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2006年04月28日

教育体系整備の必要性

私たちは病院が知的労働集約産業であると考えていますが、実際に医師やスタッフの考え方で病院は大きく変わってしまいます。戦略を明確にして、医師やスタッフの力を最大限引き出すマネジメントさえあれば、よほどのマーケットではない限り急性期病院は経営を成り立たせることができるとの考えです。

 しかし、ここでいうマネジメントさえあれば、という部分がなかなかつくれないのが現状です。

 考え方を提示し、ひとつにまとめ、そのなかでそれぞれの成果を確保していくためには、人を動かす情熱や強いリーダーシップが絶対に必要ですし、また、そのための道具が必要です。道具が整備され、それをうまく利用して成果をあげるまでに一定の時間も必要です。
 
それよりもなによりも道具をつくってそれを利用に値するものとし、現場に納得してもらうものとすることがとても難しいということです。

 医療従事者は一定のモラールや、プロとしての学習の経験をもってはいるものの、新しいことについては、逆に素直に受け入れられない傾向があると思います。
 
 彼らと粘り強く議論することも必要で、そうした考えを合わせていく作業にまた時間を必要とする、と考えています。ですから、医療制度改革によっておおきく業績を落とす病院も含め、これから戦略的に成果をあげていかなければならない病院は、いくつかあげた課題をクリヤーするかたちでマネジメントを行なう必要があります。
 
 マネジメントのなかでもっとも重要なキーワードは教育です。教育の体系を整備しなければ、日々のスタッフの知識や経験をスピーディーに仕事に反映させることはできません。
 ①マニュアルの作成
 ②マニュアル管理システムの確立
 ③職務基準の確立
 ④職務基準による個人評価の整備
 ⑤職場内教育の確立
 ⑥院内研修の体系化
 ⑦院外研修の利用
について体系化する必要があります。卒後研修のためのプリセプター制度もOKですし、それに続く看護部のラダーも重要ですが、より体系化された病院全体としての教育システムを構築するなかで、それらをうまく利用していくといった考え方をとることが適当です。

「よい病院よくない病院の見分け方同時掲載記事」

投稿者 石井友二 : 12:18 | トラックバック

2006年04月26日

目標管理制度について(5)

目標管理における指標の意味を考える必要があります。

定性目標では、~を行なう、といった目標が設定されることになりますが、どこまでやるのかが把握できず、やりました…、ということで目標が達成されたことになります。そうではなく、%、金額、個数、件数、人員、時間、台数、枚数等の指標を設定することにより、誰もが客観的に理解できる目標ができあがります(BSCのKPIに該当します)。

 目標は、達成したときに達成感や満足感を感じることができなければなりませんが、自分が納得するためにも、指標があり、その変化や推移が時系列で認識できることが必要となります。今日は、群馬の病院で5月に行なわれる幹部への病院目標発表会についての説明を行いました。

他の病院でも数値を提示することは常に行なっています。数値を出すことで、各部門において、それではこれからどうしようということが判るのではないかと考えています。

 病院側(本部)は、必要な数字を出す、部門はその数値をどのように検討し、実行していくのかといった部門なりの数字を返す。両者で議論、そして最終決定する、開示する、目標とする、といったながれのなかで、部門目標がコンセンサスを得たかたちで部門に展開されることが適当です。

 数字をまず出すことで、はじめて次のステップにいけることをGMはじめとした幹部全員に十分に理解してもらったつもりです。

 5月2日の説明会がとても楽しみです。この日を契機に病院のながれが変わればよいと考えています。


「よい病院、よくない病院の見分け方同時掲載記事」

投稿者 石井友二 : 00:18 | トラックバック

2006年04月25日

本当の地域連携(2)

