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2005年09月29日
進化するマニュアル管理(1)硬直的マニュアルからの脱却
マニュアルは、手順、留意点、必要な知識・能力、接遇から成り立つ項目によって作成されます。ここでいうマニュアルはある意味、課業分析シートと同じ意味をもつものであるということがいえます。課業分析を行うことは、職員一人一人の仕事を、現状のまま明らかにしていくものです。
マニュアルを作成するときに、現状実行していないマニュアルを作成してしまうことがありますが、そのような現実と離れているマニュアルは、現場で誰も利用することがなく、したがって作成しただけで終わってしまうマニュアルになります。
病院機能評価をとるときに、単にマニュアルがあればよいというレベルであると、マニュアルを利用するためにはどうすればよいのかとったとこにまで考えが及ばないことがあります。マニュアルは仕事そのものであり、したがって利用することが有効であるとともに、間違いや追加しなければならないことが判る資料として利用することができるといった機能をもつことができるのです。
地域の患者さんに貢献できる病院をつくるためには、現状の業務を見直し、どこに仕事の仕組みを変えていくところがあるのかということ(課題)こと、そして課題解決のための作業を行い、その結果をマニュアルに反映させること、さらにそれらを利用して個々人の技術技能を評価し、不足する事項があればそれを教育の対象とすることが必要です。
現状の業務をつぶさに明らかにする業務マニュアルが必要な理由がここにあります。従来のマニュアルは、各部署毎に作り方がバラバラであり、フォームが統一されていない、あるいは手順と留意点が混濁しているマニュアルであることが多く、またマニュアルを利用するにあたって必要な知識・能力が手順に含まれており、他の部署のマニュアルは見たこともないし理解もできない、ということが通常でした。
実際に仕事は他部署にまたがっている、チーム医療がさけばれているなかで各部署はお互いの業務を理解し、相互に理解しあわなければならない、という要請があるなかで、従来のマニュアルはそうした要請に応えられないものでした。
マニュアルは、多くの役立ちがあります。
まずは、各部署同じフォーム、同じロジックでマニュアルを作成することによって、どの部署の者がみても理解できる。自分の部署と他部署の仕事の関係が判る、といったものとしていくことが必要です。そのことによって組織全体の仕事が俯瞰(ふかん)できるようになるとともに、業務のながれが正しく把握され、問題があれば改善されることになります。
課業分析をベースとしていることから、職務基準の基礎、職務分掌規程、権限規程作成の基礎、リスクマネジメントにおける事故抑止ツール、教育ツール、個人技術技能評価のツール、そしてクリティカルパスの個々項目のアセスメントへの利用といった多くの部分で役にたつ資料となります。
こでいうマニュアルを作成し、改善提案とリンクしながら常によりよく改定していくなかで仕事を変えるといった活動を継続することによって経営改革が達成されます。「進化するマニュアル」を管理することが適当です。
2005年09月22日
看護師さん(7)院長とのお話
先日、心臓手術では有名な病院の院長とお話をさせていただく機会がありました。
院長は、看護師に主体性がない。いわれたことでもやらない。というお話をかわきりに、発想力がないことでの術場のインシデントの事例をあげ、ことこまかに手順を検証するが、ポイントをきちっと抑えていない対策となっているため、焦点がぼけること、また、会議で説明したことが末端までとどいていないことをあげて、徹底して仕事をしようという意識がないことについてご説明いただきました。
この病院は、もともと地域でも有名であり、良い医師が数多くいらっしゃるため、職員はプライドをもって仕事をしているという背景がある、その結果、これでもかこれでもかという積極的な改革を行なう誘因がないことが懸命さを引き出せない理由ではないかという仮説を説明しました。
やるべき処理は行なっているのにもかかわらず、気が入っていないため、結局はそれが活かされていないということが結論であり、そのためにも、幹部に面談を行い、現状実施している目標管理制度の進捗状況をチェックするとともに、本来実施しなければならないことが実際にできているのかどうか、できていないのであれば、どのようにやっていくのかについてのアドバイスを行なうことになりました。
院長は、折に触れ看護師さんに注意をされているそうです。患者さんはその行為をどう受け止めるのか、患者さんはそれをどう思うのかと、常に考えるよう指導されているとのことですが、医療従事者には感受性が必要である、感受性をもって仕事をしていけば、そこで感性が養われ、本当の医療ができるという話をされていました。
成功する方々はみな、どの業界でも感受性があると考えます。相手の立場にたつ、相手と同じ意識をもつためには、相手と同じ気持ちにならなければならない。同じ気持ちになれば、マーケットが理解できたり、ニーズが把握できるということをお話しました。
病院においては、一般の企業よりも、一層感受性が求められていることは明らかです。
患者さんの立場に立つ、患者さんの気持ちになり、行動することが必要であり、そのためには、感受性が必要であるのに、感受性がないために仕事はこなすが、仕事の目的はなんであるのかを忘れてしまう。
