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2006年12月30日

DPC時代をどうクリヤーするのか(1)

 今年も、もう少しで終わりです。

 医療業界といえば混乱に継ぐ混乱という状況でした。それは医療制度改革が原因です。しかし、よくよく冷静に考えてみると、混乱の原因は日常にあることがよく理解できます。
 
 突然、降って沸いたように今の病院の問題が生まれたわけではありません。医療制度改革により、経営の舵取りが難しくなりつつあるなかで、これは大変だ、ということであたりを見回したらびっくりする状態になっていた、ということが真実であると考えます。

 多くの病院におけるDPCの導入が目前になり、
「出来高でいったらどうなるのか」
「PETを入れたのにこれがまるめになったらどうしよう」
「DPCを本当にうちで採用することが正しいのか」
「そうしなければどうなるのか…」などなど、あらゆる議論が起こりました。
そのなかで、
「在庫はどうするのか」
「原価計算はできないよね。部門別の配賦計算でもめるからね」
「疾病別しなければDPCで原価わかんないでしょう、利益も管理できないよ」
「リスマネジメントに問題があるんだよ、うちは」
「看護部長、また○○病棟でいじめがありました…」
「看護部の退職をどうしたら減らせるのか、頭痛いよ」
「また事故かよ。これで今月でかいのが3件もあるし」
「どうしたら固定費を削減できるのか」
「良い医者はいませんかね。また一人辞めちゃうんですよ」
「はっきり言って、やる気ありませんから、私」
「いやびっくり。救急車の断り率がすごく減りました。インセンティブで…」
「なぜ東京から来て看護師を根こそぎ持っていくんだよ」
「いまこそ賃金体系を変えなければ」
「あのさ、うちは急性期なんだよ、バリバリの。パスがこれしかできていないなんて、どうするのよ」
「マニュアルをつくってどうするんだよ。え~時代錯誤でしょ、マニュアルはEBMの基本ですよ。どころでEBMってなに…」
「看護に患者の顔がみえなくなってきたんです…、患者=疾病という見方になってきた気がして…、少し心配です。っていうかアナムネ用紙から患者属性欄が削除されているのはどういうこと…だから患者のことわからなくなってきているんですね…」
「診断ツールがないんじゃね、もういちどヘンダーソンにもどりましょうか…」
「接遇ができないからクレームがこんなに多いんだよ」
「でも、増患しないと、紹介だよ」
「逆紹介だよ逆紹介したら患者が減るじゃん」
「紹介といっても医師が断るからどうしょうもうない。紹介してくれた先生に顔がたたないですよ~」
「在宅療養支援診療所なんか手当てしたとたんに、点数さげられるぜ…」
「地域連携といっても24時間なんか無理無理」
「ディスチャージちゃんとしてよ、包括患者こんなになちゃうじゃん」
「入院時にちゃんと患者家族看護支援してくださいね、で、アナムネデータも下に下ろしてください」
と、毎日私たちがおじゃまする病院で交わされる話は、さまざまで、きりがありません。

 やるべきことをやる、という姿勢が大切ですし、それは今急に必要となったことではないのです。いままでは右肩上がりの診療報酬体系のなかで隠れていただけにすぎません。

 毅然とした態度で医療に立ち向かう医師をリーダーとして、的確な戦略立案、事業計画の策定、目標管理、現場が働き易い医療ツールの作成及び運用、正しい評価制度、実績をウォッチするための管理会計、部門別原価計算、疾病別原価計算、といったものをどのように導入し、適切に運用するのか、そのうえで医師や看護師、そしてコメディカルや事務部が働き易い環境をつくりあげることが必要です。
 
 そして、誰からも尊敬されるリーダーによるリーダーシップが求められています。

 来年はさらに大きな変革の時代が来ると思います。気持を引き締め、さらに成果をあげられるよう行動できればと決意しています。

「よい病院、よくない病院同時掲載記事」

投稿者 石井友二 : 10:57 | トラックバック

2006年12月24日

今日はクリスマスイブ

最近、出張しているとイルミネーションつきのツリーがたくさん、そしてどこにでもあります。
 
 青色発光ダイオードのおかげで、とてもバリエーションがでてきているのがよく分かります。
  きれいなツリーに会うと思わず写メしてしまうのは私だけではないようです。そのいくつかについてはのちほどここでもおみせしますが、皆さんもよく見かけるものでも、改めて写真でということになるとまた感動できるものです。
 
 夜に光があると景色がいっぺんします。
 光に鮮やかさや変化があるとなおさらです。
 昼間みていた建物や景色がこんなにも変わるものかと皆さんも思うことがあるでしょう。これはなんであるのか不思議です。みる時間や光、そして時間帯や角度、まったく同じ建物や環境であってもいくつかの条件、あるいは与件が異なることにより、これだけ見え方が違うのかという思いがあるのです。

