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2008年12月18日

他科受診の禁止(2)

3.具体的方法
 上記を原則的な他科受診を禁止して、コストを低減するための方法としていきます。
上記について作業を行うプロセスで最も重要なものは、職員や現場に対して説明し、成果をあげるために具体的に実行してもらう部分です。

 ①データが判りやすい
 ②とりわけ金額での資料がケース毎に提示され実感がわく
 ③なぜそうなったのかの原因をDrと話し合う
 ④これからどのようにしていけばよいのかについて組織的な協力がある
といったことが大切です。とくに組織的な協力の話ですが、
  
 (1)他科受診禁止の告知をする
 通常は、他科受診がなぜいけないのかについての文章をチラシにして入院予定患者に配付することや、外来の壁に貼ることが行われています。

 (2)業務フローを確立する
 ①患者さんに対して誰が
 ②どの時点で
 ③どのように説明するのか
について決定しておくことやそのながれを一覧表にする必要があります。
 一般に他科受診は、チラシやポスターを貼り、その内容を患者さんに伝えるとともに、上記をどのように行うのかについてルールを決定していくことになります。

(3)院内で説明会を開催する
 他科受診だけではなく、コスト面からのDPCについてのいくつかの課題を説明するためのレクチャーを行い、質疑応答を受けます。質疑応答を行うことにより、それらをQ&Aとして整理して勉強会をする病院が多いようです。

 患者さんからの質問も、同様に別途Q&A集を作成して外来で配付するなどの作業を行います。

4まとめ
 他科受診を患者さんが希望する場合と医療的にどうしても実施しなければならないケースがあります。前者は精査して医師が判断して必要な医療行為はこれをやめることはできないとともに、後者については当然のこととして医療行為を行う必要があります。

 前者については予定入院であれば入院前に治療ができなかったのか、また後者であっても医療側でのケアに問題がなかったのかといったことが問われます。

 分析と原因、そして対策を立てるといったながれを常に忘れず、他科受診が発生しないようにしていく必要があります。

 院外、すなわち当院に診療科目がない診療科について、患者さんの家族が薬をとりにいっても他科受診であり、当院に請求が行われるところ、実際に当該病院と契約を行う必要性から、他科受診を行うときには必ず連絡をして欲しいという旨の告知をチラシにしていくことや、それを事前にこちら側から入院前のアナムネ(外来で実施)のときに聞いてしまうということで、事前の説明や納得をしてもらうという方法を採用することになります。
   
 結論的にはDPCで入院している患者さんに対する請求を最適化するとともに、コストをできるだけ発生させないという仕組みをつくりあげるためには、上記のようにかなり綿密な対応をしなければならないということを理解してください。
 


「よい病院よくない病院の見分け方同時掲載記事」

投稿者 石井友二 : 11:21 | トラックバック

2008年12月16日

他科受診の禁止(1)

1.はじめに
 DPCにおいては、医療資源を最も投入した傷病名とは,入院治療の全期間を通じて,最も人的・物的医療資源を投入した傷病であり,簡単にいうと入院中に複数の傷病を治療した場合でも一つに限らなければなりません。

 これが不明な時点では,入院の契機となった傷病に基づいて,診断群分分類を決定することになっています。したがって一入院一治療であるということになります。したがって入院してからの他科受診は原則禁止ということになります。

 コスト削減のひとつとして他科受診を禁止する仕組みをつくりあげる必要があります。医療的に必然的緊急性がある場合を除き、安易に他科受診を受容することは問題です。できるだけ意識的に患者さんの要望は避けていく必要があります。勿論、医学的にみて必然性がある場合にはこの限りではありません。
以下を実施することが必要です。

2.内容
(1)自院や外部における他科受診の現状を診療科別に把握する
 ①他科受診患者数の推移
 ②外来単価の推移
 ③診療行為の推移

(2)診療科別に患者毎のケースを積み上げる

(3)ケース毎のコスト分析を行う(どちらかというと投薬だけではなく治療を行ったケースが医療的に必然性があった要請であるかどうかをチェックする。なお、できれば診療科別にコストを集計する)

