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2008年03月20日

人と会議の成果をあげる手法

1.はじめに
 組織にはたくさんの人がいますが、彼らが組織のなかで、十分に成果をあげているかどうかについては検証されていないことがあります。

 仕事をしているようではあるけれども、何をしているのかが判らない。仕事量が妥当であるのかどうかがわからないといったことがあります。したがってある者は物理的にたくさんの仕事を抱え、ある者は実は実質的にはそれほど仕事を抱えていないということが往々にしてあります。

 以下、重要な経営資源である人をどのようにうまく活用すればよいのかについてご説明します。

2.内容
 (1)シート利用
 経営資源としての人が最大限成果をあげるためには、人ごとの仕事量を測定する必要があります。人ごとの仕事量を測定するためには、業務分析を行う必要があります。

 簡単にはどのような仕事をしているのか、それはどのくらいの時間がかかるのかといったことをヒヤリングする(あるいは紙に記載してもらう)ことになります。
①どのような仕事をしていますか
②それはどの程度の時間を要しますか
ということを聞くためのシートを利用して下さい。

 (2)業務日報
 日々の業務日報をつけるようにしてもらい、それらの内容を分析することで、対象者の仕事の内容と時間を測定することになります。
(1)で仕事の棚卸しをして、その後、日々の業務日報をみることで、仕事内容や仕事量が妥当であるかどうかを検証します。
 業務日報を1ヶ月程度毎日作成することができれば、対象者の仕事内容は大抵把握することができるようになります。

 といったことを先日病院で説明しました。

 この説明はまだまだ続きますが、何れにしても経済成長がほとんどないといわれている日本において、さらに厳しい医療制度改革があるなかで、勝ち残る必要がある病院は、明らかに生産性をあげる必要があります。

 であるとすれば、一人ひとりの仕事を見直し、まず本人が自分の時間を大切にした生き方をできるように誘導するのが組織であると考えます。

 具体的な手法を導入し、どのようにしたら最も重要な経営資源である人を活かすことができるのか、真剣に考えるときが来ています。

 これは組織普遍的な問題であり、多くの病院が取り組むべき課題であるにも関わらずほとんど手がつけらえていない部分であると考えます。とりわけ事務方がきちっと仕事を整理し、統一、整理、廃止を行なうことで、時間を捻出し、組織全体が化学的に動くことができるよう、現場のサポートをしていく必要があります。

 ある大好きな看護部長がこういいました。いまの多くの委員会は指揮命令系統を無視して決定し、組織に指示を出しています。それらが無秩序に組織に降りてきて、現場はその都度委員会の決定事項だからと動く。

 しかし、それが委員会毎に連携もとれおらず、整合性や首尾一貫性がないなかで動くものだから、それぞれのシナジーが生まれず、個々の目的だけを達成することに汲々としてしまう。

 さらに、まだ決定事項が組織に降りてくればよいほうで、何を議論しているのかすら見えてこない。そして何も決まらず委員会がながなが時間をつかい、それが仕事と誤解され、看護部のベッドサイドの時間を浪費する。
 これでよいのでしょうか?

 我々もそう考えていた事項、改革しようとしていたことが看護部長からあがってきたことはいままであまりありませんでした。胸が打ち震えるほど感動した記憶があります。

 会議は決定会議以外は開かない。会議の準備と議長のコントロール、そして決定、決定事項の次回までの徹底を決定し、経営改革委員会の決裁をもって、組織に落とす。こんなながれをもつ委員会活動を行う病院となるべく活動を開始したのでした。


「よい病院よくない病院の見分け方同時掲載事項」
 

投稿者 石井友二 : 23:45 | トラックバック

2008年03月04日

病院マネジメントについての議論(2)

マネジメントの仕組みづくりは大変ですが、結果として業務から無駄をなくし、ムラをなくし、質を向上させた結果として生産性をあげ不効率をなくすことは明らかです。

現在実施している経営改革のための委員会活動は、最低限必要な病院組織の仕組みを構築するための道具をマネジメントすることに成果を求めています。

 委員会活動の目的や意味、なんのためにいまこうした活動をしているのかを、まず医師が本質から理解し、受容しなければ、組織にその活動の成果が敷衍されることはありません。

