素敵な人のお話 <医療機関経営支援サイト「ドクタートレジャーボックス」
 Home > 素敵な人のお話メニュー > 保田 行雄 (やすだ ゆくお)弁護士


保田 行雄 (やすだ ゆくお)弁護士


 

 
1951年12月 熊本県八代市生まれ
1975年3月 明治大学法学部 卒業
1981年4月

弁護士登録(東京弁護士会所属)

担当した主な事件

・東京HIV(薬害)訴訟

・医療過誤訴訟(未熟児網膜症等)

・廃棄物問題(所沢テレビ朝日ダイオキシン訴訟、
  盛岡殺虫剤散布損害賠償訴訟等)

著作

・「エイズに学ぶ」 
 共著 山田卓生・大井玄・根岸昌功編 日本評論社

・「薬害エイズは今 新しいたたかいへ」 
 川田悦子女史との共著 かもがわ出版

・「ダイオキシンの現実」 
 摂南大学 宮田教授との共著 岩波書店

 

今回は、HIV訴訟やカネミ油症での裁判でご活躍されるなど医療過誤訴訟に詳しい保田先生に、お話をお伺いします。

保田先生は、約30年にわたり多くの医療事件を取り扱われてきました。

ある弁護士が、保田先生の仕事振りについて『保田先生は本当に弁護士らしい弁護士だ。尊敬する』とお話されるほど、医療の現場にたち地道かつ着実に、弱者の先頭に立って弁護士活動をされています。

保田先生に以前お話をお伺いしたときのことで印象に残っていることがあります。「医療事件では、訴訟毎に産婦人科事件は産婦人科の、循環器の事件は循環器の医学の専門の勉強をしなければならない。大変だよ」と少し笑顔を浮かべてお話されたことです。

最近はそうでもありませんが、医療事件の解決までに時間がかかるとともに、人の命にダイレクトにかかわる医療事件で法廷闘争をするということは、すごいエネルギーを使うのだなあと思うとともに、淡々と語られる先生が輝いて見えました。

今回、保田先生は次のようにお話されています。 

『1970年代、未熟児が保育器内の高濃度の酸素で失明する事例が相次ぎました。この未熟児網膜症事件(※)にかかわったのが、私が医療過誤事件を扱うことになった始まりでした。

この事件そのものは「医療水準」論などで、現在の医療過誤訴訟そのものの原型を形作ったものです。その後血友病のエイズ感染被害事件を担当しましたが、これはまさに医、官、製薬会社の構造的癒着の典型で、日本医療の病巣そのものをえぐる事件でした。

今日医療過誤事件は多発しており、社会的にも議論を呼ぶことも多いのですが、事件そのものは個々の医師か看護師の「ミス」に還元されがちです。しかし多くの事例では、過誤は病院の体質から生じている場合が多いのです。つまり日常の診療の延長線上に「ミス」はあるといえます。

先日地域医療のモデルになっている著名な病院の「事件」を取り扱いました。その病院は、事故発生時のマニュアルも公表しているほどで、開かれた医療を目指している病院です。先進的医療機関であったが、事故後の対応も悪く、医師間の連携も悪いという状況で、足の一部を壊死させてしまった。

如何に良いマニュアルを作っていても日頃の日常診療の中で、他人事として対応しているのでは従来と変わらないでしょう。医療事故防止への対応は、すべての医療関係者が参加し、かつ開かれたものとすることが必要といえます』

保田先生がおっしゃるように、形式ではなく実質的なリスクマネジメントが必要であり、かつ求められている時代が到来したということでしょう。

訴訟が起こってから対応するのではなく、訴訟が起こらない医療の質をつくりあげる

ことがすべての医療関係者の課題であるなか、我々は訴訟や判例から事故の要因を探り、それらの解決策を仕組みのなかに落とし込むなかで、医療を提供する側も提供を受ける側も、安心して医療を語れる時がくることを渇望しています。

保田先生のご活躍が、多くの医療従事者の方々の意識を覚醒させることをご期待します。

※未熟児網膜症事件

(事件の概要)

原告(X)は、昭和49年に1508gの未熟児として出生、即被告Y病院の小児科新生児センターに転院した。Xは3ヶ月ほど入院していたが、入院期間中ほぼ継続的に保育機内で酸素投与を受け、その後も酸素ボックスによる酸素吸入を受けた。被告病院では、未熟児網膜症の発見と治療のため、未熟児が眼科検診に耐えられる状態になった時点で眼底検査を行い、本性発症が疑われる場合には転医させる体制がとられていた。Xは入院中及び退院直後に各一回の眼底検査を受けたが、以上なしとされ、その後4月に行われた検査で異常が疑われたため、他病院眼科を受診したところ本症発症3度と診断された。

(本判決)

眼底検査及び診療上の義務違反について、光凝固法を実施しなかったことにつき、一審、高裁いずれも、その診断及び治療基準は当時確立されておらず、法的義務はなかったとしたが、本判決では、高裁までの判決を、診療契約に基づき医療機関に要求される医療水準についての解釈適用についての誤りがあるとし、破棄差戻した。

(最高裁平成7年6月9日判決)

(解説) 

診療契約につき求められる医療水準を判断するにあたっては、全国すべての医療機関を一律に判断するのではなく、当該医療機関が、大学病院や専門病院、地域の基幹となる総合病院、小規模病院、診療所のいずれであるかで異なること、また知識の普及につき差が出ることを前提に、実施のための技術・設備等の普及は更に遅れて実施されることを明らかにした点で、その後判例の基礎となった判決といわれる。

 




プリンタ出力用画面 友達に伝える
中島亮医師が当社経営陣に入ります
病院支援の仕組みをご活用下さい
病院の「経営企画室」業務、私達が請け負います
3か月で病院原価計算導入
勝ち残る5段階で進めるDPC戦略
オンリーワンクリニックになりたくありませんか?


お勧め化粧品 BLOG よい病院・よくない病院の見分け方 素敵な人のお話
クリッククリニック 聞いてネット(FAQ) わかった!経営の処方箋


ホームサービス・商品目次Drトレジャーボックスとはご利用方法としくみ
ご登録画面ご登録の手順会員規約お申し込み方法運営会社の説明