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2007年02月20日

どこまでやるの病院原価計算(3)

 SPDを入れている病院があります。現場の在庫を一元管理し、タイムリーなデリバリーをしてもらえることや、購入コストを引き下げるということでメリットがあるといわれています。しかし、現場においては看護師さんが例えば余分な在庫を病棟にもつなどして、SPDのメリットがとれないことがよくあります。心配だから注射器を3本余分に置いておこう、これも1箱とって置こうということがあるようです。

 これは看護師さんにコスト意識がないだけではなく、院内在庫がどれだけあるのかについての管理がシステム化されていないことに原因があります。しかし、院内のこうした私(わたくし)在庫をすべて管理することは不可能です。煩雑です。そこで、部門別損益計算を実施します。病棟別の損益がバッチリでてきます。

 たくさんの消耗品を消費しているところはコストが高くでてくるため、どこのコストを削減すればよいのかを考えるとき、間違いなく、職員の行動チェックが行われ、結果としてロスを無くす、院内在庫をつくらない、といったことに注意が向きます。無駄な使い方をしないためには、こういう動作をしようというノウハウの整理にもつなげることができます。
 
 部門別損益計算があることにより、SPDが本来もっている、あるいは想定していたメリットが享受できることになります。なお、SPDは確かに、SPC業者が共通在庫をもち、他の病院にも材料等を供給することができる場合には、単価を引き下げることができます。しかし、その半分はSPD業者の取り分ですが…。ただ、メーカーに交渉しなければならないような例えばインプラントなど、高額なものはSPD業者の努力ではなく当該病院の医師の力であったりするわけですが、そうしたものまで、半分は業者の取り分になります。
 なんか腑に落ちないものはあります。

 何れにしても部門別損益計算を行うということは、他のあらゆるコストリダクション(原価低減)に影響を与えることになります(続く)。


「よい病院、よくない病院の見分け方同時掲載記事」

投稿者 石井友二 : 19:19 | トラックバック

2007年02月18日

どこまでやるの病院原価計算(2)

原価計算は一般的になぜこれを行うのか。
 ①原価を知るため
 ②原価をコントロールするため
 ③原価をいくらにするか決めるため
といったことがその目的です。
 原価がいったいいくらであるのを知ることは単なる興味の範囲では収まりません。
 原価を知ることにより、利益を知ることもできますが、原価を知ることでどこにどのような問題があるのかを知ることもできます。たとえば実際の原価を比較することでもわかりますし、また標準の原価がいくらであるのかを決めておいて、後に実際に発生した原価と標準原価を並べてみていくら違うのかを認識することは、標準でなかったことの理由を知ることのきっかけになります。

 原価をコントロールすることは、その延長線上にあります。原価には原価を構成する要素があります。それは材料費や経費、労務費そして間接費です。間接費はあるものに直接発生するコストではなく、そのものが製造される、あるいは提供されるための場や、環境をつくりあげるために必要なコストを意味しています。
 ハードであり、ソフトです。これらは直接利益を稼がないということで間接費ということでもよいと思います。いずれにしても直接ではなく、間接ということは、どれにくらということではなく、全体でいくらかかって、それを生産されたあるいは提供されたものやサービスの単位で除し、ひとつあたりにいくらというかたちで配賦(はいふ)します。配賦は直接ではなく、ひとつあたりについていくらというかたちですべてに一定の基準により均等に分けるというイメージです。

 一定の基準により均等にという部分は、実はとても複雑で、簡単ではありません。基準を間違えると異なる金額をそのものやサービスなどが負担してしまうからです。例えば、工場で発生した事務コストを動力費で配賦してしまうと、動力費を多く使った製品に多くのコストを分けることになります。

 しかし、事務コストが実は大量生産品ではなく、特別な少数の注文品であるとすれば、実際に発生したコストは少数の特殊な製品が負担すべきなのです。設計変更や工程換え、段取りのためのコストであれば、本来は少数品に負担させなければなりません。上記の例で間違った配賦があれば、大量生産品は高い原価になり、少数品は安い原価になります。

 少数品の価格を原価からのマークアップにすると大量生産品は売れず、少数品は売れるけれども損がでます。結局、事務コストの配賦を間違えただけで利益がでなくなってしまうのです。アクティビティに応じたコストを配賦しなければならないということでできあがった考え方がアクティビティーベースとコスティング(ABC)です。それを利用した管理がアクティビティベーストマネジメント(ABM)です。原価をコントロールすることで利益を変化させてしまうこともあるんです。

