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2007年08月25日

予算というもの

資本主義社会において、人々が生計を立てるということを考えています。経済活動がそこにはあります。
 個々の主体が独自に社会のニーズを把握し、貨幣を媒介とした活動を行い、自ら投資したもの以上の付加価値を生むことで貨幣を増加させる。そこには自由がありますが、逆に原則として国がそれを支援するものでもない。主体の活動が社会に受け入れられれば主体は存続しうるに足る十分な成果をあげることができるし、そうではなければ存在しない。これが一般企業であり事業主であるといわれています。
 
 医療はどうでしょうか。この原則から言えば、いわゆる格好は一般企業や事業主と同様の経済活動を行いながら、医療機関は利益を得てはならない、営利目的であってはいけない事業である、といわれてきました。国が収益の源泉である価格を決め、しかしどこでも医療サービスを受けることができるよう環境を整備してきたのです。
 
 経済的に成り立たなくとも公的医療機関は役務提供をし続けてくることができたし、一般の医療機関は医療従事者の良心に守られ、工夫すれば、利益を出しつつ次の投資に資源を振り向け規模を拡大することで国民の要請に応えようとしてきた経緯があります。
 国民の個々の富にかかわらず誰でもどこでも公平に医療を享受することができる国民皆保険制度は、そのなかにいると他国に比類ない制度であることがわからない者が多くいるけれども、とても素晴らしい制度であるということは事実であると思います。
 
 昨日も一般企業のコンサルティングを行うため、福岡に入りました。福岡事務所で仕事の準備を早めに終えたあと、アトピーの治療のため皮膚科を訪問しました。10分も待たずに医師に触診してもらい、これは肝臓かもね~ということで漢方薬と塗り薬をもらい、30分で目的を達することができました。仕事に向かう合間であったので、とても助かったのです。
 
 こんな医療が御承知のとおりな状況になっています。資本主義経済下にある事業主体でありながら、表面的には営利の感覚をもってはいけないといわれ、しかし実はそうではない現状のなかで、いくつかの矛盾を内包して運営されてきた医療機関において、それ自体を支える国の思いや医療従事者の思い、そして国民の誤解や慢心が、すばらしい医療制度を崩壊させようとしています。

 どこに原因があるのか、どうしたらすっきりとした思いをもてるのか。何をすればよいのか。何をしなければならないのか。現場のそばに居させていただくことで、そうしたことを考えさえてもらう機会を得ています。

 一般企業では、予算編成制度があり、社員が喜びをもって仕事をするための制度構築があり、顧客に対してどう付加価値を提供するかが議論され、成果をあげるものが評価され、成果を上げられない者は教育の機会を得て、本当に顧客のニーズにこたえられることが事業であるという背景のもと、どうすればこの1年間、ボードが決定した事項を達成することができるのか。そこに超腐心します。
 利益を得る、キャッシュを得ることが目標であるけれど、本当に社会に受け入れられる価値を生まない事業はゴーイングコンサーン(継続企業)たりえないことを誰でも知っています。もともと誰も助けてくれない。自分たちが力をつけ、自らの人生を賭して仕事に邁進することができる組織しか生き残っていけないことは、働く誰もが理解しています。役割を懈怠することは自らの人生を放棄することと同義です。
 そうやって必死になって生きてきたのが一般の企業なのです(少なくともそうしない企業は淘汰されてきています)。

 予算編成制度は単に予算を立案することではなく、顧客のニーズを機敏にとらえ、徹底的な方針や組織づくりを計画することのなかで、そしてそれをできる社員をどのように育成し、動機づける必要があるのかを議論し、具体的な方策が実施されるものでなければならない、と考えます。

「よい病院よくない病院の見分け方同時掲載記事」

投稿者 石井友二 : 11:49 | トラックバック

2007年08月13日

バランストスコアカードについて(4)

(6)BSCの周辺制度
  BSCを運営するためには、付随して、あるいは周辺としていくつかの制度が整備されなければなりません。
まずは戦略です。自院のSWOTが正しく認識できておらず課題が不明確であればいくらBSCを導入しても、達成するものが本当に病院に必要なものである保証はありません。当然のことですが、戦略が正しく立案されることが必要となります。

2つ目として、組織の基本的事項です。職員が何かを行うとき、その目的や理由をよく理解できるとともに、達成しようとする目標に向かって一体となって行動できる体質をもっているかどうかが問われます。こうした体質をつくりあげるための道具としてBSCを捉えることもできますが、やはりBSCだけでそれを成し遂げようとするのは困難です。