地域連携について究極の方法はなんでしょう。

 昨日お会いした私どものクライアント(私の監査法人で監査をしている会社です)で、建築関係の会社の社長は、『売上倍増計画ができました』と嬉しそうにお話されていました。その会社が社長が30代のときに設立して10年ほど経過していますが、この7年程度私のクライアントになっています。
 その会社は熱海に研修所があり、そこで営業マンのトレーニングをしています。全然売れない営業マンがあっという間に売れる研修を社内でしていました。それはその社長がいろいろなセミナーで体験し、自らが頑張り、あらゆる仕事を通じて今の仕事を成功した体験や方法を他の幹部とともに体系化し、研修所で教えているものです。もとからいつも明るく、心に曇りなく、そして創造的な仕事をしてきていますが、その社長でさえ、環境変化や競合、あるいは社内の幹部の離脱といったことが続き、増収ではあるものの減益というありさまになっていたなかで、社長が始めたことでした。しかしさらにそのうえで、社長が新たな人を数人紹介され、彼らにさらに啓発されたということが今回のお話だったのです。社長は、『これはある保険会社の○○さんが導入して全国一のチームをつくり、そして○○さんはさらに転勤した場所でも全国一位になった方法なんですよ』と続けました。
何人も何社も、一人の問題ではなく、チームや組織全体が変わるんですとも話をしていました。

 それはどんな方法ですかと身を乗り出して聞くと社長は、『人のために仕事をするんです』と説明されました。え…あ、当たり前ジャンと一瞬思いました。私たちも私が某銀行のコンサルティング部に所属していたとき、上司から、客のためにだけ働け、取引のことは考えるな、といわれて育ったからです。

 彼曰く『技術を磨いて取引先のために尽くすことが人生である、そうすれば成果はおのずとついてくる、金のことは心配するな』

 これは私たちコンサルタントを大いに感動させ、たくさんの人が仕事を究極までしはじめました。
いいか悪いか、家に帰らず銀行の取引先のためにコンサルティングをはじめたのです。
 多くの取引先に喜んでもらい、たくさんの成果をあげました。今多くのスタッフが銀行を巣立ち、大会社やベンチャーのトップや幹部になっていますが(いまでもコンサルティング部は50名近いスタッフを抱え大きな仕事をたくさんしています)、そんな一言が私たちを仕事に奮い立たせていたのです。

 でもその社長の話を聞いて思い返しました。本当に徹底してそれをしていただろうかと。話をしている社長はニコニコしながら、過去にも随分人のために仕事をしよう、喜んでもらおうという話をしてきた社長が、さらに『人のために仕事をできるようになれば、絶対に売上は倍になるんですよ』と自信をもっていっている姿に、本当にそうしていたのかと少し不安に思ってしまいました。

 医療は、そうした気持がなければ絶対にできない仕事であると思います。しかし、どこかに制度改正や
マネジメント、そして成果ということを重視しすぎるあまり、原点をはずしていることがないだろうか、と考えてしまったわけです。地域連携は、本来は、病院がブランドな病院となり、そこではじめて地域住民から必要な病院として認められ、患者さんが自然に集るようになる、ということの結果成り立つものだと思います。
 いま、日々の仕事を懸命に患者さんのためだけに行なうことが必要です。そのなかで、どうしても選択さぜるを得ないコストの問題や行動の課題がでてくると思います。それらについて創造的にもっともよい方法を選択する、その繰り返しのなかで経営も結果として成り立つ、そんな病院が地域連携も成功すると考えます。あるべき方向を提示する、職員全員が理解し、計画し行動する。結果として患者さんであふれるブランドな病院となり、そして当初立てた計画が達成され、病院経営が成り立つ。すぐれた職員とすぐれた医療が行われる帰結です。地域連携活動はそうしたバックグラウンドがあり、追加的に病院をもっと知ってもらう、もっと理解してもらうための活動である必要があると、ふと社長の話を聞いて思いなおした昨日でした。


「よい病院、よくない病院の見分け方同時掲載記事」

投稿者 石井友二 : 08:12 | トラックバック

2006年04月23日

病院原価計算の必要性(2)

 広い意味の原価計算を考えるとき、予算実績管理の柱の構築が必要であることは説明しました。そこでは行動が重要です。どのように行動するのか、行動した結果どうであったのかについて常に検証していく必要があります。

 先行指標を設定し、予算実績の差額があった場合(本当はなくても)、先行指標と実績を比較し、どれだけ差があるのかについてチェックすることで、先行指標の上位にある予算と実績に乖離があったときの原因がわかります。

 たとえば外来収益が予算より1000万円少なかったのは(不利差異)、実は新患が先行指標であれば平均して毎日100人であったのに実績が80人であったこと、外来単価が9500円であるから20人×24日×9500円=456万円、次に単価が本来であれば9800円であったものが9500円だったので、患者数毎日800人×24日×300円=576万円が大きく影響している。但し、逆に入院において、入院患者が毎日平均4人多かったために…有利差異が発生し、プラスの部分があり…、といった分析がまず行われます。

