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2010年07月20日

バイオシミラー市場が急展開

 2010年5月27日、日本ケミカルリサーチ(“JCR”)とキッセイ薬品は腎性貧血治療薬「エポエチンアルファBS注JCR」の販売を開始する。これは我が国で最初のバイオシミラーであり、今後、我が国でも多くのバイオ医薬品のシミラー(類似薬)や後発医薬品が登場してくることが予想される。

 2008年現在、世界で2000億円以上売れているバイオ医薬品は13品目ある。ちなみに100億円(10億ドル)以上売れている薬をブロックバスターと呼ぶ。トップの関節リウマチ薬enbrelは5000億円だ。従来の低分子医薬品に変わって、現在、抗体薬を始めとするバイオ医薬品の存在感が大きく増してきている。こうしたバイオ医薬品の特許が切れたあとは、バイオ後発医薬品が一気に増えてくることを意味する。

 我が国では欧米の50%(量ベース)に比べて、まだ15%(量ベース)と後発医薬品の普及は進んでいない。これはゾロといわれる後発医薬品に対する不信感と後発医薬品メーカーの経営基盤が弱いことも理由の1つとなっている。一方、バイオ後発医薬品は低分子化合物に比べてその製造管理の基準が遥かに厳しく、品質的にも先発と後発の差が殆どないといわれる。

 またバイオ医薬品は概ね薬価が高いため、低価格である後発品の需要が高まると予想される。このようにバイオ後発医薬品は一気に普及する可能性が高い。

 すでにG-SCFについては北海道のバイオベンチャーであるジーンテクノサイエンスと富士製薬、持田製薬が和製バイオ後発医薬品第1号を目指して開発を進めている。

 またこれを追いかける形で世界最大の後発医薬品会社であるテバ(イスラエル)と興和の合弁である興和テバが、輸入品による参入を表明した。

 外資の国内製薬企業に対する資本参加も相次いでいる。上記のテバと興和に加え、3月26日には英国のメガファーマであるグラクソが上記EPOを開発したJCRの筆頭株主になった。また5月28日、フランスのメガファーマであるサノフィ・アベンティスは後発医薬品大手の日医工に資本参加、合弁会社の共同設立を発表した。


 日本の医薬品市場は約9兆円。現在はこの8%に過ぎない後発医薬品であるが、将来的にはこの数字が30-40%に跳ね上がると予想される。今後、国内新薬メーカー、後発医薬品メーカー、外資、そしてベンチャーがこの市場をめぐり競争を激化させていくことになる。ねがわくば、国産バイオ医薬品がこの中で確固たる地位を占めて欲しいと期待している。

                                                              (松田一敬)

投稿者 石井友二 : 2010年07月20日 10:48

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