 で、原価をいくらにするのかを決めることはとても重要です。原価企画を行うということは、原価をいくらにするのかを調査し、決定し、計画することですが、まずは上記で原価を把握し、そして正しく計算し、管理し、原価を引き下げるために複数の要素について仕様(スペック)を落としたり、安く購入したり、無駄をなくしたり、共通化したり、少なくしたり…ということを工夫し創造して、決めた原価に落とし込んでいくのです。
 これが簡単ではありますが、原価計算の簡単な理解です。さて、病院に当てはめてみるとどうなるでしょうか?病院の診療報酬は上がりません。これから下がり続けます。出来高ではなく定額制になりつつ
下がっていくのです。

 勿論ドクターズフィーは出来高ですから、手術を数多くこなすということが現状においては医業収入を確保する方法ではありますが、しかし、それにしても利益をコントロールするためには原価をコントロールすることが必要となるのです。病院原価計算ができなければDPC時代を正しくクリヤーすることは絶対にできません。DPCの本来の目的から離れ、制度に翻弄されることになります。


 部門別損益計算(部門別原価計算)、行為別原価計算、患者別疾病別原価計算といった病院原価計算ができる仕組みや体制をつくりあげる必要がここにあります(続く)。

「よい病院、よくない病院の見分け方同時掲載記事」

投稿者 石井友二 : 09:26 | トラックバック

2007年02月15日

どこまでやるの病院原価計算(1)

看護師長のSさんは、看護師業務すべてのタイムスタディを行い、原価標準をつくりたいと申し出ました。私たちが患者別疾病別原価計算において、特定の疾患の患者に対し、タイムスタディをするための準備を進めているさなかでした。

 私は息を呑みました。そこまでやるのか…。彼女は米国に短期留学させてもらい、思考が超ポジティブです。原価標準をつくったうえで標準原価を計算し、実際原価と比較したい、単に患者毎の行為についてそれを集計するということでの対応ではなく、あるいはDPCとの比較、利益の算出というだけではなく、原価差額分析をしたい、ということでした。

 標準原価計算の基本的思考ではあるものの、この病院で部門別を10年間やり、疾病別も5年前にテストラン、といった環境のなかで再度DPC下での利益管理を行うという方向のなかで、さらに進んだ活動をしたいと、コンサルティングをしている私たちが提案する前に進言されたことに、少しショックであったわけです。

 ただ、本来は行為別原価計算があって患者別疾病別ということが本筋ですので、他の委員も含め皆でただちに彼女の意見に賛成したことはいうまでもありません。
 他のスタッフもそうだそうだと何のこだわりもなく承諾していました(続く)。


「よい病院、よくない病院の見分け方同時掲載記事」
 

投稿者 石井友二 : 12:40 | トラックバック

2007年02月14日

療養型病院のこれから(5)

 (1)から(4)のシリーズで療養型病院のこれからについて説明してきました。どうしても講演会の資料なので分かりづらかったかもしれません。

 結局のところ、療養型病院であったとしても質を向上させるためのあらゆる取り組みをしていくことが生き残りの大きなポイントになるということを説明したかったのです。勿論、介護型が廃止をしなければならない、ということはゆるがないと考えています。

 医療型についても医療区分2、3の患者さんを集めなければなりません。しかし、説明していますが、民間の介護事業者が高齢者専用賃貸住宅において、単価の高いこの層の患者さんの抱え込みを積極的に行っていくかぎり、療養型病院は従来のように待っているだけでは患者さんが集らない状況になるわけです。

 したがって質の高い、評判のよい、志をもって、思想的に経営をしている療養型病院に患者さんが集ることになります。

 質に勝るものはありません。これはパロマでも、不二家でも、それ以前に起こった多くの事件に起因する事例でよく理解されています。なぜ、病院だけが、介護施設だけが埒外に置かれるのでしょうか、それはありえません。これからは本当に患者さんの軸足にたった、家族の軸足に立ったオペレーションができる付加価値の高い医療機関や介護し施設、介護事業者のみが地域から選択されることになるのです。