他に中間管理職のリーダーシップの醸成、職務分掌の明確化、権限や責任の設定、職務基準の決定等さまざまな制度を視野に入れた活動を行うことが求められます。

3つ目には個人レベルの教育や評価です。BSCでは、個人毎に目標を落とし込むかたちにはなっていません。しかし、目標を達成しようとすると各部門、各部署で設定した目標を個人毎の特性や属性、育成目標に合わせて目標設定することが不可欠です。

したがって、個人が役割や目標をもって行動できるよう、現場で指導したり教育することができるかどうか、そしてその結果として求める成果をあげたときには評価する仕組みがあるかどうかがBSC成功のポイントとなります。

評価制度のなかで評価するためには、業績評価の仕組みをつくり賞与に反映することになります。人事考課においては情意考課と能力考課と合わせ昇給昇格(そして昇進)の基準とします。少なくとも業績評価として賞与に反映するかたちがつくりあげられていればBSCに対しての誘因ができます。BSCを始める当初から、BSCで掲げた目標を達成した場合には賞与により処遇するといったことを説明することも必要であると考えます。

4つ目として部門別損益計算があれば、部門別の損益が判り財務的な評価を行うことが可能です。また、予算実績管理制度が月次でかつ部門別に行われるのであれば、BSCの目標への取組みが財務の成果につながることが確認できます。
部門別に損益を認識できることが重要となります。


3.BSCの導入
次にBSCを導入するための手順を説明します。
(1)BSCの前提(周辺制度の整備状況)調査
  ①戦略・事業計画 
  ②組織の基本的事項
  ③教育制度・評価制度
  ④部門別損益計算

(2)(1)のうちできていない事項について整備計画立案

(3)4つの視点での目標設定

(4)(3)のための課題を設定

(5)課題を達成するためのKPI(キーパフォーマンスインディケータ=先行〔目標〕指標)の設定

(6)BSC説明会開催

(7)各部門への目標の落とし込み

(8)各部門からの行動計画の収集

(9)各部門からの行動計画検討

(10)全病院運営開始


4.まとめ
 上記に簡単にBSCについて説明しました。教科書のように詳細ではありませんし、具体的に進めるための指示をしていません。本来は一つひとつの手順において、いくつかの点について留意しなければなりません。そもそも、BSCをやらされていると考える人が大半であるところ、どのようにしたら、モチベーションをあげることができるのかについて議論する必要があります。

 BSCのような道具は、あくまでもその根底にある、あるいは中心に思想や情熱が必要です。そしてそれを徹底していくリーダーシップがなければなりません。職員が受容できるよう噛み砕いて説明することが必要となる場面もあるでしょう。

 BSCをするからいきなりそうしたことになるのも変であり、日頃からリーダーが組織に対して納得性が高い戦略を提示し、それぞれの役割に期待していることを表明しておく必要があると考えます。もし、それができていないのであれば、その部分に執着し、まず大きなうずをつるりあげ、それをどのように整理し、まとめていこうかというところでBSCを使うべきであると考えます。

 BSCを使えばすべてがうまくいく、というほど優れた道具ではないことをご理解下さい。
 
 まずは、リーダーがこの病院をどうしたいのかについてとことん考えることが必要です。そして決めたことをどのように下に下ろし、組織としてそれらを達成していくのかの道具としてBSCがあるのです。
BSCにより成果をあげることができるよう祈っています。


「よい病院よくない病院の見分け方同時掲載記事」

投稿者 石井友二 : 16:23 | トラックバック

バランストスコアカードについて(3)

BSCでは、すべての目標を目標を達成するための課題(ドライバー)にのせて、指標化(KPI=キーパフォーマンスインディケータ=成果をあげるための鍵となる指標)し、それぞれの目標として目標設定(先行指標)します。先行指標をもとに、行動し結果として実績がどうであったのかを指標として捉え、その差がなぜ発生したのかをみて原因分析を行います。

原因分析が的確にできれば合目的(目標に合った)行動ができるようになります。


(4)医療における意味
 医療においては激減する環境のなかで、職員が最適行動をとることが期待されています。平成20年の後期高齢者医療の導入、平成22年のDPC全適、平成23年での介護病床廃止に伴う施設転換など、さまざまな改革が目白押しです。

 トップが決めたことを短時間で達成するためには、組織が計画的に動かなければなりません。BSCは、その意味でとても便利なマネジメントの道具であるということができます。

(5)目標管理制度かBSCか
 従来、日本には似た管理手法として、方針管理や目標管理制度が存在しました。キャプランもこのような制度を参考にBSCをつくったとも言われています。

