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2006年01月30日

リスクマネジメントの問題点(2)

リスクマネジメントの問題点の検証をしていきます。

まずは、リスク処理フローです。
①インシデント、アクシデントレポートのフォームが整備されていない
②事故が起こってから処理されるまでのルートが確立されていない
といった内容です。

フォームが整備されていないことは、例えばマニュアルがあったのかないのか、記述が正しいのか正しくないのか、どのようなマニュアルにすればよいのかといったことを意味しています。
患者さんの氏名をはずすといったことを常態化する病院であっても記入欄は必要です。少なくともIDと氏名欄があり、氏名欄に記入がないといったかちでの対応が必要です。

さらに「1.レポートの処理ルートにおいて複数の目を通していない」といったことがあげられます。
現場担当者⇒責任者⇒RM⇒GRM⇒リスクマネジメント部会⇒医療安全対策委員会
といったながれが普通です。事故のレベルに応じて誰がどの事故を閲覧することになるのかのルーうにルも必要です。レベル3以上はGRM、院長、委員長で、それ未満は全員といったことが行われるようになると問題意識も高まると考えます。

次に対策の指示です。
「2.対策がショートカットになり、本質的な対策になっていない」といった項目についても、
①対策の本質を見抜く
②ヒューマンエラーにしない(ヒューマンエラーであれば、どうすればミスを抑止できるのか) を理解する必要がります。


例えば歩行器で転倒とあれば、事前に説明する、意識の醸成を図るといった問題について議論するだけでは足りず、結局根本的な問題について検討する必要があります。
ⅰ)どのようなところで問題が発生しているか
ⅱ)原因を徹底的に分析したか
ⅲ)実験をして検証しているか

多くの場合、この部分の議論がないため、対策がとてもショートカットになり、できていない⇒できるようにするためにはどのような方法があるのか、といったことを議論していく必要があります。

(続く)

投稿者 石井友二 : 07:40 | トラックバック

2006年01月28日

リスクマネジメントの問題点(1)

リスクマネジメントの問題点でいつも気がつくことは次のものです。

 1.レポートの処理ルートにおいて複数の目を通していない
 2.対策がショートカットになり、本質的な対策になっていない
 3.対策が現場に周知されていない
 4.周知される方法が確立されていない
 5.周知されているかどうかについて評価する方法がない
 6.評価されたのちどのように対策を徹底するのかについての権限がどこにあるのかがわからない
 7.対策が標準化されていないため、同じ事故が何回も起こる
 8.教育が徹底されていないため、同じ事故が何回も起こる
 9.事故レベルについて時系列で評価されていない。当初のレベルしかレポートには書かれていない
10.経緯や経過が最後まで情報としてあがってこない

書き出すときりがないので、止めますが、これでよいのでしょうか?本当に…。

「よい病院よくない病院の見分け方記載記事」

投稿者 石井友二 : 14:37 | トラックバック

2006年01月23日

リスクマネジメントチェックリスト(3)

52注意義務違反の対策がとられていますか
53クリティカルパスの作成率はどの程度ですか
54アウトカムは定量化していますか
55バリアンスコードは設定していますか
56バリアンスノートはつけていますか
57バリアンスを改善するための活動は行っていますか
58マニュアルとパスはリンクしていますか
59パスのアセスメント資料として疾患別関連図を作成していますか
60標準化された看護診断ツールがありますか
61看護計画が立案し易い仕組みがありますか
62看護記録はSOAPで作成されていますか
63看護過程は毎月評価され課題が発見されていますか
64課題については個人別に教育されていますか

ケースマネジメントのツールとしてのマニュアルやプロトコール、パス、アルゴリズム、ガイドライン等々が高機能に利用されるよう病院は日々努力をする必要がありますが、リスクマネジメントも実はある部分業務改革を誘導するものであり、ケースマネジメントのツールとなりえます。
この部分について意識をもって対応する病院とそうではない病院では、医療の質に大きく差がついてしまうことも事実です。

現場でミーティングをしているととても虚しさを感じる、ためにするリスクマネジメントに出会うことがあります。突っ込みが足りない、成果をあげづらい、おざなりのリスクマネジメントは時間を有効に使えていない、ということを医療従事者は理解する必要があります。
大きな業務改革の方向性をもって、個々のツールの利用についての考え方を整理していくことが適当です。

「よい病院よくない病院の見分け方掲載記事」

投稿者 石井友二 : 16:10 | トラックバック

2006年01月21日

リスクマネジメントチェックリスト(2)