 新患が少なかったのは紹介率が3%下がったためであり…、また単価については撮影の件数が20%少なかったが、逆に検査のオーダーが10%多くさらには、指導料が5%多かったが撮影の点数を凌駕するほどには貢献しなかった、ということです。
 
 それで入院ですが…のように分析をどんどんツリーを下に下りるかたちで行い、納得できる行動につなげることができる状況までもっていく必要があります。分析から行動につなげるために、それでは新患を採るためには、院内でブランドをつくりあげるとともに、プロモーションにより病院外部にどんどんアピールしていくとともに、地域連携によって増患を図る必要があります

 なお、ブランドな病院をつくりあげるために職員が日々質をあげるための業務改革にどうつながる活動をすることができるのかがポイントとなります。
 病院原価計算は、原価計算のための原価計算ではなく、これを管理会計の一部、すなわち原価把握、あるいは状況の把握を行なうものとしてみることが必要です。指標が常に管理され、不足する事項を実施するための行動のベースとなることができよう論理付けておく必要があります(続く)。

「よい病院、よくない病院の育て方同時記載記事」 

投稿者 石井友二 : 23:13 | トラックバック

2006年04月22日

ブランドな病院(2)

 ブランドは、信用、信頼、安心から生まれる患者さんの思いです。何かあればこの病院に行こう。この病院のファンである、といった何かをつくりあげる必要があります。そのためには、医療の質を向上させることがまず必要です。

 医療の質を向上させることによって、必然的に効率があがります。同じ時間でたくさんのことができたり、少ない時間で同じことができたりします。これはとりもなおさず、個人の技術技能が向上することと、その前提として仕事がしやすい環境ができあがる、すなわち業務フローが効果的なものとなることが必要です。
 
 こうして考えると、ブランド向上のためには医療の質の向上、医療の質の向上のためには仕事の仕組みの見直し=業務改革(なお、業務改革はもっとうまく、もっとはやく、もっとよい医療ができるよう日々の仕事を改善すること)を継続して行なうとともに、個人の技術技能を向上させるための教育が必要であることがわかります。医療の質を向上させるためのマネジメントが正しく行なわれなければなりません。

 マネジメントは、人を活かすことが基本です。医療従事者の力を最大限引き出すためには、
①方向を提示
②具体的な改革の方法を提供
③タイムリーにその結果を測定しフィードバック
④公平な評価を行うシステムを導入
といった、しごく当然のことを行うことです。

 ヴィジョナリーなかつ戦略を示すこと、それを具体的に予算化すること、各部門毎の行動に展開すること、できれば個人に落とし込むこと、具体的な支援の仕組みをつくりあげる、さらに道具を提供すること、といったことが重要です。次のステップでは評価制度にリンクさせ、処遇へ反映するといったことも必要です。

 支援は、マニュアル、リスクマネジメント、クリティカルパス、地域連携システム、教育システムといった道具を導入することになります。これらはすべて業務改革のツールです。 
 
 医療従事者として今の時代を勝ち残っていくためには、プロフェッショナルとしての自らの力をつけることしかありません。自らを律することができるスタッフだけが、ブランドな病院をつくりあげるための行動をとることができます。

「よい病院、よくない病院の見分け方同時掲載記事」

投稿者 石井友二 : 21:57 | トラックバック

2006年04月20日

ブランドな病院(1)

私の好きな病院が新宿近くの病院です。そこそこの規模(418床)で外来もそれほど多くはありません。しかし、設備は整っていますし、何よりも職員の方は妙にかしこばらず(感じがいいです)、普通に仕事をされています。超接遇の色もなく、どちらかというとお会いする医師それぞれが本当によい感じです。

 なかなか伝わらないでしょうが、朴訥としてよいのです。先日は横になると胃酸が逆流してきて、練れないことが多く、そのときは胃薬を飲んでいましたが頻回にそれが発生するため、ついに病院に訪問ということになりました。初診9時30分、診察10時、胃カメラ2日後決定、採血あっという間、10時30分会計、お薬隣の調剤5分、っておーい、あまりにもはやいじゃん、っていう感じです。
 