 例えば目標管理制度もしたがってBSCと同じながれをもち、組織目標を提示、部門への落とし込み、考え方のすり合せ、数字での目標設定、個人の目標設定、個人での目標管理といった方法で組織目標⇒部門目標⇒個人目標というように目標を落としこみ、個人が目標を達成すれば部門が目標を達成し、部門が目標を達成すれば組織目標が達成されるという考え方により組織目標を達成していくのです。

 BSCの優位を説く者は、目標管理と同じではない理由をいくつもあげています。しかし、基本的には根底にながれている考え方は組織の方向を判りやすく開示し、職員が行動できやすい環境をつくりあげる道具である、ということでは同じであると私は考えています。

 そもそも、組織と個人を考えるとき、手法の相違はあるとしても、組織活動をしているかぎり組織のベクトルと個人のベクトルを併せていかなければならないことは組織運営の基本的事項であるからです。大きな枠組みで議論することは意味がなく、それをどうやって達成するかについて相違がどうなのかという議論であるから、異なることは数多くある、ということであれば議論を止めたほうがよい。

 極端な意見かもしれませんが、何と何が同じである、異なるということに重きを置くこと自体がナンセンスだからです。多くの病院で目標管理制度やBSCを導入してきた私たちとしては、それぞれのもつメリットやデメリットを理解しています。

 しかし、私たちは学者でもなく、議論をもてあそぶ時間もありません。一定の枠のなかで、それぞれの良いところを納得し、最終目標を達成するために自院がどう行動するかということが大切です。結局は感性が合う、肌が合うものを採用すれば足りるでしょう。
 ただ、組織がもっている経験や意欲、他の制度との兼ね合いにより制度が機能するかしないかが影響されるのであって、目標管理がよいとかBSCがよいといったものではないと考えます。

 両者を折衷のように利用している法人もあるところ、結局はどのような道具であってもその道具をつかって達成しようとしていることに対し、組織がどれだけ執着しているかどうかに成果が影響されるということなのではないでしょうか(続く)

「よい病院よくない病院の見分け方同時掲載記事」

投稿者 石井友二 : 06:11 | トラックバック

2007年08月10日

リスクマネジメントにもっと本気に(1)

いろいろな病院におじゃまして思うこと。本当に事故は起こるものであるということ。どの病院にいついってもいつも何かのクレームやアクシデントがあります。インシデントはレポートをみなければ、そして自己申告しなければ、あるいは現場にいなければみえませんが、それらは病院で対処をどうするかについ右往左往しているので、すぐわかるのです。

 それらを聞けば聞くほど、なんでそんなということばかりです。しかし、何か発見されてすぐ構造的な検討をするか、(どうみても)表層的な対応をしてしまうのか病院により行動が異なるようです。

 構造的というのは、なせそれが発生したのかを十分吟味したうえでルールを決め、マニュアル化し、パスを変え、継続的な教育を行うなかに含める(もともと教育の仕組みがあれば自動的に教育されることになりますが)といったことを意味しています。表層的というのは、その場で反省会をすることや、これからはこうしようと口頭で決定して、終了してしまうことを言っています。
 
 すなわち、十分な議論をせず、どちらかというと事象への対応に追われ、次につながる処理ができずに終わってしまうことを意味しています。とりわけクレームなど明らかに医療過誤や事故ではないものに対しては、より強くその傾向があるようです。クレームの本質を捉えてみると、実はコミュニケーションの問題や、仕事の段取りや、さらには進め方、そしてそれらを包含する報告、連絡、相談が欠如しているといった組織運営上の瑕疵であったりすることが多いにもかかわらずです。

 何か重要性が理解できない、これは大変な問題だということに帰着せず、ながしてしまっていることが傍から見てわかります。勿論、個人のだれだれさんはこんなでした的なクレームについても、実は、その人の、採用、配置、教育、評価、処遇といった人事管理の問題であったりするのですが、病院は不思議なことにこうしたことが問われない。そんな文化があるようです。

 以前書いたと思いますが、病院からタクシーに乗り、運転手さんが、ある患者さんがお母さんが具合が悪く、部屋にポータブルを持ってきてほしいといったとき、看護師は機嫌が悪く、いやいやポータブルを、ほれっという感じで渡した話があります。

 患者さん家族の依頼の仕方、そのときの態度などさまざまな患者要因はあるでしょう。看護師さんだけに問題があるのではありません。しかし、どのような患者さんでもいま発生している患者さんの状況があります。前の患者さんが使ったまま(つまりまだなかに残っている)のものを持ってくるということは明らかに個人の注意の問題ではなく、仕組みの問題であると考えます。