結局、これをしなければならないという思いが生まれない、したがって積極的な主体的活動が行なわれない、いわれたことだけやればよい、いわれたこともやらない、という状況が生まれているのだという結論になりました。
明確なビジョンと方針、目標管理の目的や主体的に行動し、患者さんに喜んでいただくためになにをしたらよいのか、といったことを徹底することが必要であると合意することができました。
2005年09月20日
わかりやすいリスクマネジメント(10)自分の仕事
医療の質の向上は、個人の技術技能向上と仕事の仕組みの見直しであることは、以前から言い続けています。
医療従事者であれば、プロとして自分のスキルを高めたいと願うことが通常であると考えています。もっとうまくなってやろう、もっとはやくできるようにといったことに日々留意することが一般的ではないでしょうか。であるとするとインシデントレポートは、いや~やばい、といったことであり、厳格に未遂だけをいうのであれば、あ~よかった、これからは気をつけなければとなることが物事のながれであると考えます。
さらに、どうすれば自分が気がつかなくとも、自動的に気がつくんだろうか、といったことを考えることが自然ではないのかなと思います。
次に自分が楽に仕事をするように仕組みを変えることに留意するのではないかと考えます。
すなわちミスをすることで誰かに迷惑をかける、あるいはやり直し、繰り返しと言った部分で自分の時間を減じてしまうことは明らかであり、この時間をなくすことが結局は楽に仕事をする(余裕をもって仕事を終わる)ことの要諦であると考えるからです。
自分の仕事にプライドをもっている者は、上記のながれで仕事の質をあげていく、という仮説が正しいのか、正しくないのかについては、病院の文化や風土、トップのリーダーシップや医療従事者の経験といったことに大きく影響を受けると考えます。
逆に、こうした考え方をもっていないスタッフが数多くいる病院は本当にやばいです。
あ、インシデントだ。でもいいか、次は気をつけよう~、というだけの者は再度、平気で同じインシデントを発生させます。努力してスキルを高めていった、そして仕事の仕組みを見直して仕事をやり易く、はやく正確にできるようにした、と考えたことがない、そんな状況での医療従事者は、かなりの確率で病院内外からオミットされる、はずされることになります。
リスクの発生した点及び問題点を理解し、徹底的に対策を立案することが必要です。
そしてそれが管理者のチェックの対象となっている場合には、余計、この問題が議論されます。
まずは自らの意識によって明確に問題解決を行なうこと、それを仕組み化すること、そしてそれを運用すること、管理者が指導することといった、当たり前の対策が常に正確に行なわれればインシデント、アクシデントは大きく抑止されることになります。
リスクマネジメントのなかでの、個人のプライドに裏付けられた行動そのものが医療の質をあげ、次のステップに進むことが必要です。
2005年09月18日
わかりやすいリスクマネジメント(9)教育システム
リスクマネジメントは、次のながれで実施されています。
1.初動体制
2.事故発生時の報告
3.インシデント・アクシデント報告体制
4.リスクマネージャー及び部会への報告
5.部会における分析及び対策立案
6.委員会への報告
7.マニュアルへの作成
8.教育・周知徹底
9.マニュアル習熟度評価
しかし、一般的には対策立案がとても困難であること、マニュアルへの記載が網羅的に実施されないこと、マニュアルを中心とした教育体制が整備されていないため、周知徹底が行なわれていないこと、マニュアルの習熟度への評価が行なわれていないこと、といったことがあります。
マニュアルの作成が適時行なわれていないことから、それ以降の仕組みがあっても機能していない病院もあります。
何れにしても多くの事務長が口にする周知徹底ができていない、ことから結局同じ事故が数多く発生してしまい、結局のところ毎年事故はほぼ同じ傾向で発生するといったことが起こってしまいます。
定着率が高くなく、看護師さんが流動的な病院であればあるほどマニュアルを通じた職場内教育やその結果としての個人評価(教育の方向性決定を前提とする)が行なわれない限り、インシデントやアクシデントの発生を抑えることは困難であると考えています。
2005年09月14日
少子化への救世主?! 新しい不妊治療
松田一敬(まつだいっけい)
HVC戦略研究所 社長
matsuda@hokkaido-vc.com
www.hokkaido-vc.com
今日は不妊治療の話です。少子高齢化が叫ばれていますが、この背景には、晩婚化、結婚形態の多様化、経済的理由、先行きの不安からこどもを持つことをあきらめる、数を減らすなど、いろいろ理由が挙げられています。その中で、男性の生殖機能の低下も1つの要因とされています。これは環境ホルモン、IT機器による電磁波など、これもさまざまな理由が挙げられています。
現在、子供をほしいと思っているカップルの10組に1組が何らかの不妊治療を受けているといわれています。不妊の原因は、一般的には女性側に問題があるといわれることが多く、そのために不幸な思いをしている女性が多いのですが、実際には7-8割は男性側の原因、その半分が精子の異常、つまり精子の運動能力が低く受精に至らないことによるそうです。