(4)原因を分析する

(5)対策を立案する

(6)上記を整理して報告書を作成する

(7)どのようにすれば他科受診がなくなるのかについての仕組みを検討する

(8)仕組みや手順を明確にしてマニュアル化する

(9)現場に配付して徹底する

(10)毎月データをとり成果を確認する

(11)成果のあがっていない診療科に対しての状況把握及び指摘・指導
 
さらに続きます。

「よい病院よくない病院の見分け方同時掲載記事」

投稿者 石井友二 : 11:19 | トラックバック

2008年12月15日

目標管理制度における上長の役割、部下の姿勢(2)

なお、個人自らがまったく変わることなく、成果があがってしまうということがあります。その場合には、元に戻り追加的に別の課題を設定して、当初の考え方を徹底していくことが必要です。すなわち、上長がこれをして欲しい、これを変えてほしいという部分について成果があがるよう最後まで部下を育成し続けるということがポイントになります。

 勿論、目標管理制度だけで組織が動いているのではないため、目標管理において設定した教育の到達点は、目標管理だけによって達成するのではないことは明らかです。あらゆる機会を通じて本人の育成を行うという姿勢や方針を常に持ち続け、併せて教育し続けていくことが期待されます。

「この人にはこれをして欲しいということだ」と看護部長が話されていましたが、まさにこうなって欲しいということも含め、部下に対する意識を振り向けていかなければなりません。
  
 日常から、こうしたことに対し意識をもっているのかどうかについて自己確認をしてみる必要があり、面接は、そのプロセスを確認するために行われるということが理解されなければなりません。

 そのように考えれば面接はそれほど困難なものではなく、逆に面接というよりも、日常のなかで、上記について上長がその実効性を確認し、常に指示を出したり、指導をしたりしなければならないと考えることが相当です。
  
(2)部下は上長からどのように育成されたいのか(どのように成長していきたいのか)
  部下自身の能動的な姿勢がなければ、上長のいかなる対応も成果をあげることができません。上長が上記により能動的な姿勢をもてるよう働きかけるとともに、部下がそうなるよう別途意識づけをしていく必要があります。

 上長が部下を育てたい、育ってほしいという思いをもち、具体的に行動していくことが前提にはなりますが、別途集合教育においても、能動的な意識を喚起するための
 仕掛けが必要です。

部下は、一般的に以下の思いをもち行動していると考えられます。
①どのような職業人になりたいのかについての思い
②どんな仕事がしたいのか、どんな仕事がしたくないのかということについての明確又は漠然とした希望
③何が(誰が)好きで何が(誰が)嫌いであるのかの明確又は漠然とした気持ち
 これらの気持ちを引き上げ、あるべき方向に誘導することが上長の役割であり、機能です。

①どのような職業人になりたいのかについての思い
 各職場において上長が、職業人としてのモデルを示していく必要があります。そのためには、上長自らが果たすべき職務を果たさなければなりません。

目標管理についていえば、病院の現状、何を目指しているのか、どのようなことができていないのか、職業人としていま何をしなければならないのか、それは個人にとってどのようなものであるのか、それを行うことにより個人はどのように成長することができるのかといったことについて日常から部下に語りかけていなければなりません。

そうした行動により部下は、職業感を身に着け、上司をモデルとして認識し、自分と実在する上長がをだぶらせながら不足するところを確認することができるようになります。上長が魅力的であればあるほど、自分のモデルは輪郭を明らかにして、「この人のようになりたい」という明確な到達点をもつことができるようになります。

②どんな仕事がしたいのか、どんな仕事がしたくないのかということについての明確又は漠然とした希望
上記ができあがっていくことがなくても、職業人として成果をあげていくためには何をすればよいのかを理解してもらう努力をすることが必要です。