 指標や部門別損益を利用して、問題を発見する。予算と実績の差額分析を行いながら翌月の行動を決定し、実行する。決めたことを実行するときにはマニュアルを業務改革のツールとして、パスやリスクとリンクさせ、常に実行による問題を発見、改革、把握、教育といった手順により人を育て、仕事の仕組みを変えていく。

 そのことにより昨日よりは今日、今日よりは明日と職員が成長し、組織が進化しているのがわかる。

 そのなかで、患者さんにはよい医療を提供でき、評判となり、徹底した医療介護との連携によりさらに患者さんは増加し、増患した患者さんをなんなく受入れてさらに良い医療を提供できる。
 
 医療は医師の診察、診断により開始します。しかし、その指示が正しく伝わる組織、実行される組織が
なければ、医師の指示は徹底されません。

 そんな状況をつくりあげることができれば、貴院の存在する意味をより鮮明にすることができます。あるべき病院マネジメントのかたちをつくりあげるための活動を継続していくことが期待されます。


「よい病院よくない病院の見分け方同時掲載記事」

投稿者 石井友二 : 04:20 | トラックバック

2008年03月01日

病院マネジメントについての議論(1)

ご紹介したかどうか忘れましたが、ある病院でのマネジメントについての議論の一部です。

 自明の理ではありますが、病院は、人により運営されています。このことは何度も説明しています。組織は経営トップである経営者が存在し、その指示を受け、一定の権限を以上された中間管理職が次に存在します。さらにその下に部下である医師やスタッフが配置されて組織が成り立っています。

 上位者から委譲された権限(≒責任)をもち、組織目標を達成するための戦略そしてそれを具体化した計画が立案され、計画が実行に移されます。それらを日々の作業のなかでクリヤーし、治療や看護、周辺行為が円滑に行われ、組織が成果をあげるという構造になっています。

 こうした組織運営を行うためには、資金の問題や人事管理、さらには具体的な医療の提供におけるマネジメントや病棟におけるマネジメントが必要となります。

 管理なしに上記の構造をもった組織を、あるべきかたち(経営者がこうしたいと思っているかたち)で運営することはとても困難です。ここにすなわち組織には多くのマネジメントが必要であり、それらを体系的に行なうことが組織維持、発展のための要諦である、ということを理解しなければなりません。

 ただ、日々の仕事を懸命に行なうなかで、行なわなければならないことを自然発生的に行なう、ということでも組織は維持できます。

 しかし、そこではルールが必要であったり、判断がきちっとできる役職者がいたり、それらを円滑に支援するための人が必要であり、いま所属している医師やスタッフがそれぞれの力量のなかで、属人的にその場で考え、その場で判断し、その場で行動するのであれば、常に彼らの力量や属人性に成果が大きく依存することになります。

 医療はそういうものであり、人によって成果が変わるというものだという言い方もありますが、できるだけ振れ幅を小さくすることが経営の役割であることも間違いありません。

 継続的にかつ安定的に医療を進めていくためには、最初から優秀や職員を採用する、ということが条件である、というのであればそれはそれでそうすればよいのですが、病院として努力はしたとしても、すべてそのようになる保証はまったくありません。 

 優秀な職員で病院が運営されたとしても、業務を業純化したり、その業務を常に改善したりという取組みや個人が教育を受け、また成長できる基盤を継続してつくりつづけなければならないことは必然です。また、人は不安定であり、いつまでも優秀な職員が組織に定着し続けるものではないことも事実なのです。どのような人でも活かす組織が必要です。

 停まった組織からはよりよい付加価値が生まれなくなることは物事の道理です。これらについてよく理解し、どのような厚労省の政策であろうと、その都度すべてそれらをクリヤーできる体制を整備していくことが必要ではないのでしょうか?(続く)


「よい病院よくない病院の見分け方同時掲載記事」

投稿者 石井友二 : 02:16 | トラックバック