 ポータブルを渡す、使う、回収する、処理する、洗浄する、確認するという一連のながれのなかで利用可能なポータブルが利用してよいかたちで、ある場所に管理されているというながれが組織構造的です。忙しくてそれどころではない、悪感情をもっている患者さんや家族であっても、その看護師さんのメンタリティーと異なるところで仕組みができていなければならなかったのです。

 勿論、忙しい理由は時間帯の問題か、無駄な業務が多いからなのか、個人のスキルがないからなのか、前日いやなことがあったのか、さまざまな理由により辞めたいと思っていたのか、についてもよほど個人的な問題で意識が集中できていなかったことを除けば実は組織のあらゆる問題点から派生していることが多くあります。

 その運転手さんは、いろいろな人にその話を面白おかしく話すのでしょう。しかし、その度さらにその話を自らの意思決定に利用する患者さんや家族、他の人に話す人が増え、患者は減るのです。そして運転手さんの決定的な言葉、「その患者さんは○○病院は看護師さんがしっかりしているのでやっぱり○○病院にいくそうです」という一言で競合の患者さんになるです。

 看護師さんの問題だけではなく、いかに構造的な対応が必要な事項が数多くあるのかについて病院関係者はマネジメントを見直していく必要があります。その場で、その場面で対策を練り組織的に対応するくせをつける。そんなリスクマネジメントが望まれます(続く)。


「よい病院よくない病院の見分け方同時掲載記事」

投稿者 石井友二 : 00:37 | トラックバック

2007年08月08日

バランストスコアカードについて(2)

(2)4つの視点
 BSCは業績評価の道具として扱われています。組織の掲げる目標をまず財務と非財務目標に分け、従来の財務目標だけの目標を設定した場合の欠点をなくしています。財務と非財務の目標をバランスさせているスコア化されたという意味で、バランスト、といっています。スコアは、ここでは数値化されたという理解をすればよいでしょう。

 BSCでは非財務目標をさらに、患者の視点、業務プロセスの視点、学習と成長の視点の3つに分けます。

 組織は顧客に対して製商品やサービス(以下医療サービス)を提供することを目的の一つとしており、
まずは顧客の満足を得るために行動目標をもつことが必要であるところ顧客(以下患者)の視点からの目標を設定することとしています。

 次に、組織が医療サービスを提供するためには、組織自体の体制や仕組み、仕事の方法が確立されていることが必要です。合理的で質の高い医療を提供するために、どのような体制や仕組み、仕事の方法ができていればよいのかという観点から目標を設定することになります。

 そして組織は組織構成員(以下職員)により運営されますので、彼らが学習し成長できるように仕向けていくことが大切になります。職員がどのように活動することにより学習し、成長することができるのかを目標としています。
 
 このように数多くある組織目標を、4つの視点に区分に判りやすく設定することで、組織構成員に組織の目標を明確にする手法がBSCなのです。

(3)定量化
 定性的に管理することだけで組織は運営できません。頑張ろう、懸命にやろう、よくやったね。こんなにできるなんですばらしい、といった日常交わされる会話において言葉を発する者のなかの基準と相手の基準が往々にして異なることがあります。

 それぞれがもつ意識や価値観、知識や経験、意欲や熱意…など、ありとあらゆる相違により主観的な意識でものごとをとらえ、行動し、会話し、説明し、感想をもったりしながら組織が運営される傾向があります。

 的確な数字を組織運営のなかでとらえ、その数字のもつ意味を判り、その数字をどのようにして改善するのかについても理解し、そして行動する、といったことができなければ組織はもっている資源を最大活用することができません。人数、時間、金額、%、回数、件数、個数、台数、枚数、重量…等ものごとの多くは量で捉えることができます。

 今日の会議はとてもうまくいったよ、と説明するのと、20名のところ全員出席で、2時間の間寝ている者は一人もいなかった。全員が発言したし、10議案に対してすべて5W2Hでの計画が来週までに立てられることで合意したんだ、と説明するほうがその内容をよく伝えることができます。物事は数字で(定量的に)説明することで、あるいは管理することで、管理する側もされる側もよく内容を理解し、行動を起こし易くすることができるのです(続く)。


「よい病院よくない病院の見分け方同時掲載記事」

投稿者 石井友二 : 00:24 | トラックバック

2007年08月05日

退院支援計画について(2)