 自分が持っている明確又は漠然とした希望は、それが正しいかどうかの検証をしていなければ意味がないことになります。否定するのではなく、何をしたいのか、どのようなことについて興味をもっているのかについて常に聴取するともに、これがあなたには向いているし、あっている。これをすることにより、よりあなたのやりたい仕事に近づける、近づくことができるという話をすることで、いまやらなければならないことの意味を意識してもらうことが必要です。

その場合には、押しつけではなく、個人がやりたいことが、何をすればどのように達成されていくのか、そのためには何をしていけばステップが踏めるのか、といったことについて上長は判断していく必要があります。

また、したくないという仕事があるとしても、それはそうではなくて、意味がある、あるいはしたい仕事とこのようにリンクしていて、それができなければ、したい仕事もできないといった説明をして納得してもらうことや、したくない仕事について十分に議論し、したくない仕事からしたい仕事に転換していけるよう支援していくことも必要です。

 本人の希望を聴取するとともに、病院や部門の目標、そして個人の目標がそれらとどのようにつながっているのか、また個人目標を達成することが、それらにどのように近づいていけるのかを納得してもらえるようサポートしていくことが期待されます。

③何が(誰が)好きで何が(誰が)嫌いであるのかの明確又は漠然とした気持ち
 目標管理を通じて、組織的に動くことが個人の目標を達成するために最も重要であることを伝えていく必要があります。好きな仕事や好きな人は別として、ネガティブな気持ちになりやすい、嫌いな仕事や嫌いな人との接点をどのようにつくり、それをそうではない方向に振り向けていくことも上長の役割です。

 チャンスを提供し、実はそうした思いは誤解であったという意識をもってもらうことや、仮にそれが解決できないとしても、社会人として感情に左右された仕事をしてはいけない、すべて事実としてとらえたとしても、例え嫌いな仕事であっても、成果をあげるまで行わなければならないし、嫌いな人であっても組織として動き、成果をあげていかなければならないことを説明していくことも必要であると考えます。

 上記を通じて、こんな仕事を通じて、こんな職業人になりたいという思いおもてるよう日頃から誘導していくことと、本人がそうした思いをもてるよう別途集合教育等により直属の上長を支援していく必要があります(続く)。  
  


「よい病院よくない病院の見分け方同時掲載記事」

投稿者 石井友二 : 11:32 | トラックバック

2008年12月14日

目標管理制度における上長の役割、部下の姿勢(1)

目標管理制度が盛んです。こんな時代は、トップマネジメントが強いビジョンを打ち出し、何がなんでもそれを実行していく。そんな組織運営が求められています。確信をもって積極的に行動するトップマネジメントにみなついていきます。リーダーとは部下から受容されること。

 受容されてはじめてリーダーになることができます。上司だから、権限があるからといってリーダーであると思っているリーダーは哀しいです。面従腹背のなかから新たな価値は生まれませ。上に立つ人は、少なくとも部下がいる人は、自分がリーダーにふさわしいのか、ふさわしくないのか。ふさわしくないとしたら、何を変えていけば真のリーダーになれるのか。

 心底から反芻してみる必要がありそうです。

 それでは、目標管理制度におけう上長の役割、部下の姿勢のお話を始めましょう。

1.はじめに
 目標管理制度が個人レベルに落とし込まれて運用されています。個人目標のチェックも1月までに完了するとの看護部長からのご説明がありました。そのなかで看護部長からは、個人面接をする看護師長が部下に対し、どのように面接をすればよいのかが理解できていないことがある、ということや部下もどのように面接を捉えていけばよいのかについて認識できていないことがあるという指摘がありました。

 以下、面接における上長の対応や部下の在り方について説明をします。

2.考え方
 個人面談=個人目標が達成されているかどうかをチェックするための個人面接は、個人面接そものの技術について良し悪しを検討するのではなく、目標管理におけるプロセスとして捉えていく必要があります。

