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名越 秀夫(なごしひでお)弁護士


 

 
昭和58年
英国ロンドン大学留学
米国FPLC(修士課程)、米国特許商標局、
Fitzpat rick,Cella,Happer&Scinto法律事務所、Sch lunberger株式会社にて研修。
平成11年
司法研修所特別法講師
平成12年
ネットワークリスクマネジメント協会理事
平成13年 NHK「世紀ビジネス塾」講師
 
(現在に至る)

 


現代は、医療機関を取り巻く監視の目が苛烈になっている時代といえます。従来医療機関が抱えるリスクといえば医療事故を指していましたが、それだけでは対応できない環境となっています。

そこで企業のリスクマネジメントに長年携わってきた弁護士の名越先生に病院が直面するリスクについて、六本木ファーストビルのオフィースでお話をしていただきました。

「リスクには、物的なリスク、ファイナンシャルリスク、情報的なリスクがあります。私は新しいリスクとしての情報リスクを専門に行っています。この点につきまして様々な本を出させてもらったり講演会をしたり、研究をさせてもらっているという経緯があります。研究を始めた十数年前はリスクマネジメントという概念がなかったわけですが、ここ数年特にリスクマネジメントへの関心が高まってきている、特に個人情報保護法とか、ネットワークに関する関心が高まってきていると感じています。

情報リスクマネジメント行ううえで一番重要なものは、開け閉め、つまりどんな情報をオープンにし、クローズにするかの基準を立ててやっていくことだと思います。ちょうど企業の経営状態を見るのに資産状態を見るのと同じなんです。企業の経営状況を見るためには、B/S,P/Lを作ります。同じように情報についてもB/S,P/Lがあると思うんです。B/S,P/Lを作り、それを基にどんな対応をするか決めることが重要です。どんな情報が入ってきて、どんな情報をストックして、捨てていくのか、入ってくる情報はどんな構造になっていて、またどんな情報が重要で、あるいは重要でないのかを分類していくということがまず出発点になります。

今の医療機関ではそれがまったくなされていなくて、情報が日々積み重なっていっていくだけという状況ですから、そこが出発点になると思います。

またリスクマネジメントにとってコンプライアンスも重要になります。コンプライアンスは法令遵守のことですが、2つの段階があります。

まず法令順守という、法律・命令・条例等定められた基準を守るというもの。次にさらにそれを超えて、企業内部の明示ないし目次の常識や企業風土、文化に根ざしたもの、また社会的規範という常識・非常識という段階のものがあります。

後者まで進めばそれは良いことなのですが、最低でも第1の法律、命令、規則というものを遵守しなければいけないというのは、社会の中で活動していく、組織として自立性を持って活動していく中では当たり前のことです。

ルールを持たずにサッカーなどスポーツができないように社会の規範ですので、これを遵守するという当たり前のことができていないので、重要な問題としてコンプライアンスということが出てきたと思うのです。

法律を守るというと大変なことのように思われるのですが、当たり前のことを当たり前にやっていればほとんどすべての法律は守られるわけです。そこがただ過失によって欠落したり、惰性によって違法状態を放置してしまったり、というのがあるのでいつも当たり前であるのかを問い直さなければならない、というのがコンプライアンス運動の出発点です。

これを個人がやることも大切ですし、今までは個人がしっかりやっていくということだったわけですが、それを組織体としてやっていくと、これが重要なコンプライアンス運動になったわけです」

「病院も社会の一員ですから、当然必要なりますし、さらに病院の特殊性から取りしまらなければならないとも言えます。ただ病院には他の組織体と違う面があって、ひとつには、医師・看護師・専門職の人等の職能分担がありますし、また患者という特別なファクターがあります。こういった事情から病院独自のコンプライアンスが必要になるわけです。

それから病院というのは専門化していたり、地域性という特性があります。コンプライアンスもこれらを考慮することが重要になります。例えばプライバシーにかかわる病気と、プライバシーにかかわるとはいえ、その程度が比較的軽度なものがあります。その意味で病院の持っている性格、特性、地域性に応じてきめ細かいコンプライアンスが出てきます。

それを一律に扱ってしまうと、非常に効率が悪いことになりますし、さらに非常にセンシティブな情報とそうでない他の情報とを同等に扱ってしまうというのもまた好ましくないということが言えます。

さらに病院は日々,IT化が進んでいますから、コンプライアンスの非常に多くの部分を占めるのが、情報の問題になります。

病院は情報の塊といえます。病院の持つ情報の特殊性には2つの意味があります。まず患者にとっては非常にプライバシーの度合いの高い、決定的にセンシティブな情報であるということ。普通の企業でもこれはセンシティブ情報、思想信条と同じように扱われるのですが、病院はセンシティブ情報の山といえ、これが非常に大きな位置を占めています。

また単純にセンシティブかどうかだけでなく、第3者にとって非常に経済的な価値がある、ということもいえます。つまりセンシティブ情報であると同時に経済的価値があるということですから、それに対して侵害の発生が起こる確率が高くなります。当然ターゲットになってしまうことになりますし、これが漏れてしまえば、直ちに責任が発生してしまいます。病院の診療とは全く別の領域で大きなリスクが発生してしまう可能性があるわけです。

誰だって自分の病歴が筒抜けになってしまう病院にはいきません。これは病院の技術とは関係のない別の次元の問題ですから、これを考えていかなくてはいけません。病院は今までそんなことを考えず、人員や予算を割くことはなかったと思いますが、これからはそれでは許されない時代になります。

まさに今年四月から個人情報法保護法が施行されます。この主要な対象まさに病院そのものと考えてもいい。今日本中にたくさんの病院がありますが、ほとんどすべての病院がその対象になってきます。これはとりわけセンシティブな情報を持っている組織体なのですから、やむをえないかと思います。 

そこでまずは足元から見直していくために、今日できることは今日やるというスタンスで望まないと将来大変なことになってしまいます。

現在は、地域連携といった医療機関同士のネットワークとか様々なネットワークに医療機機関は入っています。しかし情報管理というものは水を張った桶のようなもので、一番低いところから漏れ出してしまうものです。そうすると自分のところからほかの医療機関の患者様の情報や製薬に関する情報が漏れ出してしまいますと自分の病院だけの問題だけでなくなってしまうということも考えられます。

このような状況を良く自覚されて社会の中において、その一員として組織体としてやるべきこと、医療機関としてやるべきことを今後きちんと体制を整えてやっていくことがこれからの医療機関として必要になると思います」

名越先生の培ってきた知的所有権や情報管理についての研究成果を医療に活かしていただく時代の到来です。今後は医療現場にどんどん出て行きながら、啓蒙活動を行いたいとお話になる名越先生の笑顔はとても素敵でした。

 




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