考課者訓練
⑳戦略立案及び業務計画立案

さまざまなニーズがありますが、激変する医療環境になんとか適応していこうという病院の悩みが聞こえてくるような気がします。

これからの急性期病院は、その病院にしかない強みをもち、地域においてそれらを喧伝していくとともに、医療の質を向上し効率を高め、多くの地域住民や患者さんから評価される病院になることが必要です。

そのことにより、地域完結型医療を徹底して実行することができるようになります。

どの病院にも負けない強みをつくりあげるためにはフォーカスした病院改革が必要です。
自院のSWOTを分析し、どこに焦点をあててコアコンピタンスをつくりあげていくのか、徹底した対応を行なう必要があります。

ドクタートレジャーボックスでは、そうした病院の支援を行なうことができるよう常に新しく、リアリティがあり、そして意味のある情報を提供するとともに、ホワイトボックスにより具体的な病院改革支援活動を継続して行なっていくつもりです。
多くの会員の皆さんのお役に立てるよう機能を充実していきますのでご活用下さい。

投稿者 石井友二 : 23:32 | トラックバック

2005年08月14日

経営課題について(56)ベットコントロールⅢ(2巡目)

なお、午前退院、午後入院で稼働率をあげるときに、田舎の病院では大安の日を気にしたり、午後昼ごはん食べて退院しようといった患者さんが多いと聞きます。

これらについてどのように考えるのか。

地域性を考慮して、本当の意味で地域に根付く病院経営を志向しているのか、また本来の治療に重点を置いて、ある部分患者さんの慣習や意向を無視した合理的な経営を志向するのか、決定していく必要があると考えます。


何れにしても病床管理という重要な仕事を、単にベット数のカウントをしたり、いつにはいくつのベットが空きますといったことに利用していくのかといっただけではなく、その背景についても特化してある部門がそえれをコントロールするといった仕事であることを忘れてはなりません。

入院待機患者が常に多数存在する、そのうえで誰もが信頼、安心する合理的な医療が行なえるといった状況をつくりあげていけるのか。ブランド構築のための戦いを徹底的に実施する必要があります。

ベットコントロールを再度、病院の重要な経営資源であるベットをどれだけ効果的に利用できるかという観点から見直してみる必要があります。
明確な指標管理による分析と行動誘導が求められます。

投稿者 石井友二 : 15:30 | トラックバック

2005年08月13日

経営課題について(55)ベットコントロールⅡ(2巡目)

ベットコントロールは、
①できるだけベットを埋める
②できるだけ単価の高い、すなわち難しい患者さんの治療を行なう
③できるだけ早期に退院していただける
ということを促すための管理方法です。

現状ベットがいくつ空いている。混合病棟であることは、効率や看護の点からみて同であるのかと言う議論もありますが、まずはベットを埋めることが必要であるとすれば、そののちに医療の質を落とさず、院内での努力をすればよいわけで、まずは患者さんを受け入れないといったことは考えられないとすることが適当です。

①現状のベット情報をタイムリーに提供する
②将来のベット情報をタイムリーに提供する
③在院日数の情報を管理することで原因を分析

③においてはパスバリアンスマネジメントだけではなく、入院診療計画書といった情報量が極端に少ない資料からでも日数管理を行い、当初の予定と実際が異なることを情報として提供し、バリアンス類似の分析を行なうことも必要であると考えます。

A患者さんが来ない理由
B患者さんが入院しない理由
C重篤な患者さんが入院できない理由
D患者さんが早く退院できない理由
といったものについて徹底的に分析しなければ本当の意味のベットコントロールはできないと考えられます(続く)。

投稿者 石井友二 : 15:21 | トラックバック

2005年08月12日

経営課題について(54)ベットコントロールⅠ(2巡目)

ベットコントロールがうまくいくことは病院経営をダイレクトに変革していくという意味でとても重要なテーマです。

急性期病院には外来と病棟、病棟には手術室とベットという資産がありますが、これらをどのようにうまく利用するのかによって大きく病院の果たせる機能が決定してしまいますし、また得られる収益が決定してしまうからです。

①外来にどれくらいの患者さんが来院するのか(外来分離しても同じ)
②入院対象患者さんがどれほど来院するのか
③難しい治療の患者さんがどれほど来院するのか
④どれだけ早く退院できるのか
⑤入院待機患者さんがどれほどいるのか
といったことがその内容です。

これらはベットに如実に表れます。
ベットが空いているということは①②ができていないことであり、あらゆる収益機会を逃しています

ベットが埋まっていて、④ができていないことは、②を受け入れることができず収益機会を逃します。

④ができていてベットが埋まっていて、かつ③が充足されているときが最も急性期病院としての機能を果たすことができますし、結果として収益も最大化します(続く)。

投稿者 石井友二 : 14:59 | トラックバック

2005年08月11日

経営管理について(53)入院指導の徹底(2巡目)