 個人面接の技術といった表層的な議論ではなく、目標管理を上長がどのように捉えるのか、また部下がどのように対応するのかといったことでの議論が行われなければならないと考えることが適当です。
上長と部下にそうした思考があり、その経過として個人面接がある、という捉え方をしなければなりません。

3.部下をどのように育てていくのか
 目標管理制度は、目標を達成するためのマネジメント手法であるとともに、部下を育成する行為そのものでもあります。
 部下を一定の方向に振り向け、指導し、そして成果をあげるというプロセス自体が、部下育成のプロセスそのものであるからです。

①上長は部下をどのように育成するのか
②部下は上長からどのように育成されたいのか
について熟考し、それぞれの立場から目標管理を捉えていかなければなりません。

(1)上長は部下をどのように育成するのか
 上長が部下を育成するための一つの道具として目標管理を使うという視点を持つ必要があります。
そもそも、目標設定時点で、個人の属性を確認したりや課題を想起することが規定されていました。

 すなわち、目標により何を達成するのかについてよく吟味したうえで、また個人をよく見たうえで、個人の育成に貢献する、あるいは個人が力を発揮できる目標を設定するなど、目標管理制度は、該目標達成と個人の育成を同時に達成しようというながれをもっていたことを思い出さなければなりません。そうであれば、上長は目標管理がスタートしたのち、個人別に以下について確認し、行動することが適当です。

①個人は、設定された目標達成に取り組んでいるか
 一つ一つの個人目標に網羅的に取り組んでいるのかを、あらゆる方法により評価し、取り組みの程度を確認しておかなければなりません。

②取り組みは適切に行われているか
 目標への取り組みは決められた通り、またはその都度考慮された方法により行われているかどうかをチェックします。具体的には、日々の業務を観察したり、本人に確認して個人の行動をチェックすることになります。

③支援が必要であるのか
 本人の意欲を喚起することで解決することが可能であるのかどうかを確認する必要があります。
本人の意欲(取り組みの姿勢)が欠如しているときには、
 ⅰ)意欲が欠如している理由の明確化
 ⅱ)解決策の検討
 ⅲ)解決策の実施
を行わなければなりません。  
 本人の意欲はあるが、方法論で壁にぶつかっているときには、支援が行われる必要があります。

④どのような支援が必要か
 ③を行ったうえで、支援が必要なことが明らかになったのち、どのような支援が必要であるのかを考えます。
 ⅰ)当初決めていた同じ目標を設定した他の個人との調整
 ⅱ)別途当該目標達成に対して技術をもっている他の個人への支援依頼
 ⅲ)自分(上長)による何らかの具体的な行動レベルの支援実施
  a)適時のアドバイスを心がける
  b)代替的手法の提示
 aとbを繰り返しながら対応します。

⑤当初想定した、個人育成の観点で成果があがっているか
 こういう能力を身に付けてほしい、こうした成果を上げて欲しいという思いで目標を設定しているとき、その通りの結果となっているのかどうかについて確認する必要があります。
 個人が育成されているのかどうかを確認するためには、当初想定した能力や成果があがっているのかを総合的に評価することになります。
  (例)
 ⅰ)この資料作成を通じて、○○の知識や技術を身に付けてほしい
 ⅱ)このとりまとめを通じて、他部署との調整を図ることで、コミュニケーション能力を高めてほしい
 ⅲ)この作業を通じて、人を束ねることができるよう指導力を身につけてほしい
  といったことがそれですが、これらを達成するためには、
  a)個人が生き方を変えたり、
  b)仕事に対する取り組み姿勢そのものを変えたり、
  c)日常的に勉強したり
  d)他人のことを思いやれるようになったり
さまざまな変化が起こってくることが想定されます(続く)。

「よい病院よくない病院の見分け方同時掲載記事」

投稿者 石井友二 : 11:14 | トラックバック