 なお、付加価値をもつのは人であり仕組みであることは間違いありません。より詳細な部分でどう付加価値をつけていくのかについて別途説明しなければなりません。
 
 急性期病院で培ったノウハウを療養型病院に対しても積極的に展開する。それが私たちの使命であると考えています。

 また、財務的には、法的整理をも含めたドラスティックな対応をしなければ再生されないという病院も数多くあります。どこかで整理をするにしても、結局はその次のステップとして上記に記載されている事項に頓着しなければならないことになります。そうでなければ、それは(整理は)一次しのぎの事項として爾後に検証されることになります。


「よい病院、よくない病院の見分け方同時掲載記事」

投稿者 石井友二 : 14:32 | トラックバック

2007年02月13日

療養型病院のこれから(4)

 高齢者マンションについては次のパターンがあります。

(1)高齢者賃貸住宅(シルバーマンション)
 ①高齢者向け優良賃貸住宅(高優賃)
   目   的・・・高齢者に対して優良な賃貸住宅
   入居資格・・・高齢者(60歳以上)単身世帯、高齢者夫婦世帯
   公的資金・・・建設費補助、家賃対策補助
 
 ②高齢者専用賃貸住宅(高専賃)
   目   的・・・専ら高齢者単身・夫婦世帯に賃貸する住宅
   入居資格・・・高齢者単身世帯、高齢者夫婦世帯
   公的資金・・・無し
 
 ③高齢者円滑入居賃貸住宅(高円賃)
   目   的・・・高齢者の入居を拒否しない賃貸住宅
   入居資格・・・特になし
   公的資金・・・無し

(2)高専賃
 ①各戸の床面積が25㎡以上
  (居間、食堂、台所などが共同利用の為十分な面積を有する場合は18㎡以上)

 ②各戸に台所、水洗便所、収納設備、洗面設備及び浴室を備えるこ と(共同利用の為の台所、収納設  備又は浴室を有する場合は不要)

 ③前払い家賃を徴収する場合は高齢者居住法に基づく保全措置を講じていること

 ④居住者に対して、介護、食事の提供、洗濯、掃除などの家事、健康管理のいずれかのサービスを提供  していること

 ⑤高齢者専用賃貸住宅等へのシフトを行う場合には、早期に外だし体制をつくりあげるなかで地域を抱  え込む

ということを理解して下さい(続く)。


「よい病院、よくない病院の見分け方同時掲載記事」

投稿者 石井友二 : 09:27 | トラックバック

2007年02月12日

療養型病院のこれから(3)

(1)在宅誘導のためのプランづくり

(2)在宅問題点の整理

(3)リフォーム業者とのミーティング

(4)医師が立ち回り易い居宅づくり

(5)シルバーマンションの建築

(6)オペレーションノウハウの確立又は誘導

(7)業者との情報共有化のためのシステム考案

(8)外部への営業アウトソーシング

という営業活動を行わなければ療養型病院として業態を変えて生きていくということができなくなる可能性が高くなります(続く)。


「よい病院、よくない病院の見分け方同時掲載記事」

投稿者 石井友二 : 14:21 | トラックバック

2007年02月08日

療養型病院のこれから(2)


(1)各都道府県における地域ケア整備構想が間もなく完成される。各都道府県ごとで在宅サービス、施  設サービスの比率がバラバラであり、この整備構想である程度は整理されると思われる

(2)現在、医療区分1に該当する状態の一部が医療区分2へ変更される可能 性有

(3)H23年末に医療療養病床を15万床にするのは時期尚早と思い始めている。地域ケア整備構想完成を  待って医療療養病床の今後を検討することも一つの方法だが、ちょっとした賭けになる可能性もあ   る。民間業者の地域における動きもチェック。

(4)看護基準の見直し
  7対1を届出する大病院が看護師獲得することにより中小病院に看護師不足を発生させている為、7対1  看護基準に付加基準をつける予定。これにより看護師の採用が容易⇒一般病床や回復期への転換可   能。しかし、簡易DPCの点数は低くなる可能性大

(5)小規模老人保健施設(29床以下)の活用
  ①通常、老健は医師が必要だが、小規模であれば必要ない
  ②通所リハ・訪問等を含む小規模多機能型施設へ

(6)高優賃、高専賃、高円賃等の高齢者向け賃貸住宅への取り組み
  ①少子高齢化によって、高齢者の一人世帯、夫婦世帯の増加している
  ②訪問診療、訪問看護、介護サービス等を行い、地域高齢者に安心して生活していただける環境を提   供する