入院指導は、入院にあたって病院のルールや治療を円滑に行なう上での留意点を説明するものです。
治療は病院側が一方的に実施するものではなく、患者や患者家族との協同作業であるということです。

病院に入院するためにはこのようなルールを守らなければならいこと、治療にあたってはこのようなことに留意しなければならないこと、治療はこのように進められること、といったことが示されます。

但し、入院オリエンテーションにて規則ルール的なことが、そして、入院指導において治療のための説明が行なわれるというように、2つに区分しているケースがあります。入院指導は、入院診療計画書や代替されるクリティカルパス(患者用)を利用してこれを行なうことが多くなってきました。

疾患によって入院時にさまざまな留意が必要であることがあり、患者が病院に依存するのではなく、自己治癒力を増強できるよう、患者に力強い指導をすることが必要であると考えています。

なお、この段階で原則として××日間で退院です(看護基準による)、治療費はこの程度必要となります、といった説明をしなければなりませんし、資金や退院後について心配なことがあれば、相談の場を用意していることを伝えることも忘れてはなりません。

さらに65歳以上であればリスクスクリーニングを行い、退院が円滑にできるよう退院支援計画をスタートさせることも必要です。


入院指導は、したがって、
①入院時オリエンテーション
②入院計画説明
③患者教育
④患者家族支援
⑤退院支援
といった要素をすべて包含していると考えることができます。

これらは本当に大切な要素が沢山あります。
今後は入院指導を正しく実施できない病院、計画通りに退院させられない急性期病院は、勝ち残りが困難になります。

投稿者 石井友二 : 14:31 | トラックバック

2005年08月10日

経営課題について(52)院内伝票回送ルールの確立

院内にはさまざまな伝票があります。
広く言えば指示を伝える口頭、書類、伝票、記録、システム入力といった手段がさまざま機能しています。

これらをすべて見直すことにより、仕事のながれを合理的にすることや、効率的、効果的にすることができます。ありのままの仕事のながれをそのまま受け入れるのではなく、常に無駄や無理がないかどうかについて検証することが期待されます。

それではどのようにそれを見直すのでしょうか。本来であれば、
 ①課業分析を行い仕事のながれをすべて把握する
 ②マニュアルを作成する
 ③マニュアルの各手順を検討する
 ④二重にチェックしているものや複雑な業務を抽出
 ⑤④を検討し、シンプルで無駄のない業務への転換
 ⑥マニュアル改訂
 ⑦教育
といったながれで目的を達成します。

また、
 ①伝票・書類のコード化
 ②目的の明確化
 ③機能の明確化
 ④必要・不必要の検討及び決定
 ⑤必要なものの内容検討
 ⑥記載事項が不足していないかどうかについての検討
 ⑦改訂による不足事項の充実
といった作業を行います。

また、口頭の指示が正しいかどうかについては、口頭で指示することについて、指示の内容を指示する側やされる側が適宜メモをとり、記録を残すことにより、期日の遵守や理解の齟齬(そご)をなくすよう対応することになります。

必要ない仕事を効率化することほど、不効率なものはないという格言がありますが、何が問題で何を改善するのかについての十分な議論をつくし、作業に入ることが適当です。

投稿者 石井友二 : 16:42 | トラックバック

2005年08月08日

経営課題について(51)人間ドック及び健康診断体制の確立

人間ドックや健診は、次のメリットをもっています。

①再検の患者さんをピックアップすることができる
②病院に来院する第一歩をつくることができる
③知名度をあげることができる
④生活習慣病を管理することができる
⑤患者さんに安心の材料を提供する
⑥実際に疾患が早期に発見できる
⑦検査入院につながることもある
⑧健康に留意するようになり、何かあればその医療機関にいくという気持ちになれる
といったことがそれらです。

患者さんにとっても病院にとっても、人間ドックや健診がまずあり、そこから次のステップに進むというながれをつくりあげることができます。

人間ドックについては、したがって
①再検査率
②外来来院率
③入院比率
といったものがマネジメント的には管理されなければなりません。

したがって、どちらかというと、人間ドックや健診は、ある意味販売促進的な意味合いがあり、利益をとるものではないことがよく理解できます。戦略的に活動することが必要です。

投稿者 石井友二 : 00:53 | トラックバック

2005年08月06日

経営課題について(50)リハビリテーション強化Ⅱ

なお、16年4月1日の診療報酬改定により、回復期リハビリテーション病棟と同様に、亜急性期に属する病棟適用として、亜急性期入院医療管理料が新設されました。

この亜急性期病床を開設するための施設基準は次のものです。看護配置2.5:1以上、看護師7割以上、在宅復帰支援者の専任配置、診療録局理体制加算の算定、理学療法(Ⅲ)以上、退院患者の6割以上が在宅等へ移行、病床面積は6.4㎡以上/人といったものがそれです。