それを増患にまで広げていこうという対策。入院待機患者リストの作成。一方で、パスの整理、再入院原因の追究、見積もり原価(標準原価まではいっていない…)による疾病別患者別原価計算の実施(前提としての部門別損益計算は当然実施)での業務改革課題の発見を行っている。

 質を高めブランドを高めるとともに、在院日数をDPCに合わせていくためである。勿論そのためにはバリアンスマネジメントについてのコード見直し、問題発見のためのフロー開発、二次パスへの展開への取り組みも忘れない。

 救急車は増加する。紹介は増加する。利用率は向上。だから在院日数を短縮するための上記の退院支援計画の実施やパスによる管理、原価計算による原価把握や問題発見が必要となる。BSCチームとの指標の読み方、中間管理者育成のための教育、職務基準の整理、考課者訓練の実施…私が訪問すれば、このような課題をもって会議へ出席、提案、意見提示を行っています。

  上記はどちらも私たちのクライアントの急性期病院の状況です。トップマネジメントの理念や思想、使命感や目指すものが異なるとこれだけ医療が異なってしまうのかというケースを示しました。

 退院支援計画にみる病院事情がここにあります(私たちはどちらの病院であっても。常に私たちの使命を果たすために活動し続けます)。これから退院支援計画の体系やそれを必然として捉えなければならないマネジメントのながれについて説明をしていきたいと考えています(続く)。
 

「よい病院よくない病院の見分け方同時記載記事」

投稿者 石井友二 : 00:21 | トラックバック

2007年08月02日

退院支援計画について(1)

退院支援計画(ディスチャージプランニング)が多くの病院のキーワードになっていた時期がありました。しかし、最近の外来患者減少による利用率の低下は、このキーワードを忘れさせがちです。

 DPC時代になったとしても特定入院期間の間であれば(仮にその後の出来高の報酬が思いっきり引き下げられたとしても、)、予薬や消耗品費がイレギュラーに多額でなく、それを超える点数があるのであれば、まったくベッドが空くよりも入院させていたほうが固定費の一部回収ができることは間違いがありません。他の患者で利益がでている部分で回収できなかった固定費を回収できるかぎり利益を出すことができます。

 利益がでず、固定費が回収できないのであれば事業として成り立たず、当然淘汰されることになります。
 ベッドをどのように使うのかを徹底的に考えたとき、明らかにより単価の高い患者がベッドをできるだけ多く埋めることが病院経営上ベストの状況です。

 何れにしてもそのなかで退院支援計画の意味にはとても重要なものがあります。

 本来であれば、医療の質を向上させる結果、単位あたりコストを削減し、合理的な医療を行ったうえで、帰結として在院日数を短縮、一方待機患者を多数つくり(質を向上させれば外来にしても入院にしても増患を誘導することになるのは間違いがありませんが)、ベッドを効果的に利用する、といったながれをつくりあげることが急性期病院の到達点です。
 
 DPCであろうがなかろうが、自院の経営資源を最大活用し、地域に医療を提供することで急性期病院の使命が果たされるとすれば、その道を最後まで求め続けることが急性期病院を経営するトップマネジメントの意思でなければならないと考えます。
 
 麻酔医が一時期非常勤になり、手術ができなくなった各科の医師が、麻酔医が手当てされ常勤化されても手術をしない。救急車は断る。オンコール体制をとりながら、一度も電話をしたことがない当直医。自分の専門ではないからといって、救急車をすべて断る。外来の大半は長投の患者であり、新患はかなりあるものの、入院患者は少ない。なぜならば手術室の稼働率を20%以内としながらも、他の病院に自院で対応できる患者を紹介してしまう。

 入院する患者は急性期でありながら慢性期。ベッドを埋めてはいるものの、自然退院をまつ。現状では10:1を確保しながらも手術が減少しているために入院収益は落ちている。ただ外来収益は増加している。断り率が高いため救急車も徐々に少なくなる。こうした病院は極端ではあるけれども、多かれ少なかれ、こんな状況が見え隠れする病院が多いのが現場にでている私たちにはわかります。
 
 一方、入院NSの入院指導から始まるリスクスクリーニング対応、患者家族への介入、状況把握。さらに患者の状況が明確になるにしたがって、状況を受けて退院支援NSによる病棟NSとSWの連携、院内における退院支援NSとのカンファレンスを行いながら退院支援。退院後自宅まで訪問、爾後の看護やリハについてのアフターサービスを行う病院があります(続く)。

「よい病院よくない病院の見分け方同時掲載記事」

投稿者 石井友二 : 00:20 | トラックバック