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2007年12月30日

時間外の管理について(2)

所定の範囲(≒時間外の枠)というのは、0からはじまり、個々部署の事情に合わせて必要であるとトップが決定した範囲(予算)を示しています。0であれば0と決めればよいのですが、そうではないかぎり、どれだけの時間外が適切であるのかを知る必要があります。

 以下のながれのなかでその範囲を決定するとともに、それを超えるものについては業務改革を行い、時間外を決めた範囲まで削減していかなければなりません。
   
①どの部署で何時間時間外が発生したのかを月次でデータをとる

②同時に同じ部署で、入職年別人員数の推移、患者数、その他繁忙になる原因となりそうな要因
を部署の特性に合わせて決定し、データをとる

③その原因を現場の責任者からヒヤリングをして把握(そのときに承認申請したときの理由を統計化するとよい)

④場合によっては当該部署のスタッフにヒヤリングを行い、情報を得る。この場合、残業が多いスタッフと、それほでもないスタッフ両名に話しを聞くと事情が理解しやすくまた、同部署の責任者の考えが事実であるかどうかについても把握できる。

この場合、ヒヤリングの仕方としては、「上司がこういっていたけれども本当ですか?」のような聞き方をしてはダメ。「本人に時間外は多いか、少ないと感じているか、時間外が発生する原因をすべて説明して欲しい」といった聞き方をすることが正しく、こちら側が想定できる答えを用意して答えを誘導しないことが適当である
⑤それらを収集して、時間外が多い原因を明確にする

⑥原因を排除するためには何が必要であるのか、対策を検討する

⑦対策をとるためにはどのような行動をすればよいのかについて議論し、総務として一定の答えを用意
しておく

⑧現場と議論して複数の行動を行なうよう依頼する

⑨対策を実行することで時間外が減少したかどうかを常に管理する

といったことを理解する必要があります(続く)。


「よい病院よくない病院の見分け方同時掲載記事」

投稿者 石井友二 : 00:02 | トラックバック

2007年12月28日

時間外の管理について(1)

病院は生産性をあげることができなければ、成果をあげることができません。
 現状でいっぱいいっぱいの体制で医療を進めているのであれば、この現状をより生産性の高いもととしていかなければならないのは当然のことです。
 
 生産性向上=医療の質の向上であり、一単位当りの成果を拡大することをいっています。短い時間で質の高い医療を提供することができれば、自動的に一定の時間内での患者さんに対し提供する医療の絶対値は拡大します。これはとりもなおさず、医療の質向上の結果であり、生産性をあげるためには医療の質を高めてなければならないということが理解できるのです。
 一方で、これは効率が向上したともいいます。一単位当りの成果の算出量が増加すれば、ある生産量を得るためのコストは低減しているからです。 

 生産性を考えるときに卑近であるのは残業代=時間外労働です。

 時間外の管理を行うことは、時間外を所定の範囲に抑えること、そしてそのための業務改革を誘導することを目的としています。

 そもそも、業務を行なうときには、あるいは数字を管理するときには、その目的を明確にする必要があります。
①何をしたいのか
②そのためにはどのような数字をとればよいのか
③その数字から何を理解すればよいのか
④どのように行動すれば目的を達成できるのか
⑤現場をどのようにサポートすればよいのか
といったことまでをも考慮したうえで、管理資料を作成し、何かを管理しなければならないのです(続く)。


「よい病院よくない病院の見分け方同時掲載記事」

投稿者 石井友二 : 18:37 | トラックバック

2007年12月18日

DPC準備委員会と従来委員会活動のリンク

DPC準備を進めている病院が数多くあります。しかし、実質的な準備ではなく、医事だけですべてを終わらせている病院が大半です。DPCは医療原点回帰のためのきっかけであるといわれていおり、高密度で質の高い合理的な医療を行うための道具だという理解をしなければなりません。

 であれば、今何をすればよいのかという観点から、再度従来活動を見直してみる必要がある、という議論が、訪問している病院の経営改革委員会でありました。
 その資料の一部を開示します。

『DPC準備委員会を医事に設置することは必須です。いままでの委員会活動をDPCの準備に併せて再活性化することが必要です。過去実施してきたことがいまDPCを導入する準備を始めたことでうまく機能しはじめることになると考えています。

 各委員会は、DPCを理解し、自分達が何をしていけば円滑にDPCが導入運営できるのかについて再確認しなければなりません。

 ①マニュアル委員会→すべての業務をマニュアル化し、その内容を検証し、無駄や不合理がないかどうかについての確認をする。結果として業務の見直しを行いマニュアルを改訂する

 ②パス委員会→必要なパスが作成されていないということはないかどうかについての検証を行い、不足するものがあれば作成する。またDPCAB期間とパス日の乖離をチェックし、何日短縮すればよいのかについての目処をパス別にとりまとめる

 ③指標委員会→DPCで設定しているAB期間でマネジメントを行なっていくためには何を改革していけばよいのかを指標から探る必要があります。現状の指標が適当かどうか、分析が正しく行われているかどうかについて議論し、不足するところを徹底して実行する必要がある(入退院経路を把握。弱いところへの注力を行なう)

 ④地域連携委員会→増患のために何をするのか、また入院比率を上げるためには何をすればよいのかについての総合的な活動を実施する

 ⑤リスクマネジメント委員会→医療の質をあげることに注力する。レベル2以上は在院日数の増加やコストアップにつながることを職員全員が理解できるよう対応すること

 ⑥部門別損益計算→現在、タイムリーに数字を出す作業と診療科別への転換が行なわれているが、患者別疾病別原価計算の取組みができるよう現場へ説明を行うこと。DPC毎に少しづつデータをとり、全体の原価率を管理するとともに、治療のポートフォリオマネジメントを行なえる体制をつくりあげる(この症例や治療は年間何例以上実施といった目標値を設定し、紹介や外来での増患対策とリンクさせる)
といったことが実施されなければなりません』

 当病院は、DPC対応の準備を始めたばかりであり、DPC準備病院となってもいませんが、ながれのなかで、平均在院日数も16日になり、かつ利用率も85%程度を維持しています。ただ、上記のながれがないなかでの対応であり、従来ののりしろ(≒無駄な部分)が整理されている段階であると考えることができます。
 次に、医療の質をあげて、DPC期間や条件をクリヤーするという段階が到来することになるでしょう。そのときに上記の議論は避けて通れない最低限の項目であることを理解しなければなりません。

 第二DPCの調査が始まったという情報もあり、今後DPCの改定が行われることになるでしょう。
第一、第二の区分のなかで、病院の機能が峻別されてくることになります。自院の特性やできることできないことを正しく判断し、戦略的に活動することが望まれます。

「よい病院よくない病院の見分け方同時掲載記事」

投稿者 石井友二 : 11:42 | トラックバック