(7)療養病床再編に関する財務的かつ雇用課題
  ①医療機関が、転換に必要な経費を捻出できない
  ②病床が閉鎖されれば、雇用者が離職・転職を余儀なくされる⇒但し、医師・看護師はマーケットに  吸収される

(8)何れにしても当資料でいう「3.問題解決の方法」への対応が大きな方向性であることは間違いな  い

(9)外部チームを利用して、機敏に動いて行動する①地域のニーズ②制度の動き③自院の経営資源④自  らの志の有無(制度に翻弄されるところからは何も生まれない)

(10)介護病床へは交付金(もしかしたら返還)療養病床へは補助金といったかたちで、療養型病院に  施設転換を促している

(11)資金調達はファンドを利用することも含めバリエーションがある
ということが今後の検討すべきことである、という説明です(続く)。


「よい病院、よくない病院の見分け方同時掲載記事」

投稿者 石井友二 : 00:16 | トラックバック

2007年02月05日

療養型病院のこれから(1)

先日療養型病院についてのセミナーを実施しました。以下、その骨子を説明します。

(1)介護型病床の廃止は後戻りしない
(2)医療型病床もいずれは介護対象に移行
(3)在宅誘導の方向も変更されない
(4)一般に区分変更し回復期にいくためのシミュレーション
(5)在宅(疑似在宅をも含む)にどう関わるのか
 についての決定必要
(6)保有する医師、看護師、介護事業等の経営資源を最大活用
(7)連携強化
が必要です。

そもそも急性期病院の医療環境は、次のもの
(1)DPC適用しなければ残れない
  ①かなり厳しい条件
  ②7:1についても急性期要件強化
  ③DPCは下がり続けると発言
  ④DPCからDRGになれば出来高×
  ⑤平均在院日数短縮及び伴う増患は地域
   浸透(地域完結型医療は入り口)なしには進められない

それらを踏まえて療養型病院についての議論をする必要があります。
(2)医療区分入れ替えも困難
  ①民間事業者が介護度が高い、医療依存度が高い患者をとるよう活動
   ⇒寝たきり、利益高いため(とりわけ診療所で介護事業を実施しているとことがその傾向)
  ②困っている急性期病院の支援をベースに活動するしかない
  ③一般病床へ転換しても看護師確保が困難。看護基準15:1は廃止になる可能性大。
  ④一般病床に戻しても慢性期疾患を主とするのであれば経営は難しい
  ⑤回復期リハに転換しても整形外科・脳神経外科の急性期患者数が少ない、手術件数が少ない、急性   期病院との地域連携が難しいのであれば採算はとれない
  ⑥北海道厚生連のように100床未満の一般病床はすべて療養病床にシフト後、診療所+施設に転換   を打出しているところは戦略的
(3)かかりつけ医、未病対応がベース。
  ①在宅療養については様子見が多い
  ②結局24時間はできないという意見が多数
  ③介護施設とのコラボにしても、複合的にマネジメントする主体が必要
   ⇒ここに療養型病院のノウハウが必要となる
  ④一般病床や回復期への転換による経営は意外と困難

結局このなかで成果をあげられるのは、地域連携強化しかない。地域地盤をつくることにより、施設転換する。さらに地域に出て行く。
 急性期病院を軸とした地域の抱え込みのなかで地域浸透を図り、イニシアティブをとることが解決策。自分の箱だけで勝負しては負ける。すべての医療機関は「待つ医療から出向く医療への転換」を図らなければならない。その前提として財務体質を強化したうえで、療養型や介護といっても医療や介護の質を徹底して向上させるためのシステムづくりを行うことが必要となる。「質の高いものしか買ってもらえない」時代になった。

ということになります(続く)。


「よい病院、よくない病院の見分け方同時掲載記事」

投稿者 石井友二 : 13:49 | トラックバック

2007年02月02日

DPC準備委員会の組成及び運営(3)