続きを説明します。

31巡視活動は静態的なチェックですか
32巡視活動は動態的なチェックですか
33フォームや記載方法を統一したマニュアルはありますか
34業務と業務のつなぎめでの事故発生を考慮したマニュアルになっていますか
35対策はマニュアルに直ちに反映されますか
36マニュアルはウェブ上で閲覧できるようになっていますか
37ある事故に対する対策を行ったのち、その事故が逓減していることを確認していますか
38マニュアルには権限行使の状態が記載されていますか
39権限規程がありますか
40職務分掌規程がありますか
41マニュアルは改善提案制度によって少なくとも3ヶ月に一回は改訂されていますか
42マニュアルを利用した職場内教育が行われていますか
43全職種について職務基準がありますか
44職務基準から個人の技術技能の課題が明らかにていますか
45個人の課題は個人別カルテに記載されていますか
46個人の技術技能は評価に反映されていますか
47職場内教育にて設定された課題が集合教育の対象となっていますか
48集合教育は職場内教育の結果として必要と思われる個人が参加していますか
49自己啓発は職場内教育や集合教育の成果を受けてテーマが決定されていますか
50説明義務違反についての対策がとられていますか
51看護観察義務違反の対策がとられていますか

(続く)

「よい病院よくない病院の見分け方掲載記事」

投稿者 石井友二 : 13:07 | トラックバック

2006年01月20日

リスクマネジメントチェックリスト(1)

リスクマネジメントについて、チェックをしてみてください。

以下、病院で弊社が利用しているチェックシートの一部を提示します。これらは拡大チェックを行うことを志向しており、リスクマネジメントがリスクマネジメントだけで成り立っていないことを説明しています。

 1インシデントレポートは年間何枚あがってきますか
 2どのような内容のインシデントが多いですか
 3アクシデントレポートは年間何枚あがってきますか
 4どのような内容のアクシデントが多いですか
 5クレームやドクハラについても収集していますか
 6どのような内容のクレームやドクハラが多いですか
 7医局の事故は収集されていますか
 8事故はデータベース化されていますか
 9過去に発生した事故種別や件数の3年間の傾向はどのように推移していますか
10傾向を分析するにあたり対策が功を奏している部分はありますか
11原因分析はSHELLによっていますか
12原因分析は根本分析法ですか
13その他の方法であればそれはなんですか
14事故が最も多い時間帯は何時ですか
15時間帯への対策は立案していますか
16事故を起こす職員は入職何年目が多いですか
17そうした職員への対応はどのように行っていますか
18ヒューマンエラーの割合は平均して何割ですか
19ヒューマンエラーへの対策を立案していますか
20定期的に職員のメンタルチェックを行っていますか
21職場の環境整備によるヒューマンエラーの防止をしていますか
22全件事故対策立案が迅速に行われていますか
23この事故に対してはこの対策というように事故別に対策が標準化されていますか
24アナムネから個人の属性をチェックし、発生する事故を予測していますか
25患者さん教育を行うことで患者さんも参加した事故回避を行っていますか
26礼節、挨拶、笑顔といった通常の接遇のトレーニングは行っていますか
27医療の質を高めることで事故防止をするために、本来の接遇を導入していますか
28巡視活動をして事故を防止していますか
29巡視活動は毎月行っていますか
30巡視活動の結果は、公表し改善するための病院全体の対応をしていますか

(続く)

「よい病院よくない病院の見分け方掲載記事」

投稿者 石井友二 : 12:04 | トラックバック

2006年01月15日

クリティカルパスチェックリスト(2)

続きです。

26一次パスから二次パスに移行したパスは何件ありますか
27結果としてそれぞれの二次パスでは、当初より何日間在院日数を短縮しましたか
28科別のパスを利用した活動状況を把握していますか
29パスの個々の項目についてアセスメントツールとしてのマニュアルは整備されていますか
30パスのアセスメントツールとしての関連図は作成していますか
31疾患別の平均在院日数を記録していますか
32どのような分布になり、どこを標準的なゴールにするのかといったルールはありますか
33クリティカルインディケータ(臨床指標)を利用していますか
34アウトカムマネジメントといったアプローチをしていますか
35患者用パスは整備されていますか
36予定入院における外来検査実施率
37医療事故による平均在院日数への影響を調査していますか
38どの程度、平均在院日数短縮を阻害しますか
39パス個別の勉強会を現場で実施していますか
40パスと看護プロセスはマッチングができていますか
41パスとディスチャージ(退院支援計画)とはマッチングができていますか
42パスの各行為についてタイムスタディーを行っていますか
43パスが行為別原価計算のために利用されていますか
44生活習慣病の管理について診療所との連携をしていますか
45地域連携パスを作成する方向で対応していますか
46地域連携パスを作成していますか
47患者さんの一日のタイムスケジュールを作成していますか
48それは誰ですか

あまり役に立たなかったかもしれませんが、以外と基本的なことができていないのが現状です。平均在院日数の短縮は形式的要件と実質的要件に区別されますが、実質的に平均在院日数を短縮するためには、医療の質を高めなければなりません。パスはそのための最ももメディカルよりのケースマネジメントのツールであると考えます。

「よい病院よくない病院の見分け方掲載記事」

投稿者 石井友二 : 04:44 | トラックバック

2006年01月12日

クリティカルパスチェックリスト(1)

お正月のおまけに、クリティカルパスチェックリストを提示します。
パスは深いですね。パス大会等で講演会を開く機会が多くありますが、最近は皆さんがよく学習され、パスを進化させているので、どうしても奥に奥にはいらざるを得ません。