 いま可視化であるとか、見える化であるとかがおおはやりです。
 物理的に見えるということだけではなく、形がみえない情報や考え方などを定量化することで見えるようにしていこうよ、と言う考え方でもあります。
 見えないものを見えるようにする、そして見えているものを違う角度からみる、こうであると考えていること、思っていることを違う見方によってみることで、新しいものを発見する。
 
 見える、ということは深いんだな、とよく考えます。きれいなイルミネーションに出会うたび、素直に心を動かされるとともに、もっともっと透徹した気持でものごとをみていかなければならないと気付いたりするのです。クリスマスがあることに感謝。


「よい病院よくない病院の見分け方同時掲載記事」

投稿者 石井友二 : 06:26 | トラックバック

2006年12月14日

開業支援ということ

昨日、夜弊社のHPをリニューアルするため、業者の方と会社で夜までミーティングしていました。

 サーフィンをしながらたまたま、開業支援をする会社のHPをみて、なるほど介護事業までをも含み、こうした提案を行いながら仕事をつくっていくんだな、ということや、その会社がセミナーを中心に集客し、そこでドクターに開業の方法を教えること、そして不動産の斡旋からはじまり設備の投入、そして事業展開を支援するという事業を行っていることがよく理解できました。

 私たちはそうした仕事の全体像を知っているし、経営がなんであるのかについて、またリスクがどのようなものであるのかについて理解しています。さまざまな一般の組織において、さまざまなプランやテーマでのコンサルティングや私の加盟している監査法人で公開準備をしていることなどから、企業や組織、財務や経営のあり方を指導させていただく立場にあるからです。

 しかし、医療という側面や介護という視座からものごとをみると、医療や介護がどうあるべきなのかという視点をもたない、枠組みだけでの指導では問題がのこるという気がします。

実際に地域医療のなかで医師や看護師、そしてケアマネやヘルパーがどのような問題にぶちあたり、患者や利用者のために活動しているのか、という視点があってはじめて地域で何をしなければならないのか、どのような医師が必要か、どうすればそうした医師が地域で活躍できる場をつくりあげることができるのか、という見方での開業支援をする必要があるのではないかと考えます。

 もっともハードは絶対に必要ですから、ハードはハード、ソフトはソフトという切りわけの仕方があるのかも知れません。私たちはどちらかというと急性期病院の地域連携室から診療所へアプローチすること、退院支援計画の立案、実施から社会資源や在宅の医師との関係を強化することを仕事としていますので立場が違うといえば違うのでしょう。

 ただ、開業を支援する側に、そうした全体を把握し、医療介護のこの部分を事業として成立させるという思想が必要ではないかと常々思っています。

失礼な言い方ですが、医療や介護のなかみをよく理解されていない方が、開業支援を大々的に行なっている例が多く、この段階での医師との議論や本当の支援ができれば、医師ももっと早く気がつく、あるいはそうした意識をもって地域医療の担い手となることができるのではないかと考えています。


「よい病院よくない病院の見分け方掲載」

投稿者 石井友二 : 06:04 | トラックバック

2006年12月10日

超びっくりしました

先月のおわりにオーストラリアのメルボルンやブリスベンで、終末医療、緩和ケアの施設をみてきました。医師や看護師、介護事業関係者等々とのツアーです。あまりにも国の政策や国民の考え方や生き方が日本と異なり、驚きました。

地域医療というか、医療のあり方について多くのことをかんがえさせられました。

 また、向こうで活躍している多くの日本人にもお会いすることができ(まだお礼のメールもしていません。もうすぐご連絡します。すみません)、彼らのバイタリティや生き様(いきざま)にとても感動しました。
 
 で、何に超びっくりしたのかというと、私たちがこうでなければならないという医療介護が向こうで行われていたことです。この話はまたシリーズでお話しますし、伝えて行きたいことです。

勿論、現地で実際に仕事をしている方々にとってはシステムはあっても、オペレーションでいろいろな課題を抱えているに違いない、と思いはあります。はじめて、そしてほんの数日間、いわゆる視察で来た外人には、現場で何が起こっているのかについてすべてをつぶさに理解する機会はありません。

しかし少なくともシステムは素敵ですし、何よりもホスピスにいる患者さん、それもあと数週間の命の患者さんが、笑顔で見学者である我々を迎え、酸素を供給する機械について(とても簡単ではありますが)説明してくれたことがすべてを明らかにしていくれていると思いました。

人間がどう自立するのか、社会との関わりをどうもつのか、そして他人にどのように尽くすのか、医療福祉はどうあるべきであるか、政治はそれに何をできるのか…などなど日本人や日本との違いを目の当たりにし、ちょっとショックでもありました。

自分達がどう生きればよいのかについて大きな示唆を得た気がします。
「オーストラリアの医療、そこで何を見つけたか」シリーズは、このブログの柱になるほど、このブログだけではなく多くの医療介護を生業としている方々にお役に立てるものとなると考えています。
落ち着いて自分で整理をする必要があり、発表まではもう少し時間がかかると思います。

「よい病院よくない病院の見分け方同時掲載記事」

投稿者 石井友二 : 05:39 | トラックバック