このような場合、精子の中から運動能力の高いものを選び出し、密度を高めて人工授精、体外受精を行うことになります。これまでは遠心分離などの方法を使ってこの精子の選別を行っていましたが、この方法だと分離している間に精子が「疲れて」しまうこと、コストが高いことなどが問題となっていました。
そこで名古屋大学とベンチャー企業であるストレックス株式会社などは新しい、精子分別方を開発しました。マイクロ流路の載ったチップに精子を通すだけで、運動能力の高い精子を取り出すことができるというものです。これから臨床試験を通じて実際の効果を確認していくことになりますが、これが実現すれば、不妊治療には大きな光明になります。
子供がほしいと思っているカップルにとっての朗報になることを期待しています。
2005年09月10日
わかりやすいリスクマネジメント(8)レポートチェックⅡ
病院によってインシデントレポートを出し易くするため、アクシデントレポートとは区別し、管理を容易あるいは迅速にしようとしているところがあります。
レポートを出すこと自体が文化になっていない、インシデントの重要性について理解していないという病院はどうしても第三者から促されてレポートを提出するということが常態になります。
したがってレポートを提出していないケースも多分数多くあり、結局は網羅的にインシデントを把握できず、結局対策もとられず、事故は起こるというながれになります。
そもそも職員個人個人は評価しないということでレポートの提出を促すことに無理があります。
勿論、システムや制度の問題がインシデントを生む大きな要因であれば、まずはそれを排除するということが必要であるからです。シフトの巧拙や人員絶対不足からくる多重業務下でのインシデントや、まさに業務フローg不効率で不合理である場合などがそれらです。
しかし、そうはいってもその仕組みの元でインシデントを起こす者とそうではない者がいるわけですから、
インシデントを起こす頻度が高い者はなんらかの課題をもっている筈です。
このような者を放置したまま対策が思うようにできていない、という状況のなかでは、あらたにこうしたスタッフをつくらないという保証はどこにもありません。
レポート提出ができない者は意識が低く、自己改革をも含めた改革を実行しようという意欲がない者であるという認識から、教育の対象とすることが必要です。そのことがなによりも本人への成長機会を提供し、本質的な行動における課題解決に役にたつという認識をもつ必要があります。
2005年09月07日
わかりやすいリスクマネジメント(7)レポートチェックⅠ
インシデントレポートは、ひやり・はっとを記載するレポートです。そしてアクシデントレポートは事故を記載するレポートです。
病院によってどこまでをインシデント、そしてどこまでをアクシデントとするのかが異なります。
間違ったことが実施され、観察の強化や検査が必要となったが治療の必要性は生じなかった事例(レベル2)までをインシデントに含めている病院もありますし、そうではなく、レベル2は、あくまでも事故であり、事故(軽度)により、患者への観察の必要が強化された場合という認識をし、インシデントはあくまでもレベル0、レベル1までであるとしている病院とがあります。
ちなみに、レベル0は、間違ったことが実施される前に気づいた事例であり、レベル1は間違ったことが実施されたが変化がなかった事例です。
厚生労働省の考え方が前者であるため、どうしてもレベル2をインシデントに含める病院が多いことになりますが、そうしていない病院も多く存在します。少なくとも院内向けには間違ったことが実施されてしまったわけですから、未遂ではなく、実施としてひやり・はっとから除く必要があると考えます。
そもそも実施してしまったのち、初期の時点(レポートを書く時点)では間違いなく何もないとしても、その後、どのような影響があったのかを経過的に、あるいは時系列にチェックしているわけでもなく、とてもいい加減であると私は思います。
レベル2は実施してしまったということで事故とし、経過について常に報告するなかで一定期間変化をみることが必要ではないのか、という疑問がわきます。勿論、医学的にただちに変容しなければ問題なし、とすることが通念であるとしても、人体への影響を網羅的に把握しているというわけにはいかないのではないかという思いがあります。
病院によってどこまでをインシデントにあげるのかといった部分で差がでてきていることには救いがあります。
2005年09月01日
全日本玉入選手権
松田一敬(まつだいっけい)
HVC戦略研究所 社長
www.hokkaido-vc.com
今日はまったく違うテーマです。
北海道の道北、旭川から1時間半くらい車で行くと、和寒町という町があります。日本の最低気温の記録 マイナス41.2度を記録したところです。モトクロスの全日本選手権も当地で開催されます。
ここで9月4日、第10回「全日本玉入選手権」が開催されます。全国から玉入れ日本一を目指して150チームが集まります。
玉入れのかごの高さは、マイナス41.2度にちなんで4.12m。かごの直径は北緯44度にちなんで44cmです。100個の玉を強いチームは20秒で全部入れてしまいます。
北海道ならではのジンギスカンとおいしい野菜も出てきます。今の時期は蕎麦の花が一面に咲き、とてもきれいです。これがおいしい蕎麦になっていく。ちなみに北海道は日本一の蕎麦の産地でもあります。
わが社も「チームmaiko」として参加してきます。
ぜひ、みなさん、来年は和寒でお会いしましょう。