ただ、診察していただいた先生は、『え~と、逆流性食道炎っていわれたんだね…、それでは…(お薬の本を手にとる)。前は何の薬飲みました?とりあえず、胃酸を押さえよう。○○を飲んでください…』、と自信なさそう。医師のプレートを拝見すると「呼吸器○○部長」と書いてあるプレートが申し訳なさそうに腰のところについていました。『この薬は24時間効くからね。で、胃カメラやろうね。うちは検査はやいからね。お大事に…です』
 結局、問診なし、触診なし、私が書いた問診表だけで終わりました。

 胃カメラの予約をとってくれる看護師さんが、胃カメラは消化器の部長ですから、と念を押しているのもきっと私が何か変な顔をしたからかなとかんぐってしまいました。

 何れにしても医師は真剣に考えてくれたと思います。まず開業すると内科全般をみなければならないので呼吸器であろうと循環器であろうと逆流性食道炎はみなければならないのです。辞典をチェックしながら。でもって極めつけは調剤でもらった薬の効能にピロリ菌除去と改訂あったことです。強そうな薬でした。以前逆流性食道炎でもらった薬は食道にとどまるように液体でどろどろしていましたがという説明をしたのですが、完璧錠剤、胃酸押さえるためのお薬=ピロリ君除去でした。
 やっぱり消化器専門の先生がよかったかな~と思いました。

 胃カメラの結果、食道に一部糜爛がありますが、胃のなかはなにもないです。と又親切に写真をチェックしながら、この部分が少しやられているでしょ?と説明してもらいました。都心の隠れた大きな病院であるこの病院が、やっぱり私は好きです。これからも何かあればまっさきにこの大きくてお医者さんがすてきで、隠れた私のブランドな病院にいきたいと思います。

「よい病院、よくない病院の見分け方同時掲載記事」

投稿者 石井友二 : 04:32 | トラックバック

2006年04月13日

リスクマネジメントについて(1)

リスクマネジメントの究極の問題は、対策立案が思うようにできないということではないでしょうか。
レポートをみていると、どうしてもショートカットな、つまり~ができていないという事故原因について
~をするようにする、という対策になりがちであることが判ります。集中力が欠けた。集中力をもつようにする。といった対策がいつもでてきているのにもかかわらず、それをそうではないということができずに終わっている病院が多いということが問題であると思います。

 ある病院で病棟から○○検査にT・Wさんがいくから宜しくと電話あり。しばらくしてWですと患者がくる。Wさんですね。そうです。それでは検査をしましょう。と不必要な検査をしてしまう。しばらくしてW・Tですがと患者さん登場。あれ~みたいな事故がありました。ありえないようで、フルネームのチェック。検査表の確認。検査時点での名前の確認。などたくさんのチェックポイントがあるにもかかわらず、対策欄には、これからはフルネームで確認する、ちゃんちゃん。なぜ、プロセスをすべて分析し、付随する事項についてそのときにできていなかったことを検証しないのか。そしてそれを手順化して、マニュアルとしてファイル。定期的に業務監査。実際に手順を実施しているのかどうかのチェック。ISOでをとっている病院であれば絶対的に実施しています。

 患者さんは、こうしたことができていない病院であればすぐにいくのを止めたほうがよいと思います。
間違いなくよくない病院になる可能性が高い病院だからです。リスクマネージャーやジェネラルリスクマネージャー、そして医療安全対策委員会はどうなっているのかということです。はっきりいって機能していないことが多いです。こうした事例をみるにつけ、いつもなぜなんだろう、と考えます。
 ①問題解決をしようという意識がない
 ②問題解決をすることが医療の質を向上させることであるという思いがない
 ③問題解決をすることが職務であると考えていない
 ④問題解決をすることで自分たちが楽になることを知らない
 ⑤患者さんが不利益を蒙らないようにしようという思いがない……等々いろいろな思いが去来します。
もう少し真剣に考えませんか。今目の前の仕事をすることだけではなく、機を捉えた業務改革に取り組むことを(続く)。

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投稿者 石井友二 : 00:57 | トラックバック

2006年04月11日

事業計画立案について(2)

 必要設備のたな卸しを行い、どの設備の買い替えが必要であるのかについてリスト化します。また、新規に何が必要であるのか、その購入によってどのような利益が確保されるのかの経済計算を行います。 
 ROIの計算は、予測と実績の推移を継続してチェックする必要がありますし、また予測にいかなかった場合には、どのように件数を増加させるのかについて考える必要があります。設備の共同利用が打ち出されていますが、地域病院や診療所との間で共同利用に対するミーティングを行なうことも必要です。
 