3.具体的対応
  DPC申請のための準備については、別紙にあるとおりの活動を行う必要があります。これは一般病床で、急性期をやろうとすればもう当り前のことになっています。
  しかし、実質的には従来実施してきた事項を徹底しなければならず、再度確認しなければならないことがあります。
  ①マニュアル委員会を活性化することにより、マニュアルを改定するための改善を行うとともに、教育を徹底して行う(来月から弊社によるマニュアルの添削及び改定状況の評価を毎月実施する)。
  ②リスクマネジメント委員会の活性化により、アクシデントやインシデントを数多く抽出するとともに、対策を正しく立案しマニュアルに反映する。これも教育の対象となる(来月から弊社による分析作業が開始される)
  ③パス委員会については上記で説明したとおり(スケジュール管理をしながら必要なパス数を作成することの徹底が必要)
  ④看護記録委員会などにより看護プロセスのモニタリングを行い看護の質を向上させる(看護診断・計画・実施・記録の精度向上)
  ⑤地域連携は看護部や他を巻き込んで現在の体制を大幅に変えていかなければ今後の成果を得られません。訪問看護ステーションや居宅支援事業所、在宅医や開業医を集めた勉強会を開催するなかで、紹介や退院ルートを確保することが必要となる
   
  ⑥毎月の予実の精度をあげる(行動レベルまで毎月議論できるレベル)。そのためには部門別損益計算や患者別疾病別原価計算により、問題点や課題を出し続けることが必要   
  ⑦目標管理を徹底し、毎月成果をチェックしながら次の行動につなげるというながれをつくりあげていく必要がある
   
4.まとめ
  経営改革委員会の運営においてDPCを柱としたさらなる改革活動を再スタートすることが求められています。DPCを中心軸とした病院全体の活動を誘導する必要があります。


「よい病院よくない病院の見分け方同時掲載記事」

投稿者 石井友二 : 18:00 | トラックバック

2007年02月01日

DPC準備委員会の組成及び運営(2)

福島の病院でこの資料を学習したうえで、準備委員会がスタートしました。

1.はじめに
 DPC関連の病院のベッド数は、手上げしている病院を含め29万床になりました。
これは残る40万床の病院の三分の二以上の病院です。実際に40万床に入るため、多くの病院が手上げのための準備を開始しています。とりわけ今年の6月で(毎年いわれていますが)、最後の手上げではないかという憶測がとび、みな6月の手上げに向けた委員会を組成しています。

 病院としてどのように対応するのか、無視するのか、様子をみるのか、準備を開始するのかについては真剣に議論しなければなりません。少なくともいつでもDPC導入ができる体制をどのようにとっていくのかについていまのうちに検討しておかなければ、臍(ほぞ)をかむことになります。
 何をすればよいのかについて議論をしなければなりません。

2.DPC導入の具体的対応
 DPC導入については、DPCによる申請が正しく行えるようになるための医事課や医局対応が行なわれるとともに、実質的にどのように成果をあげていくのかが求められます。
その意味では従来実施してきた経営改革委員会の活動をより鮮明にしていく必要があります。
一方部門別損益計算や患者別疾病別原価計算の結果をどのように戦略に反映していくのかといった経営企画の部分の強化を徹底していく必要があります。
 ①自院の収益構造を理解する
 部門別損益計算により、科別の利益を把握します。予算編成が部門別にできるように誘導し、どのように利益改善していくのかについて検討を開始します。
 ②利益をあげるために何をしなければならないのかについて分析する
 ⅰ)単価をどうアップさせるのか
 ⅱ)患者数をどう増加させるのか
  結局は外来患者を増加させる、紹介入院患者を増患するといったことにつきます。
  手術の技術料についてはDPCの埒外であるので、手術を行える体制を整備すればするだけ、収益は 向上するのは明らかです。過去のデータと現在のデータをすべて並べて実際の課題を明確にしていくことが必要です。
 ③自院の費用構造を把握する
 ⅰ)パスを徹底して作成する
 ⅱ)パスに記載されていないコスト項目を抽出しリスト化する
 ⅲ)患者別疾病別原価計算により疾病毎の原価計算
 ⅳ)原価要素を分析し、原価要素別の問題点を把握
 ④費用を削減するために何をしなければならないのかについて分析する
 ⑤費用の削減は個々人の医療の質を向上させることや、仕事の仕組みを見直すことで達成されます。
そのためには何をしなければならないのかについて経営改革委員会で実施してきたことを徹底することが大切になります(続く)。


「よい病院よくない病院の見分け方同時記載記事」

投稿者 石井友二 : 23:05 | トラックバック