 1クリティカルパスは一定の基準にしたがって作成されていますか
 2作成が必要なクリティカルパスはリスト化されていますか
 3クリティカルパスは科別に何件ありますか
 4検査パスと入院パスといった区分けをしていますか
 5パスのフォームはすべて統一されていますか
 6パスは医師看護師以外にも必要な部署がすべて関与して作成されていますか
 7パスの記載方法は統一されていますか
 8パス作成のためのマニュアルは整備されていますか
 9パス運用のためのマニュアルは整備されていますか
10現状できていないパスをいつまでにつくるかの計画はありますか
11パス適用除外患者数は科別に何人いますか
12パス適用除外の原因を明確にしていますか
13パスの適用率を高めるための活動を行っていますか
14パスの適用率は診療科別に毎月管理されていますか
15パスの適用率を高めるための活動を行っていますか
16パス適用患者のデータをとっていますか
17バリアンスコードは設定していますか
18バリアンスを集計していますか
19変動を集計していますか
20変動の原因を特定していますか
21システム要因のパリアンスは何件ですか
22医療従事者要因のバリアンスは何件ですか
23患者要因のバリアンスは何件ですか
24社会的要因によるバリアンスは何件ですか
25バリアンスを業務改革につなげていますか


「よい病院よくない病院の見分け方掲載記事」

(続く)

投稿者 石井友二 : 02:25 | トラックバック

2006年01月08日

事務部門の合理化(4)

ここにすなわち、事務部門の合理化を人員削減によるコスト絶対額の削減とするにしても、それには準備があります。
①仕事のたな卸しを行う
②優先順位をつける
③個人の能力を測定する
④段取りをつける
⑤失敗なく実行する
といったながれが必要です。

そこでは仕事の仕組みを常に見直し、個人の技術技能を高め続けるといったことが必要となります。
単位当りコストの削減が実施され、人を削減することで同じ質と量の業務を実行することができ、はじめてコスト絶対額の削減が行われるというロジックを絶対に忘れてはなりません。

勿論、人をそのままにしておいて多くの業務を実行してもらう。これはあえて人を採用せず新しいことを行うという意味ではコスト絶対額の削減ではありますが、従前からのコスト絶対額を削減しているわけではないことから、どちらかというと前者を対象としていわゆる合理化という呼び方をするのであると考えます。

仕事の質を確保することなく、合理化を行うことはできないという結論です。

逆にただ合理化すれば仕事の質は落ち、問題が惹起され、それは他へ影響することによりさらに仕事の質を落とす。したがってスパイラス式に勢いがついたマイナスの連鎖に陥ることが目に見えています。
合理化という言葉を発する前に、どうしたら医療の質を高めることができるのかといったプラスの積極的な対応が望まれる所以です。

投稿者 石井友二 : 01:16 | トラックバック

2006年01月02日

事務部門の合理化(3)

営繕では実は人が不足しているというデータがあったとしても、実際には、仕事の見直しをした場合に、結局のところ事前の対応をシステム化しておけば、計画的なリペアーができ、そしてコストも低くなること、さらに活動時間も少なくできます。

結局は増員しなくても良いことになり、現場は生産性を維持、あるいは落とすことなく、事業全体としては、結果として合理化を進めることができます。

このように、調査を行なうことによって、
①本当の意味の当該部署の業務はどのようなものか
②それを実施するためには、どのような仕事をすればよいのか
③具体的な手法は
④スタッフはそれらを習得しているか
⑤仕組み的に変えていくことはないか
という認識をもつことが必要ですし、

⑥優先順位はどうか
⑦100点ではなく、80点をとることを基本にした場合、どのような仕事を後送りにできるのかといったことを吟味する必要があります。
そのことによって部署の業務や仕事さらには人員を自由に増減することができます。
勿論一定のレベルを遵守するためには、どのような人材を何名といった決め方をして、彼らを集めるか、院内で統一するといったこが必要でしょう(続く)。

投稿者 石井友二 : 01:32 | トラックバック

2006年01月01日

新年あけましておめでとうございます

皆さん、新年明けましておめでとうございます。
2006年の幕開けです。

平成15年12月25日クリスマスの日に創業し、平成16年4月に設立したホワイトボックス株式会社は、スキルインフォメーションズ株式会社とマニュアル、医療事故、教育ソフトを開発し、多くの病院のお役に立たせていただきました。

また、平成17年4月に日立キャピタル株式会社とドクタートレジャーボックスや当ブログをオープンするなかで、本格的な医療コンサルティングの道をスタートさせました。

我々はお手本なしに、現場で多くの医療従事者や介護関係の方と議論し、検討するなかでさまざまな問題を解決させていただきました。これからも、誰も気がつかなかった視点や誰もわからなかった解決方法を探索し、よりよい成果が得られるよう新しいコンセプトをつくりあげていきます。

あと4ヶ月弱で当社は設立2年となりますが、これまでに病院に関与した9年間で経験したあらゆることを総括し、どのようにしたらより医療従事者のさんの役に立てるのかについて十分に検討し、よりよいサービスを提供できるよう頑張ります。

本年もどうぞ宜しくお願いいたします。

投稿者 石井友二 : 00:33 | トラックバック