 コスト削減は、絶対額の削減と単位当りコストの削減があります。前者については、アウトソーシングの見直し、購入価額の見直し、オペレーションコストの見直し、購入先の選定や絞込み、業者の発掘といった部分で常に購買担当者が一定の成果をあげるための調査を行い交渉を行なっていくことが必要です。

 しかし、業者に厳しく利益を出しても、業者からの評判を悪くすることでさまざまな制約が出てくる可能性があります。どこまでもコストを節減するということでの発想は危険であり、したがって、どこまで業者と協力し合えるのかといったラインを捜すことが具体的な仕事になるという判断をしなければなりません。そのためには、業者と一緒に工夫や創造的な取引の構築をしていく必要があります(続く)。

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投稿者 石井友二 : 00:19 | トラックバック

2006年04月10日

事業計画立案について(1)

 厳しいですね。今回の改正で、療養型は患者さんの半分程度について点数が下がった病院もありますし、また看護師さんの基準が変わったことによる、また一般での72時間の夜勤の限度があることによる看護師さん不足が大変なことになっていると聞きます。今こそ、コアコンピタンスと呼ばれる自院の強みをつくり、それらを活かす戦略を構築することが必要です。

 事業計画立案を正しく行なうことが求められています。

 事業計画立案のためには、必要キャッシュフローの計算からはじめることが必要です。来期の投資計画や借入金返済の原資を確保するために、いくらのキャッシュフローが必要であるのか、そのためには、いくらの利益が必要であるのか、そのためにはいくらの医業収益が必要であるのか、それらは部門毎に分担するとどのようになるのか(部門別損益計算を一定期間実施し、月次での傾向をもっている必要があります)、そのためには、患者数一定とするといくらの日当点のアップが必要であるのか、あるいは患者数を伸ばすのであれば、日当点が同一であればいくら患者数が必要であるのかについて検討します(ふ~。息も継がず説明しました)。

 本当の意味で事業計画を立てていかなければ、成り行き管理のなかで期待通りの病院収益をあげていくことはとても困難です。明確な方針と戦略をベースとしたPDCAサイクルをまわしていくための活動に軸足を移す必要があります。

 簡単なこの方法(実際にやってみると大変ですが)について、意外と実行していない病院が多いようです。とりわけ専門の経営企画等の部隊をもっていない病院であっても、この程度であれば、取り組めることであると考えます。個々の構成要素についてひとつひとつチェックシートを作成し、それらをつぶすことによって、対応します。

 なお、中期経営計画を立案している病院では、上記に中期経営計画の当年度分としての事業計画がブレイクされることになりますが、今回の改正にあるように中期経営計画に沿うということはとても難しいことになりつつあり、結局は中期での目標は大きな枠組みのなかでの目標となることが多いようです。

何れにしても、目標数値を考慮することはとても重要であり、当初予定していたあるいは想定していた方法ではないものを年度毎に決定していかなければならないでしょう(続く)。

「よい病院、よくない病院の見分け方同時掲載記事」

投稿者 石井友二 : 16:43 | トラックバック

2006年04月01日

DPCをどう考えるのか(2)

医事だけではありません。DPCについていえば、疾病別の原価を把握できなければ、しらない間にロスが生れます。治療すればするだけ、入院させればさせただけ病院経営にロスが発生することになります。
行為別原価計算及び患者別疾病別原価計算を実施できる体制を整備することが必須となります。

また、DPCによる平均在院日数を短縮するためには、医療の質そのものを向上させることが必要です。パスを利用するといった単発での対応ではなく、リスクマネジメントの徹底による平均在院日数短縮阻害要因となるアクシデント、インシデントをどのように排除していくのか、そしてVAを行いながら業務改革を実施、不必要な業務をできるだけ効率化するといった活動を組織として徹底して実施することが必要です。

マニュアル、教育といったキーワードが有効です。医療の質の向上そのものについて何をしていけばよいのかといった命題に、果敢に挑戦することが実はDPCにおける点数をアップする要諦である、ということがいえると考えます。

常に本質論から医療を考える。どうすれば同じ時間で多くの患者さんに多くの医療サービスを提供できるのかという命題を具体的な活動に転換していくことが必要です。よい病院になることがDPCをうまく適用する大きなポイントであると理解する必要があります。

「よい病院、よくない病院の見分け方記載記事」

投稿者 石井友二 : 10:35 | トラックバック