急性期と慢性期の橋渡しをする部分ですが、平均在院日数の計算の埒外におかれていることを理由に導入するところがあります。

亜急性期病床の意味を理解し、正しい利用による管理が行なわれる必要があります。

なお、亜急性期医療の対象となる疾患等の例としては、
(1)コントロール不良な糖尿病
(2)増悪と寛解を繰り返す肺炎
(3)高齢者、慢性疾患患者等の大手術後(開胸手術等)
(4)インターフェロン治療中の肝炎
(5)人工呼吸器管理や投薬量の検討が必要な神経難病
(6)抗がん剤治療のための定期的な入院が必要な悪性腫瘍
(7)増悪と寛解を繰り返す血液疾患等
(8)急性期から回復あるいは慢性期への移行途上の状態
(9)慢性期の増悪等、一時的に医療必要度が高まる状態
といったものが考えられていました。

何れにしても、厚生労働省の考え方として、今後はより一層住宅復帰を促進するというものの表現であり、後方連携の充実が図られる必要がある、と考えることができます(続く)。

投稿者 石井友二 : 04:55 | トラックバック

2005年08月05日

経営課題について(49)リハビリテーション強化Ⅰ

リハビリは、対象が整形や脳外だけではなく、あらゆる場面で利用されるものです。

廃用症候群、一般的な麻痺への対応だけではなく、生活習慣病や呼吸器のリハビリテーション等、リハビリテーションの対象はとてもひろいものがあります。

リハビリを行なう病棟として平成12年4月から回復期リハビリテーション病棟が設定されました。入院のための要件は次のものです。

(1)脳血管疾患や脊髄損傷など(頭部外傷も含む)の発症(受傷)から3ヶ月以内の患者
(2)大腿骨頚部、下肢・骨盤などの骨折受傷から3ヶ月以内の患者
(3)外科手術、肺炎などの治療時の安静により生じた廃用症候群を有しており、手術後または発症後3ヶ月以内の患者
(4)上記に準ずる状態(病棟専従のリハ医師が医学的に判断し準ずると判断した患者)は、180日以内を限度として入院することができます。

診療報酬上この入院料を算定するためには、リハビリの施設基準、療法士の人数基準、床面積基準、専従医の規定、看護基準、該当疾患基準などを満たす必要があります。

病院機能評価においても、一般審査とは別に一般審査に合格した病院は「付加機能リハビリテーション」という審査を受けることが可能です。

救急医療,緩和ケアに並んでリハが付加機能評価として加えられましたが、これは回復期リハ病院など,リハを重視した施設をターゲットにした評価であり、リハビリテーションが評価されている理由がここにもあります(続く)。

投稿者 石井友二 : 04:52 | トラックバック

2005年08月02日

経営課題について(48)入院前検査の励行

入院してから検査、検査を経て手術…といったかたちではなく、事前に検査を外来で実施し、以って入院手術というかたちをとることが有効です。

救急で入院するのではなく、予定入院であれば、そうした考えたを採用することができます。そのことによって、入院期間を短くすることができます。

術前検査を外来で実施し、入院したら即手術を行なうことは、入院してから検査を行い手術をする場合と比較して、単純に入院期間がその分短かくなるからです。ここに、平均在院日数を短縮するために、入院前検査を行なう必要があります。

平均在院日数短縮を行なうためには、技術的方法と質的方法がありますが、術前検査は前者を代表する最も基本的な事項であるということができます。

なお、泌尿器、耳鼻科など比較的軽微な疾患の場合に、あらかじめ検査で入院し、結果をチェック。病名や手術方法を特定してから退院、さらに日を置いて入院手術、を実践している病院もあります。

何れにしても、平均在院日数の短縮が叫ばれ、現実として急性期病院として遵守しなければならない現状があるのであれば、小さなことの積み重ねをすることが重要です。くれぐれも、手術適用患者さんに漫然と入院を促さないようにすること、そして計画的な入院へ誘導することが望まれます(続く)。

投稿者 石井友二 : 23:14 | トラックバック

2005年08月01日

経営課題について(47)併診の推進

病院に来院した患者さんにいくつもの科を一度に受診してもらうことを併診といいます。
併診を何科するのかといったことが議論になります。

併診をあまり多く行なうことは、患者さんの待ち時間をつくり、問題であるといわれています。2~3科が限界であるというのが通常です。病院には併診は増患と近い意味をもちます(再診料には制限)。また、
患者さんにとってみれば何度も病院に来院するよりも、一度ですべて済むことはメリットであると考えます。

整形と眼科、眼科と循環器、循環器と消火器等々、それぞれの科での診察のなかで他科受診を薦める
機会が多くなります。意識のなかに併診率(送受信回数/総患者数)を高め、全体として増患するために
どのような活動をすればばよいのかについて検討する必要があります。


これからの病院はブランド構築と、病診連携により増患を図る必要がありますが、同時に併診を進めていくことも戦略の一つとして検討する必要があります(続く)。

投稿者 石井友二 : 22:36 | トラックバック